固定武装
20㎜バルカン砲
後方機銃
装備
MR-28c 汎用レーダー
R/JE-01統合戦術データリンク
複合マグネッサーウィング
ラムジェットエンジン
搭載可能兵装
各種無誘導爆弾
各種誘導爆弾
各種支援ポッド
遠隔精神リンク支援ポッドSL/SP-01
各種WVRAAM
ZAAM-011アローBVRAAM
ZAAM-045アードラーBVRAAM
ペガサロスエクストラとはヘリック共和国が来たるべき西方大陸戦争に向け、西方大陸最大の同盟国であるローブ王国用に開発した航空ゾイドである。
ZAC2077年8月、共和国の軍事援助を受けていたローブ王国は空軍の設立を決定し、これに伴い共和国に航空ゾイドの提供を求めた。
同年12月 共和国政府及び軍部はペガサロスの改造機を開発し供与する事を決定した。
開発は雇用や技術維持等の問題からコンペ形式で民間企業から募る「R」計画が策定され、この計画にはパノーバー・アーセナル社、マクサー社が応募し、結果パノーバー・アーセナル社案「RMZ-08RYP ペガサロスエクストラ」が「RMZ-08REXペガサロスエクストラ」としてZAC2081年採用された。
製造は第1ロットが共和国本土のパノーバー・アーセナル社工場で、既存のペガサロスに延命措置を施した上で改造された。
第2ロットからは西方大陸産の野生体を使用して新造され、ローブ王国内でもパノーバー・アーセナル社が工場を建設しローブ王立造兵廠と共同で生産が行われた。
本機体の特徴を一言で表すとミサイルキャリアーである。
所詮ペガサロスの改造機では最終的な仮想敵であるガイロス帝国空軍に真っ向から挑んでも勝てないため、空対空戦闘ではZAAM-045アードラーBVRAAM でのアウトレンジ戦法に徹している。
このアードラーBVRAAMは旧ゼネバス帝国空軍で運用されたバードミサイルをZAC2070年代後半の技術で再現した物である。
アードラーBVRAAMの誘導方式はパイロットとの遠隔精神リンクで、これはバードミサイルも同様なのだが遠隔精神リンクを実現する為の支援機材の再現が完全には出来ずパイロットに凄まじい精神負荷を掛け、実戦では平均して10回誘導を行うとパイロットは良くて廃人、悪くて脳死するという欠陥品と言って差し支えない代物だった。
それでも有効射程180㎞以上命中率80%というのは惑星Ziの環境下では驚異的で、当時のヘリック共和国の主力BVRAAMであるZAAM-011アローが有効射程80㎞命中率60%だったことを考えるとスペックだけは優秀だったことは違いはなかった。
事実アードラーBVRAAMと「ローブ王国空軍パイロットの必死の戦い」が、ヘリック共和国の制空権の完全喪失を防ぐ要因であった。
搭載兵装のアードラーBVRAAMにばかり目が行きがちだが、何故この様な危険なミサイルを運用する必要があったのか?ペガサロスエクストラの想定した戦術と、その為に実装された能力に触れよう。
ペガサロスエクストラ部隊の主戦術は敵機の発見、補足を味方の早期警戒ゾイドに任せペガサロスエクストラ部隊は安全な位置からアードラーBVRAAMの発射、誘導に務め自機の生存性を高めるという戦術を行う。
これはアードラーBVRAAMの誘導中の反撃や妨害を防ぐ意図もあるが、配備機数でも上回るガイロス帝国空軍を相手に少しでもローブ王国空軍の損失機を少なくする様、共和国空軍司令部で考案された方法であった。
これはローブ王国軍の為ではなく、共和国空軍の「弓と短刀」構想というより大きな戦術の為である。
簡単に言うと、まずペガサロスエクストラのBVRでガイロス帝国空軍のレドラーの数を減らした所で共和国軍のプテラスがドッグファイトを仕掛け殲滅するという、共和国空軍も含めたより大きな単位での戦術構想である。
この「弓と短刀」構想を実現するにはローブ王国空軍のペガサロスエクストラ部隊が不可欠であり、その為にペガサロスエクストラの損失を抑える必要があったのだ。
「弓と短刀」構想の第一段階として味方の早期警戒ゾイド(共和国空軍のプテラスジェミニイAEW&C)が敵レドラーを発見し、データリンクを通じてペガサロスエクストラと敵の位置情報を共有する必要がある。
これを実現する装備がR/JE-01統合戦術データリンクシステムで、共和国空軍の使用するデータリンク「リンクR」と接続されている。
これにより共和国空軍のプテラスやプテラスジェミニイ等は勿論、ペガサロスエクストラ間での情報共有が可能となっている。
R/JE-01のハードウェアは胴体前下部の膨らみに収納され、通常の通信方法以外にもレーザー通信等を用いてデータをやり取りする。
ただ、惑星Ziの厳しい環境下ではデータリンクが途切れる事もままあったという。
ペガサロスエクストラは公式記録で6個航空団分、約600機が改造及び生産されたとされている。
しかし実際はもう少し多い650~700機という説が有力で、公式記録外の50~100機はZAC2085~2096年のローブ王国領土拡張期に創設された空軍秘密部隊に配備されたとされる。
画二枚目の第4航空団第43航空群は一連の秘密部隊の一つであり、第4航空団隷下となってこそいるが配備地は当時の国境の外側、グラム山脈とミューズ森林地帯の間アースガルデル基地だった。
アースガルデルはローブ王国の侵略に対する抵抗組織「ミューズ人民軍」及び「怒りの日」とローブ王国軍不正規戦部隊との激しい戦闘が行われており、第43航空群は不正規戦部隊に対する航空支援を目的に展開していた。(ミューズ人民軍はミューズ森林地帯の組織、怒りの日はグラム山脈に住まう部族達のからなる組織で、どちらの組織もガイロス帝国からの支援を受けていた)
アースガルデル基地配備の第43航空群は対地攻撃が主任務であり、グラム山脈山間を縫っての近接航空支援も想定し三色から成る山岳迷彩が施されており、画二枚目の機体もご覧の通り通常塗装から山岳迷彩に塗装し直されている。
上記の様な通常以外の塗装は秘密部隊等ではよく行われたほか、西方大陸戦争中は戦意高揚の為にエース搭乗機に特別塗装やマーキングを行った例が確認されている。
運用に関して西方大陸戦争前は対反乱作戦の航空支援が主であり、各種通常爆弾並びに誘導爆弾、対地ミサイルを搭載することが多かった。
ZAC2096年にはレーザー誘導用のターゲティングポッド運用を可能にするコンバットシステムのアップデートを行っている。(これ以前もレーザー誘導爆弾の運用能力はあったが、地上からの誘導に頼っていた)
もっともペガサロスエクストラはペイロードが少ない上に、ハードポイントが三か所しかないので一度に大量の装備を懸架出来ず、その為対地攻撃も4機以上の編隊で行うのが常であった。
この様に西方大陸戦争前は対地攻撃任務が多かったペガサロスエクストラであるが、西方大陸戦争前にも制空任務は行っている。
ZAC2093年にはアンダー海上のホエールキングから発艦したレドラー・ホークアイがロブ基地の偵察を始めたので、この年からスクランブル任務が始まった。
しかしペガサロスエクストラではレドラー・ホークアイの飛行高度まで上がれず、最初の頃はまともなスクランブル任務は出来なかった。
この問題に対しては後に対レドラー・ホークアイ用の迎撃機改造を施したペガサロスエクストラが開発される。
ZAC2094年1月ミューズ人民軍が旧ゼネバス帝国空軍所属のシュトルヒ5機を入手し、そのシュトルとペガサロスエクストラとの間でドッグファイトが発生。
以後散発的にミューズ人民軍との空中戦が発生した。
このミューズ人民軍所属のシュトルヒとのキルレシオは3:1だと言われており、これはコアの寿命が残り少ないシュトルヒと、最新の改造を施され新規生産されたペガサロスエクストラとの違いが出たと言われている。(旧式のシュトルヒは全盛期の半分の性能しか出せず、ペガサロスエクストラはエウロペ産野生体を使用した最新生産分の個体が戦線に投入されていた)
そうしてZAC2099年6月西方大陸戦争が勃発し、ペガサロスエクストラは本格的な制空戦闘に投入された。
第一次全面開戦時にはアードラーBVRAAM使用し期待通りの戦果を挙げたが、圧倒的な戦力差は如何ともしがたく戦局にはあまり寄与出来なかった。
またアードラーBVRAAMは11月頃にはほぼ予備が無くなり、同じくアードラーBVRAAMを運用できるパイロットも残り僅かとなった為、ペガサロスエクストラは11月以降通常のミサイルを装備し圧倒的に不利な戦いをレドラー相手に挑む事になった。
ペガサロスエクストラが通常AAMを用いての空戦は11月~翌年5月が全盛で、この期間中にペガサロスエクストラはその生産数の70%を失った。
ZAC2100年6月になるとヘリック共和国空軍に最新鋭機RZ-029 ストームソーダ―の配備が進みそのおかげでローブ王国空軍にもプテラスが供与され始めた。
そうしてペガサロスエクストラは制空戦闘機としては一線を退き、残った機体は対地攻撃任務に投入される様になった。
戦後生き残ったペガサロスエクストラは100機未満であった。
この内約40機が複座型でそちらは再編された訓練部隊で引き続き使用され、残った機体がZAC2110年頃まで対地攻撃機として使われた後、全機友好国に売却された。
ペガサロスエクストラはそもそもペガサロスの派生機なのだが、ペガサロスエクストラを更に改造した機体も少数だが存在する。
RMZ-08REX/B ペガサロスエクストラB
これは主に練習目的に使用される複座型である。
西方大陸戦争中は廃人寸前のパイロットをアードラーBVRAAMの誘導に集中させるため、B型の後席に乗せる形で戦線に投入されている。
RMZ-08REX/IC ペガサロスエクストラ・インターセプトカスタム
レドラー・ホークアイ迎撃用に大型RATOを装備し、高高度での使用に適したジェットエンジンに換装した機体
この他ZAC2110年頃ローブ王国空軍で不要となったペガサロスエクストラを購入した国でも独自の改造型が幾つか確認されている。
当初はF-5フリーダムファイターみたいな軽戦闘機のゾイド版を描こうとして描いた覚えがあります。
オリジナルゾイドに独自のゾイド世界観を盛り込みつつ楽しく出来ました。
文章は新規で書き起こしましたが、想像以上に長文になってしまいました(苦笑)