~「さよなら夏の日、いつまでも忘れないよ」(山下達郎)~
夏の夜のナイター、時と世代を超えた真夏の夜の夢にビッグアプセットナイン躍動!
前代未聞の熱波が日本全国を襲う今年の夏、最高気温37度を毎日クリアした先週から、この週はやや暑さがやわらぎ最高気温も30度台前半、それでも暑いがこの日ビッグアプセットはおなじみ萩中公園で17時プレーボールのナイター、初対戦のトリックスター戦に臨む。第二次村上政権発足とともに電撃復活したマダックス末永がこの日も先発、さらにわが桐の朋のひとり、2007年に1試合参加実績のある鈴木秀紀が17年ぶりに参加、試合開始17時には昼間の熱波の余波が残るものの太陽は西の雲に隠れ、思いのほかしのぎやすい状態でビッグアプセットは総勢12人でプレーボールだ。
この夏の終わりを思わせるナイターの初回、ビッグアプセットの先制攻撃だ。ワンアウトから2番大間がフォアボールを選ぶと、この日も名古屋から参戦の3番丸野が完璧ジャストミートでレフトフェンス直撃のツーベース、ワンアウト2・3塁から4番芝田のショートゴロで大間がホームインし先制だ!さらにツーアウト3塁となったところで、5番山下が鮮やかにセンター前に弾き返す!ツーアウトから2点目を追加する理想的な攻撃で初回ビッグアプセットは2点先制だ!
しかしその裏のトリックスターズの攻撃、ビッグアプセット守備陣がここぞでエラーがでて、末永は自責点ゼロながら初回5点を失ってしまう。
逆転されたビッグアプセット、2回表には先頭7番牧が技ありのレフト前ヒットで出るとすかさず盗塁とワイルドピッチで3塁へ進み、つづく櫻町のセカンドゴロの間にホームイン!1点を返すと、つづく3回表の攻撃では先頭フェラーリ黒田が相手エラーで出ると大間がしぶとくライト前に落とすヒット、さらに丸野が意表をつく初球セフティバント、これが鮮やかにきまる内野安打でノーアウト満塁、ここで芝田が初回と同様セカンドゴロで黒田が還り1点!さらに山下がフォアボールで歩きワンアウト満塁と絶好のチャンス、ここで登場、17年ぶり参加の鈴木秀紀がライトに打ち上げるとサードランナーの大間が果敢にタッチアップ、しかし相手ライトからのバックホームがきまり、大間はタッチをかわすべくスライディングを試みるがわずかにホームに届かずタッチアウト!痛恨のダブルプレーで満塁のチャンスでの追加点を逃してしまった。
先発末永は2回、4回にそれぞれ3安打集中され4イニングで11失点とリードを許すが、自責点はわずか6、守備の乱れでどうしてもペースがつかめなかったものの、多彩な変化球を駆使したピッチングは今後さらに期待が高まる。そしてこの日光ったのは5回からマウンドに上がったライアン小川だ。力のあるストレートにカットボール、時おり投げるナックルカーブが有効に決まり2イニングを無失点とますます安定のピッチング、マダックス末永とライアン小川の2枚看板で後半戦を乗り切るイメージができたことがこの日最大の収穫か。
初回乱れて失点を重ねた守備陣も中盤以降は立て直しをみせる。キャッチャー丸野は度重なるファールフライに何度もチャレンジするハッスルプレーでビッグアプセットナインに喝を入れ、6回裏の守備ではノーアウト1・2塁のピンチで相手4番の三遊間の鋭い当たりにショート牧が逆シングルでナイスキャッチ、鋭く反転しセカンド西村、転送も鮮やかに決まるダブルプレーだ!守備陣も盛り上がった後半、今後のシーズンに向けいい形で試合を終わることができた。
試合中盤にはどっぷり日が暮れ、4基の照明塔のカクテル光線が鮮やかにグランドを照らす。両チーム全力プレーでのゲームセット、ホームベースに集合した両チームナインに対し審判から「これだけ涼しいといいね!ナイスゲーム!」と声がかかり両チームナインも健闘を称えあってゲームセットだ。酷暑に苦しんだ今年の夏も少しずつ終わりが見えてきた。あと一週間で夏休みも終わるこの季節、夏の夕立の雨に濡れながら大人になったぼくたち、その遠い夏の終わりの夕暮れが脳裏によみがえる。試合後のグランドをきれいに整理し、爽やかな風が汗に濡れた身体をやさしく包む、さよなら夏の日、いつまでも忘れないよ、再集結したビッグアプセット黄金メンバー、17年ぶり参加の桐の朋・鈴木秀紀、マルチヒットで気を吐いた大間と丸野、ナイスピッチングで充実の小川、それぞれの夏への想いを胸に、あるものは家路を急ぎ、そしてあるものは蒲田駅前の羽根つき餃子と生ビールに向けいそいそとグランドを後にする、そんな夏の終わりのビッグアプセットナインであった。
<監督代行コメント>
初対戦のトリックスターズに打ち負けた感はあるが、芝田の戦評にもあるとおり、二試合連続の末永・小川の継投で二枚看板の形はできてきたと感じた。
エンツーにセフティバントと大技小技を駆使した丸野、チャンスできっちりタイムリーの芝田、積極走塁の大間、好守好打の牧等々、各自が丁寧に自分の持ち味を発揮できればこれが勝ちにつながってゆくと信じて、来週以降も頑張りましょう。