応用技

第一節


(要旨)


第32条

 応用技は、変幻自在の試合に用いる技であり、理合と基本技から組み立てられ、試合における体勢、間合の変化、相互の動きに臨機応変に対処して、技倆の向上を図らなければならない。



(区分)


第33条

 応用技は、「攻め技」と「応じ技」に区分して指導し、攻防の理合を理解させながら指導することが大切である。

1 攻め技は、相手に対し常に機先攻勢の気分を堅持しながら攻めることであり、相手に対応の隙を与えないように自分が習得した技を連続して用いることが、最も大切である。

2 応じ技は、機先攻勢の気持ちでいても、相手が先に技を出してくる場合がある。このような場合にも相手の技・動きを封じ、自分の得意技を用いることである。



(応用技の稽古)


第34条

 応用技の稽古は、基本技の稽古の要領で各動作ごとに習練させ、習技者の体得の度合いに応じて、各種の技を組み合わせた技の適用の機会等を習得させ、習熟するに従って試合の要領に準じて錬磨させる。

 特に短剣道では竹刀が短いという特徴を生かし、前・後・左・右への体。足さばき等を軽快機敏に行えるよう体得させることが大切である。




第二節


(攻め技)



第35条


 攻め技の主なものは、次のとおりである。



1 突き技

 (1) 喉(胴)の突き

  相手の喉(胴)の隙を見出して突く技である。


 (2) 2・3本の突き

  相手の喉(胴)を連続して突く技である。

  喉→胴、胴→胴、喉→胴、及び胴→喉→胴等がある。


 (3) 打ち払い突き

  相手の竹刀を左(右)下方に打ち払って、喉(胴)を突く技である。


 (4) 体を開いての突き

  相手が出てくる瞬間をとらえて、体を右(左)に開きながら喉(胴)を突く技である。


 (5) 入身制体突き

  相手が出る又は退る瞬間をとらえて入身制体し、喉(胴)を突く技である。



2 打ち技


 (1) 面(小手)打ち

  間合に入った瞬間、或は相手の出頭等に、面(小手)を打つ技である。


 (2) 2・3本の打ち

  相手の面(小手)を連続して打つ技である。

  連続打ちは、面→面、小手→面、面→小手、小手→左右面、面→左右面等がある。

  連続突き打ちは、喉→面、喉→小手、喉→面、胴→小手等がある。


 (3) 打ち払い打ち

  相手の竹刀を左(右)下方に打ち払い、面・小手・左右面を打つ技である。


 (4) 体を開いての打ち

  相手が出てくる瞬間をとらえ、体を右(左)に開きながら面・左右面又は小手を打つ技である。




第三節


(応じ技)


第36条

 応じ技の主なものは、次のとおりである。


1 突き技

 (1) 突き払い突き

  相手が突いてきた竹刀を左下方に打ち払い、喉(胴)を突く技である。


 (2) 突き制体突き

  相手が突いてきて上体が伸びた瞬間をとらえて、竹刀をはね上げて上体がのけぞるように制体し胴を突く技である。


 (3) 打ち払い制体突き

  相手が振りかぶって打ってくる瞬間をとらえて、竹刀をはね上げて上体がのけぞるように制体し胴を突く技である。


 (4) 突きかわし突き

  相手が突いてきた瞬間に足さばきで間合をはずし、体勢が崩れた瞬間の喉(胴)を突く技である。


 (5) 面かわし突き

  相手が面を打ってきた瞬間に足さばきで間合をはずし、体勢が崩れた瞬間の喉(胴)を突く技である。


 (6) 小手かわし突き

  相手が小手を打ってきた瞬間に足さばきで間合をはずし、体勢が崩れた瞬間の喉(胴)を突く技である。



2 打ち技


 (1) 突き払い打ち

  相手が突いてきた竹刀を左下方に打ち払い面(小手)を打つ技である。


 (2) 面払い打ち

  相手が面を打ってきた竹刀を左上方に打ち払い、面(小手)を打つ技である。


 (3) 突きかわし打ち

  相手が突いてきた瞬間左・右に体をかわして、左・右面を打つ技である。