Q5)
ダボ継ぎは接着強度や接着時に起こるズレを防止するためと言う説明は理解できるが、木ネジを使えば作業も簡素化出来るし強度も上がるのでは?
A)
基本的にスピーカーや家具は一部の大型は除いては接着やほぞ組でのみで造られているので、何の疑いも無くビスを使わずに造っていました。
そこで以前友人の紹介でエンクロージャーをお送りした方のご親戚(家具職人)に聞いて頂ける様にお願いをしていました。
以下はご回答を頂いた内容です。
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家具の木組みにビスやクギを使わない最大の理由は錆びによる膨張で木割れを起こしたり変色の原因になるからです。
ステンレス製を使えば錆による弊害は防げますが、もう一つ大きな理由があります。
仮に下穴を開けてからビス止めをしても、ビスをねじ込む際には必ず木材を裂こうとする力が加わります。
接着剤を併用しても、この力はビスを打った所に集中し、湿度や気温の変化で何らかの歪が生じてしまいます。
その歪が直角を狂わせたり壊れる原因にも繋がるのです。
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市販されているスピーカーや家具など、ビスやクギを使わないのは、そんな理由なんだそうです。
接着剤を塗りビス止めすれば接着剤が乾くまでに要する圧着時間が必要なくなり、作業スピードが格段に速くなるので一度は考えた事もありますが、こんな弊害があったんですネ。
以前TVでクギの話をしていましたが、クギは自ら錆びる事で抜けにくくなるんだそうです。
建築と家具造りでは工法が全く違う事を改めて認識しました。
ご質問を頂いた方にも感謝いたします。