オリエンテーション
沿革・概要
法人沿革
平成10年 4月 「有料ホームヘルプサービスパートナー」結成
平成12年 4月 介護保険法施行 「ホームヘルプサービスパートナー」に改名
居宅支援事業 訪問介護事業 開始
平成15年 6月 NPO法人化 入善町第1号 「特定非営利活動法人パートナー法人」
平成17年 1月 「グループハウス うらら」開設
平成18年 4月 「グループハウス うらら」が住宅型有料老人ホームに指定
平成21年 4月 小規模多機能型居宅介護「小規模多機能ホーム うらら 」開設
ホームページ https://sites.google.com/site/partnernourara
設置主体 特定非営利活動法人パートナー 法人全体数 26名
名称 特定非営利活動法人パートナー 訪問介護事業 10名(内 常勤1名)
併設 居宅支援事業 ケアマネ 2名
介護保険事業者としての役割
「要介護者となった利用者が、可能な限り住み慣れた地域での居宅において自立した生活を営むことができるよう、心身の特性を踏まえて、通いサービスを中心として、訪問サービス及び宿泊サービスを柔軟に組み合わせて、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練等を行う。」とあります。しかし、
最近の介護福祉士の教科書には「心身に応じた介護」と文言に変わりつつある。それは、人間が生活していくには、いわゆる三大介護と言われる入浴、排泄、食事のお世話だけでは生きてはいけない。たとえ、最低限の生活が継続されても、その人らしさを保つための支援にはならない。と言うことがわかってきて、その方の病気や心の状態に応じたきめ細かいケアが必要だということがちゃんと表現されるようになってきたのだと思います。
受け入れ状況・利用者の特性
小規模多機能型居宅介護利用者は17名(この内、併設の有料老人ホームに住んでいる人は6名)
男女比 男1名 女16名 年齢は平均83歳、 最長98歳、最少52歳
介護① 7名 ②6名 ③1名 ④2名
皆さんほとんど毎日、訪問、通所、宿泊の何らかのサービスを利用している。
小規模多機能型居宅介護が必要になるのは高齢の一人暮らしか、認知症でも一人にしておけない方ばかり。あるいは脳梗塞などで障害が残り、同居であっても共働きの子世代や高齢の配偶者に介護負担がかかってくるケースなどである。中には病気、障害が軽くても虐待で家族と一緒にしておけないケースもある。大体が困難ケースで他のケアマネさんや地域包括支援センターや保健師から紹介され「うらら」に流れ着いた方である。
また、へんな傾向だが、小規模多機能型居宅介護が便利なサービスと知る、保健師さんや役所関係の方のご家族の依頼が多い傾向にある。それほどまだ知られていないサービスであり、知っているとお得な希少サービス。入善町には、うららのみ、黒部、朝日を入れた新川介護保険組合圏内で3事業所しかありません。入善には今年5月にオープンしたばかりの看護小規模多機能型居宅介護が、丸川病院の近くにある。うららにとってはかなりの脅威ではあるが、「看護」がついている分医療度が高い人、介護度の高い人をターゲットにしているので、うちのように介護度の低い元気な認知症の方の多い施設とは競合しないのではないかと読んで、それほど心配していない。
小規模多機能型居宅介護は月きめの報酬制でサービスは使い放題と思われがちだが、それは大きな間違い。ご本人、そして家族の実情に応じた介護計画を立てる必要があり、それを理解していただかなくてはならないのでケアマネジャーの責任が重大である。
入善は全国的から比較すれば、まだ家族同居率が高いため、施設に入居することに抵抗を感じる人も多い。それは、高齢者本人だけでなく家族も。そこで世間体を気にして家族介護を貫こうとされる方もいる。すると、入所ではなく表上は在宅介護をしていることにして短期入所を続けるという現象が出てくる。それで特養の短期入所は30日続けて利用できないように制度上なっているが、小規模多機能はその制限がない、ケアマネージャーが必要と認めればずっと使いつづけていいことになっている。そのせいで、特養の入所待ちのつなぎ的な役割を背負わされているようで、本来は、通い、訪問宿泊サービスを柔軟に組み合わせて、在宅で暮らせるようにするミラクルなサービスのはずが、施設入所までのつなぎに都合よく使われている事業所が多いことに抵抗を感じている。しかし、うららも現在、長期滞在している宿泊利用中心の方が2名おられ、3部屋しかない宿泊室がいつも埋まっていて、1つの部屋を何とか回しながら使っているような状態である。
罹患しやすい疾病 その他
・自分が風邪など持ち込まないで。高齢になると肺炎を起していても微熱しか出なかったりするので、風邪が命取りになる事もあります。
・食事介助のムセは、誤嚥性肺炎の原因になることがあるので、ムセがあった時は2,3日注意深く観察します。(隠さず記録しましょう)
・1行為1手洗いを心がけて下さい。
・脳梗塞の方の入浴やリハビリ介助があるので学習した基本に忠実に。
職員構成
女性10名内パート3名。(全員2級ヘルパー小規模多機能型居宅介護にはヘルパー資格は問われない。介護福祉士4名
ケアマネージャー2名(うちパート1名)看護士2名(うちパート1名)
管理栄養士1名、調理師は2名、宿直4名(有料老人ホームと兼務で)
記録
報告・連絡(引継ぎ)
個別援助計画①② ライフサポートプラン
当面のプラン
小規模多機能ホーム うららの特徴
とにかく、変わっている。グループホームとひとくくりにされることが多いが、それとも違う。今までの高齢者施設の認識、常識を一度捨てないと理解しがたい。
その中でも、うららは特殊。まず、県内で一番小さい。それと、有料老人ホームと併設になっており、どこからどこまでが小規模多機能で、どこからが有料老人ホームなのかしきりがなく、わからない。ご本人がたもちろん家族も実はスタッフの何もよくわかってない人がいる。でも、私はそれがうまい具合になっていると思っている。有料老人ホームに住まいする人たち(8名)にとって、ここは家なので自由には出られない。しかし、通い(デイサービスに人たちが毎日通ってきているので閉鎖されていると感じていない。家から通っている利用者にとって、家を離れてここに来ても、必ず同じメンバーがここにいるという安心感がある。
研鑽
福祉業界は女性が多く、ボランティアの延長の仕事というような扱いを受けてきたので、主婦の片手間のパート業と思われがち。しかし、私たちのお客さまは「人」であり高齢や障害で生活が困難になっている方々なので、ちょっとした親切心ではできない。プロとしての仕事が求めてられている。
そのために、パートナーでは月1度の内部研修、そして県主催の外部研修にも積極的に参加してもらっている。小規模多機能型居宅介護で働くには特に資格は必要ないが、全員がヘルパー2級の資格をもっている。持たずに入社した人も自ら勉強したいと、進んで資格を取ってくれている。
それでも、学ばなければならないことはまだまだある。そこで、うららでは(別資料)月1回の内部研修では担当者を決め、資料の準備、当日の司会進行、まとめのレポートまでをしてもらっている。私は外部研修へ行った時に、「発言できる介護スタッフ」を目指してほしいと思っている。研修には必ずといっていいほどあるグループワークで、時間が過ぎるのを下を向いてじっと待つような事はないようにしてほしいと思っている。そのために、日頃から内部研修を担当して企画から司会進行、まとめのレポート提出までを経験しておくことは有効だと思う。
また、うららでは委員会活動を行っている。内容は1年に一度行われる事業所評価でうららに足りないところ、伸ばしたいところを見つけて、その点を重点的に強化する目的がある。近年のテーマは「地域交流」「家族交流」「心の交流」がある。例えば、つい最近では「うららの避難訓練を地域の方にも参加してもらって行い、来てくださった地域の方にカレーライスを振舞う」という地域交流委員会の企画があった。家族交流委員会ではご家族に満足度アンケートを取ったり、心の交流では「看取り」をテーマにして、うららのオリジナル終末期ケアマニュアル作りをしている。
このように、私が命令を出してやらせるのではなく、スタッフ全員で考え、やりたいこと、目的、実行し評価するという、PDCAを意識した介護過程を実感できるようにしているつもりです。
キャリアパスを作成にも挑戦しています。
キャリアパスとは何か?「職業能力評価基準書」日本語にすると難しそうです。
福祉業界は長い間、出世するとか昇進するとかいう価値観と無縁の世界でした。しかし、介護業はこれから絶対に必要な仕事であり、そのためにはきちんとした報酬が払われるべきです。しかし、賃金アップと並行して、仕事の質の向上もやっていかなくてはいけません。そして、それを評価するきちんとした「ものさしつくり」が必要です。
介護士は看護師、保育士と同じように子供たちから、あこがれるような職業にならなくてはいけないと私は思っています。そして、大きくなったら「パートナーで働きたい」と言ってもらえるような、他の一般企業に働いているのと同じように、補償され安心して働き続けていけるようにしたいと思っています。
最後に
本来、介護保険は施設入所や社会的入院を減らし、在宅介護のためのものだったが思うようには進んでいないのが現実。施設が足りないとか介護職不足が言われているのでとっても心配です。
でも、いろいろな産業の中で、また福祉の分野の中でも「在宅介護」はまだ歴史が浅い。特に新しい今までの常識をひっクリ返したような小規模多機能型居宅介護をやることを私はとても楽しんでいます。頭から「できない」「無理〜」と言わないで、できるかどうかやってみればいい。
私たちパートナーの理念
「わたしたちパートナーは普通の主婦が自発的に集まり、助け合い活動を始めました。人の親になったとき、自分が年をとったとき、障害を持ったとき、どんなサービスを受けたいが実行し研究するグループです。」