※何故12㎜厚の板なのか?


皆さんが良いスピーカーだと思う印象は、大きくてズッシリと重量感のある物だと思います。

重低音を出すために大きく重たいウーハーユニットを取り付ければ、おのずと箱の強度も必要になります。

また密閉型やバスレフ型は、スピーカーの背面から出た音圧を貯めなくてはならないため、強固な箱が必要になります。

それに対し、バックロードホーンは背面から出た音圧をホーンを介して開口部から放出する事で低い帯域まで再生する仕組みのため、圧力を貯める必要がほとんど無く重量や強度はさほど必要ありません。

板厚を12mmにした理由は箱として最低限必要な強度と、開口部が大きく湿度の影響を受けやすいバックロードホーン特有の欠点を塗装でカバーするために必要な厚さだったとご理解下さい。

ちなみにこれ以上薄い板の場合、木材の種類に関わらず、塗装した際の「板反り」の問題が発生してしまいます。


故長岡氏の著書の影響だと思いますが、「バックロードホーンも重厚な箱の方が音が良い」とされた時代から多くの方が研究され、特に低周波振動(箱鳴り)が起こらない厚さであれば音に影響が無い事が証明されています。

ステータスや見た目で重厚な箱を好まれる方でしたら良いですが、音を重視するための重厚さは必要なく、むしろ邪魔者扱いされる時代なのです。

私も前作のFE103NV専用機で15mm厚の板で試作していますが、12mmでも何の変化もありませんでした。

重たいスピーカーを無理して運んで、腰を痛めたなんて洒落にもなりませんからネ。