※ 諸元に合わないエンクロージャーの場合

FOSTEX FE103NV専用機にP1000Kを取り付けたテスト結果を報告しておきます。


FE103NV Q0(0.46)に対しP1000K Q0(0.53)では、断面積比で5~15パーセント程度の差が有り、低域が出にくい傾向ですが、実験の結果はさほど大きな差は出ませんでした。

元々最低共振周波数F0は、FE103NVの91.8Hzに対し、P1000Kは82Hzとコーン紙が重い分低域特性が良い事が実験結果に表れている様です。

測定のグラフ(添付写真)を見るとFE103NVのF091.8Hzが70Hzに、P1000Kは82Hzが80Hzに、と言う事で適切な断面積比の方が間違いなく低域性能を伸ばしています。

しかし両者とも20Hzまでダラ下がりで再現できていて、普通に試聴する限りは低域に関しては遜色無いレベルです。

反面、高域再生限界はFE103NVが22KHz、P1000Kが16KHzと、数値の上でも測定結果でもFE103NVが勝っている事が分かります。

この差をどの様に判断するかは皆様しだいですが、バックロードホーンとして確実に動作しているのは、専用設計したFE103NVである事は間違いありません。

(WaveSpectra及びWaveGeneを導入。20Hz~20KHz対応のUSBコンデンサーマイクで測定)

(校正を要する様な高級な測定システムでは無いため、グラフは参考程度と言う事でお願いします。尚マイクの特性か、どのスピーカをテストしても高域側の伸び方が悪い様です)


ちなみにそれぞれの適正断面積(出品機)は、FE103NV専用機断面積比65%+αP1000K専用機は断面積比60%-αです。(αは微調整分)

最新のP1000K専用機は音道長は約1.6m ながら、約50Hzあたりまで低域を伸ばしています。(下図)


オリジナルのDー10バッキーは断面積比90パーセントで設計、最適とされているFE108EΣの適正断面積比は80パーセントが理想。

僅かな差に思われるかもしれませんが、バックロードホーンとして確実に動作しているかは、今回の実験と同様の結果が得られると推測します。

宝の持ち腐れと言った理由は、こんな結果からも判断できるのではないでしょうか。