1.配管
1) 厚鋼電線管
端部にねじを切って組み立てる。
内径で表す。Φ22 は 直径22mm。
厚みがあり頑丈で屋外でも使用できる。
内径Φ22の厚鋼電線管は22と表す。
2) 薄鋼電線管(うすこうでんせんかん)
端部にねじを切って組み立てる。
外径で表す。
薄くて、主に屋内で使用する。
外径Φ19の薄鋼電線管は19と表す。
3) ねじなし電線管
端部にねじを切らない。
外形にEを付けて表す。
薄鋼電線管より薄く、ねじを切らずに組み立てる。
薄鋼電線管と区別するため、外形にEを付けて表す。
外径Φ19のねじなし電線管はE19と表す。
4) 金属製可とう電線管
手で曲げられる。「可とう」とは曲げられるという意味。
内径にF2を付けて表す。
手で曲げられる金属管で、内径にF2を付けて表す。
内径Φ17の金属製可とう電線管はF2 17と表す。
FはフレキシブルのF。2は1種2種の2種、1種は廃止。
これらの菅をどの場所を通すかにより表し方が変わる。
天井隠ぺい線、床隠ぺい線、露出配線、地中配線、立ち上げ、引き下げ、素通し。
2.管の加工
1) 切断
可とう菅以外は、パイプバイスで抑えて、パイプカッターや金切りのこで切る。
切った後のバリは、外側をやすり、内側をリーマとクリックボールで取り除く。
厚鋼・薄鋼電線管のねじを、リード型ねじ切り器で切る。
金属製可とう電線管は、プリカナイフできる。
2) 曲げる
可とう菅以外の金属管は、パイプベンダ(油圧ベンダー)で曲げる。
3) つなぐ
厚鋼・薄鋼電線管は、カップリングでつなぐ。
カップリングにはねじが切ってあり、パイプレンジで回してねじ込む。
ねじなし電線管は、ねじなしカップリングでつなぐ。
ねじを切れるまで締めると、適当な力で締めることができる。
ねじなし電線管は、金属製可とう電線管と組み合わせて使うことが多い。
コンビネーションカップリング使用して、曲がるところを可とう菅にできる。
コンビネーションカップリングの片側にはねじなし電線管用のねじがあり、
もう一方の溝には可とう電線管用の溝がある。
曲がった形のノーマルベントもある。
厚鋼・薄鋼電線管用のノーマルベントもあり、カップリングでつなぐ。
直角につなぐユニバーサルもある。電線を通せるようにふたが付いている。
4) とめる
菅をサドルで壁に止める。
まず、電導ドリルとコンクリート用ドリルビットで壁に穴をあける。
カールプラグをハンマーでたたき込み、木ねじの受けにする。
サドルの台を木ねじで止め、菅を固定する。
建物の水平方向の力を受けるH型鉄製構造部材の鉄骨に固定する部品もある。
3. ボックス
1) アウトレットボックス(ジョイントボックス)
電線を引き入れやすくしたり、電線を途中で接続する。
電線機器の電線の引き出しに使用する。
ボックス内で電線を接続し、菅の中では接続しない。
大きくないので、ブレーカーなどの部品をまとめて配置できない。
穴を叩いて打ち抜けるようになっている。
2) プルボックス
配管が集中しているときに使用する。
穴が開いていないので、電動ドリルとホルソで開ける必要がある。
ホルソで開けた穴にヘッドのシャフトを通し、歯と歯の受けとで鉄板を挟む。
大きな穴は、油圧を利用したノックアウトパンチャで開ける。
ポンプのハンドルを押して油圧で切る。
ヘッドとポンプが一体のものや、電動のものもある。
3) コンクリートボックス
天井コンクリート内で、電線を接続する。
耳を使ってコンクリート型枠にビス止めできる。
コンクリート打ち込み前に配線の作業もできる。
4) 分電盤
配線用遮断器や漏電遮断器で引き込んだ電気を分岐する。
5) 制御盤
タイマや開閉器で機器を動かす。
6) 配電盤
大きな電気を受ける。
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4. ボックスへの部品取り付け
1) 制御盤にビスで部品をつける
(1) 穴をあけ、タップでねじ山を作る。
(2) ねじなし電線管は、ねじなしボックスコネクタで接続し、
ロックナットをプライヤーで締め付けて、
絶縁ブッシングをつけて電線が傷付かないようにする。
傷付いた電線と菅が触れると菅に電圧がかかって危険なため、
もうひとつあるねじに逃がす。
そのためコネクタとボックスをボンド線でつなぐ。
ボンド線は、ふたができるように裏から通してビスで止める。
プルボックスは、穴をあけてボンド線を通して、アース端子に接続する。
厚鋼・薄鋼電線管は、ねじを切り、ロックナットではさんで止め、
先端に絶縁ブッシングをつける。
ボンド線を接続する端子がないため、
ラジアスクランプを菅に巻いて止める。
可とう金属管には、ストレートボックスコネクタを使う。
ボンド線の接続端子はないが、省略できる場合が多い。
アウトレットボックスは穴の大きさがきまっているため、
リングレジューサを使って挟み込む。
VVFケーブルの配線で、途中でケーブルを接続する場合、
VVF用ジョイントケーブルに収める。
アウトレットボックスにケーブルを通すときは、
電線に傷がつかないようにゴムブッシングを使う。
VVFケーブルを壁に固定する場合、
ステーブルをハンマーで叩いて止める。
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2) 電線を配管に引き込む
横向きで水が入らない場合は、ターミナルキャップを使う。
縦向きで水が入る場合は、エントランスキャップを使う。
屋内の菅から電線を出す場合は、電線を保護するためにブッシングを使う。
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5. 合成樹脂製の管
1) 硬質塩化ビニール電線管(VE菅)
耐衝撃性や耐久性は金属管に劣るが、錆びないし電気を通さない。
内径Φ22のVE菅は、VE22と表す。
2) 合成樹脂製可とう電線管(PF菅)
手で曲げられる樹脂管。グレーやクリーム色がある。
内径Φ22 PF菅は、PF22と表す。
自己消化性があり、燃えても火元を離せば、自然に火が消える。
3) 合成樹脂製可とう電線管(CD菅)
手で曲げられる、オレンジ色の樹脂管です。
内径Φ22のCD菅は、CD22 と表す。
CD菅は、PF菅に比べて安価だが、自己消化性がない。
コンクリートに埋め込む場合に限り使用できる。
4) 波付硬質合成樹脂管(FEP菅)
地中に埋めて使用する樹脂管。車の重さにも耐えられる。
内径Φ30のFEP菅は、FEP30と表す。
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6. 樹脂管の加工
1) 硬質塩化ビニール電線管(VE菅)
金切りのこ、または合成樹脂管用カッター(※)で切る。
※ラチェット式で、小さな力で切断できる。
切った後は、面取り器で角をとる。
角をとったら、ウエスで粉を拭き取る。
曲げる場合は、トーチランプであぶる。
接続する場合は、TSカップリングで接続する。
差し込むとき、接着剤を使用するなら菅外径の0.8倍以上、使用しないなら1.2倍以上。
2) 合成樹脂製可とう電線管(PF菅)
樹脂フレキシブル菅カッターで切断する。
PF菅用カップリングで接続する。
3) 合成樹脂製可とう電線管(CD菅)
樹脂フレキシブル菅カッターで切断する。
CD菅用カップリングで接続する。
4) 波付硬質合成樹脂管(FEP菅)
金切りのこで切断する。
FEP菅用カップリングで接続する。
パッキンやパテで隙間を塞いでからテープを巻き、土が入らないようにする。
5) VE管とFEP菅の接続
コンビネーションカップリングで接続する。
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7. ボックスへの菅の接続
硬質塩化ビニール電線管(VE菅)には2号ボックスコネクタを使用する。
PF菅、CD菅、FEP菅には専用コネクタがある。
VE菅、PF菅の壁への固定は、樹脂管用サドルを使用する。
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8. スイッチ、コンセントの取付
スイッチ(点減器という)やコンセントは、連用取付枠に付ける。
1つの運用取付枠に、点減器やコンセントを3つまで付けられる。
露出またはして取り付け取り付ける。
アウトレットボックスと塗りしろカバーを使用して埋め込む。
最後にプレート(1個、2個、3個用がある)を付ける。
配管しない住宅では、スイッチボックスを使う、
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9. 露出
配管に合わせた露出型ボックスがある。
PF菅用、VE菅用、ねじなし菅用、薄鋼電線菅用がある。
点減器には、一般形のほかにワイドハンドル形がある。
ワイドハンドル形には、専用の取付枠やプレートがある。
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10. 電線を通す
呼び線挿入器(通線器)を使用する。
通線ワイヤーを菅に通して、菅から出たらビニールテープで止める。
電線を押し込みながら通線ワイヤーを引っ張って電線を通す。
木材に電線穴を開ける場合、木工用ドリルビットを使用する。
切り粉を外に出すため、溝が大きい。
または、クリックボールに羽根ぎりを付けて手動で開ける。
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