2012年02月 中川克志、金子智太郎「調査報告 日本におけるサウンド・アートの展開-『Sound Garden』展(1987-94)と吉村弘の作品分類」

(ここで公開している論文たちには校正での訂正が反映されていない部分があり、実際の掲載稿とは若干相違があります。また図版は掲載していません。引用などの場合、必ず、公開された原文をご参照ください。)

「日本におけるサウンド・アートの展開-『Sound Garden』展(1987-94)と吉村弘の作品分類」

-中川克志+金子智太郎

The Development of Sound Art in Japan - Sound Garden (1987-94) and the Classification of Sound Art by YOSHIMURA Hiroshi

近年国際的な評価や研究がなされつつあるサウンド・アートが日本ではどのように展開されてきたのか。本調査はこの疑問に答えるための資料収集を目的としている。1989年に栃木県立美術館で開催された『音のある美術』展は、音響彫刻やサウンド・オブジェやサウンド・インスタレーションを集めた、国内では最初期に開催されたサウンド・アート関連の展覧会のひとつである(注1)。この展覧会のカタログで、恩地元子が60年代以降に国内外で開催された、音を使う展示を概観している(注2)。このなかで日本におけるこうした試みのさきがけとして、岡崎球子画廊、鎌倉画廊、ストライプハウス美術館(現ストライプハウスギャラリー)、西部美術館の活動がふれられている。なかでも六本木のストライプハウス美術館で1980年代半ばから90年代前半にかけて計6回開催された『Sound Garden』展(以下、SG展)は、継続性、参加作家数、残された記録などの点で注目に値する。本調査報告では、この展示シリーズの概要と、企画・プロデュースを務めた吉村弘による展示分析を紹介したい。吉村は、同展のための小冊子や著作のなかで、同展の出品作家と作品、さらには「サウンド・アート」とその作品傾向を分析している。この吉村の作品分析と実作品を共に検討することで、吉村弘が向き合った当時の「日本のサウンド・アート」の一端を垣間見ることができるだろう。それが本調査報告の眼目である。

SG展はその継続性にもかかわらず、当時の他のサウンド・アート展と同様、これまでまとまった記録が公開されてこなかった。『ストライプハウス美術館1981-2000』(2000)、および吉村弘の著作『都市の音』(春秋社、1990)、『街のなかでみつけた音』(春秋社、1994)に展示概要やごく一部の作品画像が掲載されているのみである。記録の有無は、音を使う作品を集めた展示に共通する問題である。しかし、今回の調査では、ストライプハウス・ギャラリーの塚原操氏、神奈川県立美術館の水沢勉氏、そして吉村弘夫人の吉村洋子氏に貴重な資料をお借りして、当時の状況について詳しくお話をうかがうことが出来た。また吉村洋子氏からは、数年かけて整理された、吉村弘やSG展関連の写真映像や音響記録を大量にお借ししていただいた。ここに記して皆様に御礼申し上げたい。

1.『Sound Garden』展の概要

SG展は、吉村弘の企画・プロデュースにより六本木ストライプハウス美術館で1987年から1994年にかけて約一年半に一度ずつ、計6回行われた展示シリーズである。

吉村弘は1940年に生まれ 2003年に亡くなった音楽家である(画像1)。2005年には神奈川県立近代美術館で回顧展『吉村弘 音のかたち、かたちの音』が開催されている(注3)。吉村は60年代には、パフォーマンスを行ったりコンクリート・ポエトリーや図形楽譜を制作したりしていた。また70年代には小杉武久率いるタージ・マハル旅行団にも参加している。80年代に入り彼の活動領域は飛躍的に拡大し、おそらくは日本における「サウンドスケープ」の思想の流行とともに、彼は、環境音楽家や公共空間のサウンド・デザイナーとして多方面で活躍するようになった。また彼は、サウンド・アーティストとして、サウンド・オブジェの制作やワークショップも手がけるようになる。これらの活動の中で、吉村は、80年代後半以降6回のSG展に携わり、多くの作家に音を使う作品を展示する舞台を提供することになったのである。

吉村が企画・プロデュースしたSG展は、美術出身と音楽出身が入り交じる1960年代生まれの若手作家の作品を中心に構成されていた。音を使う美術作品の展示だけでなく、その作品を楽器として使用するパフォーマンスも頻繁におこなわれた。訪れた観客が触って音を発することのできる作品が多かったことも同展の特徴だろう。そのためだろうか、ストライプハウス美術館で行われたその他の展覧会と比べて、子供や年配者の入場が多かったという。

SG展の性格を語る吉村自身の言葉を引用しよう。SG展は「『音の展覧会』あるいは『音のする美術』とでもいえるもので、音を見つけ出したり、なつかしい音に出会ったり、演奏したり、触発されたりする"場"を提供する。そこでは素朴な原理で鳴り出すものからハイテクなものまで、今日の都市の音の風景にうるおいをもたせる試みがなされ、いろいろなアイデアに満ちた提案を積極的に行なっている」(吉村1990:157-158)場所であった。また、この展覧会で提示された作品群とは「サウンド・アート」であり、「音と音楽とのはざま」にあるもので「サウンドばかりではなく視覚的な世界にも広がって、未分化なカオスの状態をそのまま取り出して見せてくれるもの」(吉村1990:158)だった。

SG展全体に関連するデータを提示しておこう。まず、SG展以前にストライプハウス美術館で吉村が企画した展示が三つあった。『仕掛けられた音たち サウンドインスタレーションによる音地図』(1984年9月18日‐9月28日)、『Visual Soundings 仕掛けられた音たち』(1985年5月7日‐5月18日)、『From Sound』(1986年11月20日‐11月29日)である。この三回の展示を経て、彼は同館で、8年間6回に渡るSG展を企画・プロデュースすることになった。以下のように各回にはそれぞれ異なる副題がつけられていた。

『Sound Garden 1 音のする美術館』(1987年6月17日‐6月30日)

『Sound Garden 2 音を見つけた美術館』(1988年9月1日‐9月13日)

『Sound Garden 3 音ずれてみたい美術館』(1990年3月10日‐3月17日)

『Sound Garden 4 音ぎの国の美術館』(1991年10月8日‐10月26日)

『Sound Garden 5 聴感覚美術館』(1993年3月4日‐3月27日)

『Sound Garden 6 聴現実美術館』(1994年10月6日‐10月27日)

毎回図録として小冊子が作られ、二回目以降の冊子にはこの展示の意義や見どころ、出品作家を紹介する吉村の簡単な挨拶が付されていた(画像2)。これ以外の小文が付くこともあり、第2回は田中直子「Sound Gardenにおける庭の意味」が、第3回は同「Sound Gardenにおける『音の意味』」が、第4回は渡辺裕「『音それ自体』への回帰」が掲載された。

SG展各回には20から25個の作品が展示され、出品作家の合計は52名にのぼる。すべての参加者の詳細な経歴はまだ明らかではないが、半数以上が東京芸術大学美術学部あるいは音楽学部出身のようだ。美術出身、特に工芸科と彫刻科出身の作家が目立つ。52名中4回出品は4名(平田五郎、関根秀樹、渡辺広孝、八杉真由美)、5回出品が3名(柿崎隆之、金沢健一、大阪洋史)、6回全てに出品したのは4名(尼子靖、直川礼雄、渡辺林太郎、吉村弘)である。この5-6回出品した作家7名を中核作家と考えておこう。

出品回数の多少にかかわらずほとんどの出品作家が吉村よりひとまわり以上若い。中核作家の6名でさえ吉村より15歳以上若い。吉村は実績と無関係に多くの若手作家に声をかけSG展をプロデュースしたが、それが可能だったのは吉村の人柄によるところが大きいようだ。調査時のインタビューでは吉村の気さくで親しみやすい性格が言及されるのが常であった。

2.『Sound Garden』展の作品群

2.1.「サウンド・アート」の分類

SG展にはどのような「サウンド・アート」が展示されたのか。『Sound Garden 3 音ずれてみたい美術館』(1990、以下各回を「SG+回数」で略記する)を紹介する小文(吉村1990)で、吉村は作品を「サウンド・アート」と呼び、このジャンルの幾つかの傾向を分類している。またSG5冊子の挨拶文(吉村1993)でも出品作品が便宜的に分類されている。本節ではこれらをSG展出品作品を整理するための枠組みとして参照しながら、SG展を概観したい(注4)。

吉村1990によれば「サウンド・アート」には五種類ある。1.サウンド・スカルプチュア(音響彫刻):一言で言えば「音のする彫刻」であり、「造形のなかに音を表現の要素として取り入れる試み」とされる。2.サウンド・インスタレーション(音響装置):「造形的には目に見えないが、ある空間を音で構成する」、「環境そのものをテーマにしている」作品がこれに当たる。3.サウンド・ヴィジュアル・インスタレーション:これは1と2が組み合わされたタイプとされる。4.創作楽器:「伝統楽器や民族楽器とは別に、独自の形態と音色の新たな世界を追求するもの」。5.サウンド・オブジェ:「手軽に音を楽しむもの」であり「おもちゃやアクセサリー的なものから楽器に近いものまでいろいろ」ある(注5)。

以上の分類からはサウンド・アートと総称される領域に含まれる作品の多様性を、バランスよく説明しようとする苦心がうかがえる。が、この分類では、まず3が名称、説明ともに不明瞭である。また1、4、5の区別も明確ではない。おそらくはその作品を演奏できるかどうかで区別するのだろうが、では、音を手動で発することができる1と、5「おもちゃやアクセサリー的なものから楽器に近いものまでいろいろ」との違いはどこにあるのだろうか。

また吉村1993(SG5冊子)では、SG5出品作品が六つに分類されている。1.Sound Installation 2.Sound Sculpture 3.Sound Instrument 4.Sound Game 5.Sound Humor 6.Sound Listening である(注6)。この分類の4、5、6は比較的特殊でSG5以外への応用可能性は乏しいと思われる。とはいえ、吉村1993と吉村1990という二つの便宜的な分類から、比較的特殊な項目を省略して共通する項目を参照することで、SG展を概観するための分類を提案できるだろう。

二つの分類を比較すると、吉村1993の1.Sound Installation、2.Sound Sculpture、3.Sound Instrumentは、吉村1990の1.サウンド・スカルプチュア、2.サウンド・インスタレーション、4.創作楽器あるいは5.サウンド・オブジェとほぼ重なると言えそうだ。なので、SG展を概観するための分類として以下の三項目を提案しておきたい。

①音響彫刻:音を手動でもしくは自動的に発する立体作品

②創作楽器:パフォーマンスに使用できる、音楽を演奏するために制作された立体作品

③サウンド・インスタレーション:音と音が発せられる空間の関係性をテーマとする作品

①と②は、ただ何らかの音を発するだけでも完結するものと、何種類かの音を発することでパフォーマンスに使われるものとを分類した。このままでは曖昧な分類かもしれないが、今回は便宜的な区別として提示するに留める。本報告最後に記すが、この区分は、今後さらに検証を進める予定の仮説に基づくものである。

2.2.中核作家の紹介

では、先の分類を使って中核作家たちを概観すると、どのような特徴が見いだせるだろうか。今回は、中核作家7人のほとんどが出品し、画像や映像資料が比較的充実しているSG5の作品を取りあげたい。それぞれの出品作品と所属分類項(作品の後の数字)は次のとおりである。

尼子靖《鼓小僧》(画像3):①

尼子は1959 年生まれ、WAY(注7)メンバーである。

尼子はSG1-6回の全てに音を発する人形を出品している。本作品は全長30cm程で、定期的に自分の顔面を鼓のように叩く人形である。

柿崎隆之《CHAIR HORN》(画像4):②

柿崎もWAYメンバーである。SG展では蛇やカメなどをかたどった、叩いて音を出して楽しむことができる音響彫刻を発表してきた。本作品は写実的な彫刻作品ではないが、椅子とラッパを組み合わせたもの。鑑賞者が椅子に座ってラッパに息を吹き込むと、椅子の上部に取り付けられたホーンから音が出る。視覚美術を背景にもつ作家が音楽芸術というコンテクストを念頭において作った②音響彫刻、と分類した。

金沢健一《音のかけら3》(画像5):②

金沢は1956年生まれ。SG展では毎回、大きな鉄板をランダムな形の断片に切断した創作楽器を出品した。美術館の訪問者はこの鉄の断片をマレットで叩いて鉄琴やガムランのような音を出すことができる。「一人でも大勢でも演奏でき、眺めていても形が美しいので大変人気のある作品」(吉村1994:101)。視覚美術を背景にもつ作家が音楽芸術というコンテクストを念頭において作った②音響彫刻、と分類した。

大阪洋史《3 ARBOS, netted》(画像6):②

大阪は1964年生まれ、東京芸大音楽学部グループMUSA(注8)メンバー。、2009年に逝去した。。大阪は基本的には、五線譜を使う作曲家だが、SG展のためだけに音響彫刻や創作楽器を制作したようである。本作品はパイプ状の棒を三角錐の形に組み合わせ、その先端から弦をはり、その弦をこすることで演奏する創作楽器である。

渡辺林太郎《Chirr chips》(画像7):①

渡辺は1960年生まれ、WAYメンバーである。「キネティックな仕掛けを得意とする」(吉村1994:102)作家で、SG展には毎回音響彫刻を出品していた。本作品は手のひらサイズの弦楽器であり、近づくとセンサーが反応して弦を鳴らす音が聞こえてくる。

吉村弘《Pond 音ケ池》(画像8):③

本作品はスピーカーのコーン部分に水を入れ池に見立て、「サウンド・チューブ」などを音源として用いてスピーカーから音を再生する作品である。音を再生すると振動で水面に波紋が生じる。音とその振動が可視化され、音の物質感とでもいうべきものが知覚されるわけである。全6回のSG展を通じて出品作家それぞれの作品分類は基本的にほとんど変化しないのに対して、企画者の吉村だけが、①〜③の全ての分類の作品を発表している。

直川礼緒(たでかわれお)(注9)

直川はSG1やSG3には音響彫刻を出品しているが、SG5ではパフォーマンスしか行っていない。

以上がSG5に出品された中核作家の作品である。以上の概観から、SG展の特徴のひとつとして、中核作家たちは音響彫刻もしくは創作楽器を制作したが、サウンド・インスタレーションはあまり制作しなかったこと、をあげられるだろう。7人の中核作家は全6回で累計40作品出品しているが、そのうち「サウンド・インスタレーション」と呼べそうなものは、先の吉村弘の作品くらいしかない。もちろんSG展にそれ以外のサウンド・インスタレーション作品(注10)がなかったわけではなかったが、全体的には少なかった。SG展の特徴のひとつとして明記しておきたい。

3. まとめ

3.1.まとめ:SG展の特徴

以上、SG5を中心に中核作家7人を概観することで、現段階ではSG展の特徴として次の事項をあげておきたい。

1. SG展の主傾向は、工芸作品あるいは彫刻作品制作の発想の延長線上で何らかのオブジェに「音を付加する」作品にあり、インスタレーション作品にはなかった。

こうした傾向をもつことになったのは、団体展なのでひとつの作品が大音量を出したり広いスペースを使ったりできなかったといった理由や、音響彫刻や創作楽器と比較してサウンド・インスタレーションが後になって生まれたという歴史的経緯があるからだろう。参加作家たちの経歴や参加の経緯と関連づけて考察することもできるだろう。

また次の事項もあげておきたい。

2.SG展には、何らかのレベルで視覚的な鑑賞対象となる構成要素を含まない、音響作品は含まれていなかった。

ビル・フォンタナ《キリビリ埠頭》(1976)など、作家の創作対象が音響だけであるような作品は、なかった。これもまた、同展にサウンド・インスタレーションが少なかったことの原因であり結果であると言えるだろう。

3.2.今後の課題

今後の課題について記す。

1.①音響彫刻と②創作楽器の区別について、さらなる考察が必要である。

本調査報告では便宜的な分類として提示するに留めたが、音響彫刻と創作楽器の区別は、ある仮説に基づくものである。それは、両者の区別は、作品制作時に作家が念頭においていたコンテクストが美術か音楽かによって区別できるのではないか、というものである。今回はこの論点を詳しく検討できなかったが、参加作家の出自が多様なSG展の調査を通じてこの仮説をさらに検討できることを期待している。

2.SG展に参加した個々の作家について、さらなる調査が必要である。

制作活動を継続している作家たちのその後を追跡調査することで、日本におけるサウンド・アートという領域の豊かさや、その重層的構造を理解することにつながろう。例えば、松本秋則(1952-)(SG1, SG2に参加)の竹で制作された音響彫刻は、今や、この作家の活動の中である種の洗練の極みに達しつつあるように思われる。あるいは柿崎、金沢や原田和男(1951-)(SG4, SG5, SG6に参加)の金属を用いた音響彫刻を追跡調査することで、「日本における金属を用いた創作楽器の系譜」を明らかにできるかもしれない。

3. SG展と同時代の他の動向との平行関係の調査

SG展が80年代から90年代にかけて日本に導入されて流行した「サウンドスケープ」や「環境音楽」の思想の影響を受けて企画されたことはおそらく疑い得ない。では、これらの影響と、SG展がおそらくは視覚美術のコンテクストのなかで構想されたこととは、いかなる関係にあるのだろうか。音楽ではなく視覚美術の文脈にSG展を埋め込む作業が必要である。

また、SG展には他の場所で活動していた藤本由紀夫やクリストフ・シャルルといった「ゲスト」が一度ずつ出品している(それぞれ、SG3, SG2)。SG展はそうしたゲストたちとどのような関係を持っていたのだろうか。

以上、今後の課題を提示することで、本調査報告を終える。

参照資料

吉村弘 1990 「<サウンド・ガーデン>音と音楽の間 サウンド・アートの地平線」 『都市の音』 東京:春秋社:154-167。

---. 1993 『Sound Garden 5 聴感覚美術館』冊子。

---. 1994 「サウンド・ガーデン 音の美術館の試み」 『街のなかでみつけた音』 東京:春秋社:98-104。

展覧会図録 2005 『吉村弘 音のかたち、かたちの音』 神奈川県立近代美術館。

展覧会図録 2000 『ストライプハウス美術館1981-2000』 ストライプハウス美術館。

1.

これ以前の展覧会としては、下関市立美術館『色と形と音』展(1987)、青山こどもの城『音のオブジェたち』展(1987)等があった。

2.

展覧会図録 1989『音のある美術』栃木県立美術館。

3.

作家としての吉村の経歴は同展のカタログに詳細に掲載されている。

4.

また吉村は、SG6冊子の挨拶文(吉村1994)でも出品作品を分類している。しかしこの分類は汎用性を見出すのが難しいため本調査報告では採用しない。

5.

それぞれの分類を代表する作家は1.J. ティンゲリー、バッシェ兄弟、2.M. ニューハウス、B. フォンタナ、3.N. J. パイク、小杉武久、4.H. パーチ、5.吉村弘、鈴木昭男とされる。

6.

それぞれ次のように説明される。 1.Sound Installation:「音響装置、音の空間を引きだすもの、音を体感するタイプ」。 2.Sound Sculpture:「音響彫刻、音を手動あるいは自動的に奏でる彫刻」。 3.Sound Instrument:「楽器、あるいは演奏のために創造的につくられたタイプ」。 4.Sound Game:「ゲームをしながら音を楽しむタイプ」。 5.Sound Humor:「ユーモアを引き出すために考案されたタイプ」。 6.Sound Listening:「あらためて外界の音を聴くための装置」。

7.

東京芸術大学美術学部に在籍していた作家たちが結成した造形作家集団。メンバーは尼子靖、伊藤信明、柿崎隆之、小畠泰明、渡辺林太郎。

8.

1985年に東京芸術大学で結成された創作楽器の制作と作曲を行うグループ。メンバーは平田五郎(創作楽器製作)、八杉真由美(創作楽器製作・演奏)、大阪洋史(作曲・演奏)、岡沢理絵(作曲・演奏)、鈴木優子(演奏)。

9.

直川は、東京芸大や、彫刻家や作曲家といった肩書きとは無縁の変わり種である。早稲田在学中にアフリカでゴゴ族の親指ピアノを研究して卒論を書き、その後、ガムラン音楽や口琴を演奏するようになった。早稲田大学文学部演劇科卒業(1985)、日本口琴協会設立(1990)(現在も活動継続中)、口琴専門誌『口琴ジャーナル』創刊(1990)。

10.

例えば、SG6の出品作品である藤枝由美子《内(うち)》(画像9)は、大きな鉄の箱で、訪問者たちは箱の中に入って耳をすますための装置である。これは、箱の中に入ることで「聴くこと」に集中せざるをえない空間を作り出す秀逸なサウンド・インスタレーション作品だといえよう。