北三陸鉄道リアス線の島越駅。そのユニークな駅舎は
誰でも愛着を感じます。しかし東日本大震災で
線路も、駅舎も破壊されてしまいました。
東北の復興を願って、2012年のJAMコンベンションに
出展した作品です。
まずは初期のレイアウト構想イラストです。
三陸鉄道の36系電車と島越駅を中心に、
漁港の賑やかさと応援メッセージも
入れたいという欲張りな思いを実現するために
最初の段階からレイアウトも更に大幅な変更となりました。
カルボナード島越は駅の改札と食堂、売店があるユニークな
建物でした。線路も建物も全て津波にさらわれてしまいました。
1枚の写真を元に何とかそれらしい建物を造りました。
奥は写真で、手前のグレーの建物が自作のストラクチャーです。
プラ板で作ったカルボナード島越に、色を塗るとそれらしくなりました。
津波で流されなかった宮沢賢治の碑も横に作りました。
写真からは駅のホームは見えていませんが、想像でホームとと駅舎を
仮配置してみました。
トンネルの位置は変更しなかったのですが、漁港の位置は大幅に
変更しました。どうしても市場と漁協の建物を繋げて入れたかったのです。
トミーテックの漁港シリーズA2とB2を使いましたが、レイアウトの
大きさの関係でいずれもショートカットしています。
赤いアーチ橋をフルスクラッチで製作しました。
設計図と実物です。
漁港の配置が決まったことで、全体の配置が決まりました。
当初のレイアウトでは駅舎が入らなくなり、エンドレストラックの
線路の形を変更しました。
海の表現には、画材屋さんで手に入る「グロスポリマーメディウム」と
「ジェルメディウム」を使いました。アクリル絵の具で海の色を塗った後に
これらで仕上げます。
橋の下から漁船と桟橋を臨みます。穏やかな波が岸壁にあたり
少し泡立っています。
赤い橋と線路を取ってみると、隠れていた漁港の様子が
わかります。
ほぼ完成したので、電飾をテストしてみました。灯台や漁協の建物、
「カルボナード島越」が明るく輝いています。
この後は橋の改造です。漁港側がどう見ても不自然に
感じてしまいました。白い部分を追加しました。
漁協とカルボナードの間に、復興を祈願して横断幕を張りました。
いよいよ完成です。この作品は2012年のJAMコンベンションに出展しました