~「負けて、勝つ」(吉田茂)~
どうしても勝てない東京ローヤーズ戦、攻守に食い下がるもまたしても惜敗!
首都圏の緊急事態宣言の解除がいよいよ決まり、センバツ高校野球が開幕、甲子園に2年ぶりに高校野球も帰ってきた。プロ野球開幕も翌週に控え、いよいよ球春到来だ。高ぶる気持ちを抑えつつこの日ビッグアプセットナインが集結したのは初めての月島野球場、月島といいつつ運河を超えた晴海地区、高層タワーマンションが林立するウォーフロント感満載の3面球場、今期初参加となるパパ谷上も加え、ここでビッグアプセットは過去12戦で11敗1分けといまだ勝てていない宿敵東京ローヤーズに挑んだ。
先発は今期4勝負けなしの石井大和、初回はヒットとフォアボールでランナー2人を出すが後続を押さえ、2回は1三振を含む3者凡退と順調な立ち上がり。一方今日こそ必勝の構えのビッグアプセット打線は2回、ツーアウトランナーなしから西村がセカンドゴロエラーで出ると、続く櫻町はイチローを彷彿とさせる華麗な流し打ちでレフト線へのヒット、ツーアウト1・2塁と得点圏にランナーを進めるがここは惜しくも村上が凡退してチェンジ。
試合が動いたのは3回表ビッグアプセットの攻撃だ。先頭の藪下が初球をフルスイングするとこれが右中間への大飛球、超高級ニューバットで放たれた打球はぐんぐん加速、これが右中間奥深くに到達する間に藪下は3塁へ、スリーベースでノーアウト3塁のチャンスだ。続く小川、大河原が三振に倒れこの回もここまでかと思われたその時、1番石井大和が速球を見事に弾き返し、ショートの頭を超えるレフト前クリーンヒット、これがタイムリーとなり藪下が生還、ビッグアプセットが先制だ!
すると強豪ローヤーズも黙ってはいない。その裏ローヤーズ先頭打者がセンター前ヒットで出ると、このランナーが牽制悪送球で2塁へ進む。続く1番は送りバントでランナーは3塁へ、リーグ戦目前のローヤーズは大会モードで勝ちにきている。続く2番をキャッチャーフライに切って取りツーアウトにこぎつけたが、続く3番はサードへの強烈なライナー、これがサード藪下強襲ヒットとなり3塁ランナーが還り1-1の同点に追いつかれる。
このまま試合は1-1の同点のまま膠着状態に入る。石井大和は強豪ローヤーズ打線に粘りのピッチング、変化球も織り交ぜたピッチングで4回まで4三振を奪い追加点を許さない。対するビッグアプセット打線も、次々と繰り出してくるローヤーズの好投手たちに対しなかなか追加点が奪えない。
そして迎えた5回裏のローヤーズの攻撃、先頭をレフト前ヒットで出した後、2者を打ち取りツーアウトにこぎつけるが、ここで次打者の打球は二遊間へのゴロ、ここでセカンドに入っていた櫻町、1塁走者のため空いた1・2塁間をカバーすべくファースト寄りのポジショニングが裏目にでてこれをセンター前ヒットとしツーアウト1・2塁、ここで相手3番にレフトオーバーのツーベースを打たれ、痛恨の追加点を許してしまう。
1点リードを許したビッグアプセット、今度はこちらが追いつく番だ。6回表、先頭小川が渾身のフルスイング、これがレフトオーバーとなり小川はスーパーマリオ走法を飛ばして二塁へ到達、いきなりノーアウト2塁のチャンスだ。続く打者は大河原、1打席目のワンアウト3塁のチャンスで初球の絶好球を見逃したあとの三振、これを大いに教訓とした大河原は初球から打ち気まんまん、ベンチから飛ぶ様々な技術的な指摘・アドバイスにいっさい耳を貸さず打席に集中、フルスイングの打球はライト線へのハーフライナー、ベンチが一瞬総立ちとなるが相手ライトの位置取りがよくこれは残念ながらライトフライ、結局この回も得点ならず。
するとその裏のローヤーズ、先頭の三遊間のゴロを藪下がさばくが一塁送球がハーフバンド、これを芝田が惜しくも落球し先頭を出す。すると力投してきた石井大和はその後続をデットボール、フォアボールでノーアウト満塁としここで力尽きる。交替した石井は先頭にセンター前ヒットを許すが、サードランナーに続きホームを狙う3塁走者をセンターに入った石井大和からのノーバンレーザービームでホームで刺殺、その後内野ゴロの間にもう1点を与えるが息詰まる攻防は続く。
そして迎えた最終回のビッグアプセットの攻撃、点差は1-4の3点、ランナーをためて同点に持ち込みたいビッグアプセットは先頭山下が粘ってフォアボールで出塁すると、続く芝田は定石通り初球をフルスイング、三遊間を鮮やかに破りノーアウト1・2塁とシナリオ通りの展開、この後は谷上、西村、櫻町、村上、藪下と期待の打線が続くだけに後続バッターたちもベンチ周辺で気合注入を開始する。まず期待が集まった谷上はうまく流し打ちを見せ一瞬歓声があがるが、これは相手ライト正面でワンアウト。そして続く西村はセカンド正面へのゴロ、これがダブルプレーとなりノーアウト1・2塁のチャンスは一瞬にしてついえ痛恨のゲームセットとなった。
これでローヤーズには通算13戦で引き分けひとつをはさんで12連敗、この試合もがっぷりよつに組んだ息詰まる好ゲームだったが、過去13試合を改めて見ると、引き分けひとつ、1点差4試合、2点差2試合、3点差2試合、つまり13試合のうち3点差以内だけで9試合、常にがっぷり四つに組みつつ最後は押し切られるという力負けの展開だ。
この日も力で押し切られた形となったが、石井大和の粘りのピッチングはもちろん、藪下・小川の見事な長打、大河原のブレークを予感させるフルスイング、数か月のうちに劇的ダイエットを成し遂げ30代への気合いを見せた谷上、メンバー繰りに苦心しながらセカンドを守った村上と櫻町、オヤジ中心ながら打線も引き続き好調で6人が3割以上をキープだ。
終戦後の日本の立て直しを担った吉田茂は、戦争に負けても外交で勝つ、負けっぷりのよい負けを目指すという信念を「負けて、勝つ」というシンプルな言葉で表現した。どうしても勝てないローヤーズだが、正面から挑み続けることでチームもメンバーも色々なことを学び強くなる、それがいずれローヤーズに対する圧勝ゲームにつながるに違いない、そう言い聞かせつつ、自粛継続組は地下鉄改札へ、解除組は月島もんじゃストリートへと向かうビッグアプセットナインであった。
~監督談話~
まだ1勝もしていないローヤーズ相手に序盤の藪下くんの右中間スリーベースを石井大和くんがレフト前に痛烈に弾き返すタイムリーで返す鮮やかな先制となりましたが、2回の櫻町のレフト前ヒットなどでのツーアウト1、2塁、6回の小川さんのレフトオーバーツーベースで作ったノーアウト2塁、7回の芝田のレフト前ヒットなどでのノーアウト1、2塁のチャンスにあと1本が出ず、石井大和くんも粘りの投球を続けナイスピッチングを披露したものの、最後に悔しい逆転負け。点差以上に惜しい試合でした。
次回、是非雪辱を果たしましょう!
緊急事態宣言明けとなる来週3月27日(土)は光りが丘公園で13時から、シルバーフォックス戦に決定しました!
みなさんの出席表明お願いします。
では来週!
みんな、よろしく!