ミカヅキ (Amamira / أماميرة)
特徴: 折り紙部の司令塔であり、数学・幾何学系オリガミスト(設計者)の美少女。かぐや姫のような浮世離れした上品さを持ち、三次方程式やゴールドバッハ予想の証明などを折り紙で解明しようとする。イメージカラーは深紫(ムラサキ)で、「母上さま」へ月灯りの窓辺から語りかけるストーリーテラーの役割も担う。
サワガニ
特徴: 折り紙部の「ハサミ担当(切り込み隊長)」の美少女キャラ。ミカヅキの指示通りに寸分の狂いなく紙を切り出すプロフェッショナルだが、それ以外のことは大雑把でよく物をなくす。
ノリ(ノリおばちゃん)
特徴: 折り紙部の「糊付け・お世話担当」のおばちゃん。宇宙のあらゆる素材に対応する特殊な糊を使いこなし、ミカヅキたちをおむすびと糊で支える。力持ちで大胆な作業が得意な一方、食いしん坊なツッコミ役でもある。
オニギリ
特徴: 突発ゲストの「放浪の天才画家(貼り絵アーティスト)」。山下清がモデルで、「ぼ、ボクは・・〜〜なんだな」という口調で話す。宇宙の塵や漂流物を素材にアバンギャルドなアートを作り、意味深な言い間違いをしてミカヅキにインスピレーションを与える。
チャップリン
特徴: ストーリーアーティスト系三人組の一人。パントマイマー。言葉(論理)を捨てた身体の動きで、沈黙の中に宿る悲喜劇を表現する。
ベンジャミン
特徴: ストーリーアーティスト系三人組の一人。スポーツカイトアーティスト。見えない風と同調して自由な曲線を描く。リュックに「タマゴッチ」を持っている。
ハミルトン
特徴: ストーリーアーティスト系三人組の一人。落書きアーティスト(落書き紳士)。宇宙船の真っ白な壁やハゲ頭クルーの頭頂部などに、ネイピア数 e やM理論に関するヘンテコな数式を大まじめに書き殴る。
カムカムイ船長
特徴: ヘンテコ宇宙船の船長。自由で生を愛する「立派なクレタ人(嘘つき)」であり、死後の墓石にはただ「ハンサム(وسيم)」と刻まれる。
ハーロック
特徴: 宇宙船の従軍牧師(チャプレン)。寝不足気味でうたた寝しており、ハゲ頭に書かれた「M = Happy」をM理論と大まじめに解釈して船長に報告する。
アカシヤ
特徴: 派手な演出や熱い言葉で説教を盛り上げる役割を持つ。エピローグで船長の墓の前にて語る。
管理クルーたち(A、B、ハゲ頭クルー)
特徴: 宇宙船のパウロ的なエリートたち。ハゲ頭クルー(ベテラン管理官)は、寝ている間に頭頂部をハミルトンのキャンバスにされ、鏡で自分に刻まれた「M = Happy」の数式を発見する。
【ミカヅキの呟き・独白】
ミカヅキ:「……重なった(Qad in-tabaqat / قد انطبقت)」「……アマム(Amam)」「……まだ、届かない(Ma ziltu la asil / ما زلت لا أصل)」「……ムラサキ(Murasaki / 紫)」
ミカヅキ:「……重なった、かな?」
【折り紙部の日常】
ミカヅキ:「……サワガニ、ここ。コンマ数ミリの誤差も許されないわ。この偶数を二つの素数に分断するように、切り裂いて。」
サワガニ:「了解!お安い御用だよ、ミカヅキ!あたしのハサミにかかれば、宇宙の法則だってチョチョイのチョイさ!」
ノリおばちゃん:「こらこら、サワガニちゃん危ないよ!ほら、切ったそばからあたしがピタッと貼ってあげるからね。オニギリさんも、そこらへんに変なもん貼らないでおむすび食べな!」
オニギリ:「んだな。ノリおばさんのノリは、お米の匂いがして、いいんだな……。」
【オニギリの登場と意味深な言い間違い】
オニギリ:「ぼ、ぼくは、おにぎりが食べたいんだな」「أ... أ... أنا، أُريدُ أن آكُلَ أونِيجِيرِي... هكذا هو الأمر.」
オニギリ:「ぼ、ぼくも、重なったと思うんだな……」「أ... أ... أنا، أعتقدُ أنها انطَبَقَتْ... هكذا هو.」
オニギリ:「...هكذا هو الأمل(ハカザー・フワ・ル=アマル:希望なんだな)」
ミカヅキ:「……今、なんて言ったの? 『アムル(物事)』じゃなくて、『アマル(希望)』って……。それが宇宙の真理だと言いたいの?」
オニギリ:「へ? ぼ、ぼくは、お腹が空いてて口が滑っただけなんだな。あ、アマルっておにぎりの具の名前かな?」
ノリおばちゃん:「ちょっとオニギリさん! ミカヅキちゃんが固まっちゃったじゃない。アマルだかアムルだか知らないけど、あんたの言い間違いはいつも宇宙規模なんだから!」
サワガニ:「えー? アマルって響き、ミカヅキに似てていいじゃん! 今日からこの宇宙船の合言葉にしようよ!」
ミカヅキ(日記):「お母さん。今日、放浪の画家が、計算違いのような言葉を口にしました。でもそれは、どんな数式よりも正解に近い気がしたのです……」
オニギリ:「ぼ、ぼくは、おにぎりを食べてるときが、一番 Peace(平和)……あ、いや、Piece(お米の粒・断片)が……どっちなんだな?」
オニギリ:「ぼ、ぼくは、これが一番 Butter(重要)なんだな……」
ノリおばちゃん:「はいはい、バターはおむすびに合わないから、大人しくシャケ食べな!」
【ミカヅキのエピローグ(ストーリーテラーとしての語り)】
ミカヅキ(独白):「サワガニがハサミで可能性を切り出し、ノリおばちゃんが温かな日常を貼り付ける。放浪の画家が『バター』と呟けば、世界は溶け合い、硬い数式もその形を変えていく……。」「バラバラだった素数たちが、今夜、ひとつの点を目指して歩き出しました。……انطَبَقَتْ(重なった)。」「次回、『折り紙部、ブラックホールを包み込む』。……あなたの心も、いつか誰かと重なりますか?」
ミカヅキ:「母上さま。今日の宇宙船は、サワガニがハサミを振り回し、ノリおばちゃんがバターの匂いを振りまく、とても騒がしい一日でした。放浪の画家が描いたデタラメな貼り絵は、あなたの教えてくれた夜空の星々に、少しだけ似ていました。」「孤独な数字も、誰かの温もりで溶けることがあるのですね。……انطَبَقَتْ(重なった)。」「母上さま。次回の折り紙部は、『四次元のクレープを折る方法』です。お体、大切になさってくださいね。」
ミカヅキ(語り):「母上さま。今夜は、オリオン座第4惑星、第2衛星『エメラルド・ムーン』の月灯りの窓辺で、この手紙を書いています。ここから見える光は、お母さんと一緒に見たあの日の月よりも、少しだけ青く、冷たいです……。」
【ハミルトンの落書きと管理クルーたちのツッコミ】
管理クルーA: 「おい、またかよ……。今度はなんだ?『E』じゃなくて『e』? しかもこれ、数式じゃなくて……詩か?」
管理クルーB: 「解析不能だ。ハミルトンの奴、今度は『エントロピー』と『Happy』を等号で繋いでやがる。熱力学第二法則を真っ向から無視した、とんだ『不具合』だよ、これは」
クルーA: 「読んでみろよ、この最後の一行。『んふw。なんでこの人、なんかHappyそう。案件だ。』……案件ってなんだよ!自分を客観視しすぎてて、逆に不気味なんだよ!」
クルーB: 「しかも見ろ。この詩の隣にある図形……ベンジャミンがドームで飛ばしてるスポーツカイトの軌道計算に e(ネイピア数)を混ぜてやがる。奴ら、この『苦労の数式』を本気で『健康』だと思い込んでるらしい。底辺層の考えることは、論理の飛躍がひどすぎるな」
クルーA: 「でもさ……ちょっと待てよ。この落書き、消去レーザーが反応しないんだ。『サルヴィフィチ・ドローリス』? とかいう単語のところが、船体の構造材に深く『同調』しちまってて、消そうとすると船の気圧が下がりやがる」
クルーB: 「何……? まさか、この『ヘンテコな詩』が宇宙船のOSと『タメ(準備時間)』を共有しているというのか? 馬鹿な。こんな情緒的なバグが、物理現象に干渉するなんて……」
クルーA: 「おいチャップリン!お前もグルか!……なんだよその顔、その『んふw』って笑い方は! 腹が立つくらい……なんかHappyそうじゃないか!」
ベンジャミン: 「あははw。お疲れさん。それ、ハミルトンの新作。いいだろ? 社会的には不具合でも、身体的には『ベスト』なんだよ。ほら、ちゃんと食べて寝ないと、エントロピーに食われるぞ?」
【ストーリーアーティスト三人組の会話】
ハミルトン: 「(小声で)ベンジャミン、今日の風はどうだった? カイトの曲線は、e のリズムを正しく描いていたかな?」
ベンジャミン: 「んふw。最高だったよ。指先に、聖母の沈黙みたいな、深い『タメ』を感じた。あれは絶対、計算じゃ出せない。」
ハミルトン: 「素晴らしい。では、その『沈黙』を宇宙船の壁に翻訳(翻訳)するとしよう。」
クルー: 「おい!誰かそこにいるのか!?」
ハミルトン: 「(一礼して)おっと、野暮なパウロたちが来たようだ。撤収しよう。ベンジャミン、次の『野外』で会おう。」
【ハゲ頭キャンバス事件】
ハミルトン:「……完璧だ。この滑らかな曲率。これこそ、ネイピア数 e の真理を描くのにふさわしい、天然の球体(ドーム)じゃないか。」
ベンジャミン: 「んふw。これ、ハゲ頭が起きるまでの『タメ』が勝負だね。ハミルトン、いけ。宇宙の真理を『現そう』。」
ハゲ頭クルー: 「……ムニャ……エントロピー……計算……合わな……zzz」
ベンジャミン: 「(小声で)あ、笑ったw。今、寝言でHappyって言ったぞ。」
ハゲ頭管理官: 「なんだ、この落書き……。逆さまだし、デタラメじゃないか。……ん? 待てよ?」
ベンジャミン: 「(カイトを操りながら)そろそろ、鏡を見たかな?」
ハミルトン: 「鏡を通さなければ真理は見えない。それが私の『紳士的なこだわり』さ。……ところでベンジャミン、そのタマゴッチ、さっきから逆さまに表示されてないか?」
ベンジャミン: 「んふw。これも鏡で見ろってことだろ。……ほら、タマゴッチも『寝る時間だ』って言ってるぞ。」
【最終決戦前夜:カムカムイ船長とハーロック】
カムカムイ:「やあ、チャプレン。」
ハーロック:「お見せしたいものが。」(頭を下げて、ハゲ頭の頭頂を見せるハーロック)
ハーロック:「朝、鏡を見ていて気づきました。『M = Happy』。ハミルトンだと思います。もしかしてM理論でしょうか。もしかして役に立つかもとも思い。」
カムカムイ:「んふw」
ハーロック:「わかりますか、船長!」
カムカムイ:「ああ。よーくわかった。我々は、意味を学んでいるのだ。ありがとう。チャプレン。ちゃんと食べて、ちゃんと寝ろ。説教、どうせ、アカシヤが盛り上げるんだから。」
カムカムイ:「チャプレン、君の頭の上の『M』は、単なる理論じゃない。我々がこの不自由な宇宙船で、なおも『人間』でいられるための、最後の拠り所(Ma'na)だ。」
ハーロック:「船長……。では、今夜は『意味』に身を委ねて、ちゃんと寝ることにします。」
【エピローグ:1年後のお墓にて】
アカシヤ:「さすが我が船長。立派なクレタ人だった。」
アカシヤ:「見てくれよ、この墓。自分から『ハンサム』だなんて……。立派なクレタ人(嘘つき)の、最高の真実じゃないか。