~「スプリング ハズ カム!!!」~
8点差をひっくり返し最終回で劇的逆転勝利!!
スプリング ハズ カム!!
3月に入りめっきりと春めいた関東地方。気温が急上昇し長袖では汗ばむほどの陽気の中、萩中公園にコアメンバー12人が揃って初対決となるJスターズに挑む。
初回、今季初出場の塚野敦也が四球で出るとすかさず盗塁。二番丸野のセンターオーバーのスリーベースで敦也がかえり先制。なおも4番桜町のサードゴロで丸野がホームインしてビッグアプセットが2点を先取。
その裏、これも今季初出場のセンター谷上が魅せる。ワンアウト1塁からJスターズ3番のセンター後方、4番の右中間への鋭い当たりをいずれもスタートダッシュよく追いついてナイスキャッチ。ビッグアプセットベンチもいきなりのスーパープレー連発に大盛り上がりだ。
ところがここで、バックネットに高反発バット禁止の掲示があることを相手チームから指摘され、小川の金属バット1本を除き持参のレガシー全てが封印される事態となる。
更に、2回裏、このところ危なげなかった内野陣にまさかの乱れが連発。先頭打者のショートゴロ、続く7番のセカンドゴロがいずれもエラー。8番打者のバントも送球が乱れて満塁と思いきや、バッターランナーの足がボックスから出ていたのを審判が見逃さすアウトの宣告でワンアウト1・2塁。これで一安心と思いったが更にエラーがでてしまい、その後フォアボールをはさんで長短6安打を浴びて大量8点を失い一気に逆転を許してしまう。先発小川の調子は決して悪くなく、威力のあるストレート、カットボールが決まっていただけにこの回の守備の乱れが悔やまれる。
3回表のビッグアプセットは小川、村上が連続フォアボールで反撃開始。大河原の内野ゴロでランナーがかわったところで1番塚野敦也の当たりはJスターズレフトに好捕され、スタートを切っていた村上が戻りえずに惜しくもダブルプレーとなり無得点。
その裏のJスターズの攻撃。連続ヒットで1・2塁となったところで次打者のバントはピッチャー正面に転がる。小川がこれをつかむや躊躇なくサードに送球。タイミングはアウトであったが送球が高く、サード敦也がジャンプして捕球するもランナーはセーフ。更にファーストへの送球もそれてしまい、もったいない1点を献上。更に犠牲フライでもう1点を追加されて2対10。しかし次打者の当たりをレフト山下が全力疾走で見事スライディングキャッチ。昨年のゴールデングラブ賞を惜しくも僅差で牧にゆずった山下の守備が今年もさえる。
8点差を追う4回、Jスターズのピッチャーがかわったところで、ビッグアプセットが反撃開始。ワンアウトから芝田が三遊間を破るヒットで出塁。4番桜町はピッチャーゴロでランナーが入れ替わった後、山下、大間、谷上が連続フォアボールでまず1点。西村がセンター前にしぶとく落とす2点タイムリーでこの回3点を返し5対10。試合の流れが徐々にビッグアプセットに傾いてくる。
そして村上監督は4回裏から丸野をマウンドに送り塚野敦也がマスクをかぶる。
すると先頭打者の左中間へのライナーをレフト山下がまたもスライディングキャッチするスーパープレー。次打者をエラーで出すが今度はこの走者の盗塁で塚野敦也が矢のような送球。ショート西村のタッチも見事に決まり引き寄せかけた試合の流れを渡さない。
5回表、Jスターズ3番手に村上、大河原、丸野が四死球でワンアウト満塁のチャンスを作ると今季絶好調の芝田がレフトオーバーのツーベースで村上、大河原が相次いでホームイン。「ビヨンドだったらフェンスオーバーだった」とは試合開始直後のルール変更をふりかえる芝田の弁だが、これで7対10。更に桜町のセンター前の当たりをつっこんできた相手センターがそらして丸野がかえる。セカンドランナーの芝田はホームで惜しくも憤死するがこれで2点差。そして続く山下の当たりが二遊間を真っ二つに割り歓声がわくが何とファーストランナー桜町が二塁はるか手前でフォースアウトとなり記録はセンターゴロ。
陽が西に傾く6回表、Jスターズも4人目のリリーフをマウンドに送り必死に逃げ切りをはかる。先頭大間が三遊間を破るヒットで出塁。ワンアウトから西村がまたもレフト前にしぶとく落として同点のランナーが出る。続く橋爪の打席でワイルドピッチが出て一打同点の場面。今季初出場の橋爪もファールで懸命に粘るが惜しくも三振でツーアウト。ここで小川が三遊間を破り大間がかえってついに1点差となる。11番村上も粘りに粘ってフォアボール。ツーアウト満塁で大河原のバットに全てがかかる。その大河原が2球目のストレートを強振するとこれがサードゴロ。万事休すと思われたその瞬間、スプリング ハズ カム!!
サードからの送球をまるでファーストミットにスプリングがはいっているがごとくファーストがはじくエラー。ベンチの大歓声の中、西村、小川がホームインして11対10と逆転。
時間切れなりここでゲームセットが宣告されるが、8点差の劣勢をひっくり返したこの試合、ビッグアプセットルールが適用され勝利と認定された。
先発小川、リリーフ丸野の好投に加え、スーパープレー連発の谷上、山下。途中からは機事に立て直した内野陣。粘りに粘って追いつき追い越した攻撃陣と全員野球で勝ち取った今季初勝利。試合後は蒲田の中華で絶品羽根つき餃子とニンニク料理を大量のビールで流し込み勝利の余韻に浸るビッグアプセットナインであった。
【監督コメント】
皆で存分に楽しむことができた。
とにかく、参加した全ての選手がそれぞれの持ち味を存分に発揮した。それでいいではないか。それが最高だ。