装備
エルパES-05/A多モードレーダー
R/JE-01統合戦術データリンクシステム
レーダー警戒装置
後方警戒センサー
ラムジェットエンジン
搭載可能兵装
各種無誘導爆弾
各種誘導爆弾
各種支援ポッド
磁気風調整ポッド
RSLSポッド
各種短距離WVRAAM
ZAAM-011アローBVRAAM
ZAAM-045アードラーBVRAAM
ロートシュランゲ ビーダーBVRAAM
等
プロトタイプとの大きな違いは頭部である。
プロトタイプでは30㎜ビームマシンガンを頭部中心線上に積んでおりその為レーダーが小型のMY-28(vx)を積んでいた。
MY-28(vx)はヘリック共和国武器開発局が試作した小型軍用レーダーで輸出を想定した物であった。
元々はコマンドゾイド用に開発された物の拡大発展型であり、性能は大きさを考えれば充分とも言えるものだったが、如何せん本格的空戦ゾイドに使うには性能不足であり、30㎜ビームマシンガンの上部に設置する関係上ルックダウン・シュートダウン能力が不足していた。
プロトタイプでは30㎜ビームマシンガンの威力の方を優先しての配置であったが検討の結果、制式配備型では30㎜ビームマシンガンを小型化し(威力はプロトタイプより少し下がっている)コックピット右側へ移設、空いたスペースにより大型のエルパ社製ES-05/A多モードレーダーを装備した。
これによりプロトタイプよりレーダー性能が向上し探知距離も倍となった。
アドヴァンスドペガサロスにもアードラーBVRAAM運用能力があり、ヘリック共和国からアドヴァンスドペガサロスの輸出許可を貰うにあたって南エウロペ共和国とヘリック共和国は同盟を組み、有事の際はヘリック共和国側で参戦し兵力を供出する事となった。
つまり南エウロペ共和国国防軍空軍(以下南エウロペ空軍)もヘリック共和国の「弓と短刀」戦術に組み込まれたのである。
しかし南エウロペ共和国としては出来ればこの非人道的なミサイルを運用したくなかった。
そこで南エウロペ共和国はアードラーBVRAAMを運用する機体のパイロットは、エウロペ系を使う事を非公式に決定している。
南エウロペ共和国の国民は主に二通りいる。
一つはヘリック共和国からの入植者とその子孫であり、もう一つは現地エウロペ出身の国民である。
支配階級はヘリック系の国民であり、エウロペ系国民は二級国民だった。
軍の多くはヘリック系で占められたが、エウロペ系もおり彼らは主に汚れ仕事をやらされていた。
アードラーBVRAAMの件もこの流れの中決まった事であった。
アドヴァンスドペガサロスはヘリック共和国のマクサー社工場で生産された他、南エウロペ共和国でもドネル社による生産が行われ、ドネル社生産分に関しては南エウロペ産の野生体が使用された。
また、ZAC2089年にはゼロス海にある島国ゼロス人民共和国空軍にも採用され、マクサー社工場で南エウロペ共和国向けの生産が終わった翌年には、ゼロス人民共和国向けの生産が始まった(ゼロス人民共和国分は全機マクサー社工場で、ゼロス産野生体を使用して生産されている)
公式総生産数は約800機で、内訳は南エウロペ空軍が500機、ゼロス人民共和国空軍が170機、残り130機が西方大陸戦後ドネル社で輸出向け等に生産されている。
アドヴァンスドペガサロスも西方大陸戦争前は対地攻撃機としての運用が多かった。
就役した年からアドヴァンスドペガサロスはガイガロス民主共和国との暫定国境線を越えて進行してくるゲリラに対する攻撃に使用された。
ペイロードの低いペガサロスエクストラが対地攻撃任務に苦労したのと違い、アドヴァンスドペガサロスはその高いペイロードを活かして対地攻撃任務に活躍した。
ZAC2090年エレミア連邦の内戦に自国の権益維持の名目で介入、南エウロペ空軍が派遣されガイガロス義勇航空軍との間で空対空戦闘が発生している。
この時ガイガロス義勇航空軍が装備していたのが練習機ゾイドだったのもあり、ほぼ一方的な戦果を挙げている。
そしてZAC2099年に発生した西方大陸戦争で南エウロペ共和国も同盟に従ってヘリック共和国陣営で参戦している。
南エウロペ空軍はアドヴァンスドペガサロスから成る派遣部隊を編成し北エウロペ大陸に送り込んでおり、ヘリック共和国空軍の指揮下でローブ王国空軍共にアードラーBVRAAMを使用して空対空戦闘を行っている。
結果はペガサロスエクストラと同様、戦果を挙げこそしたが戦局にはあまり寄与出来なかった。
ZAC2100年3月ガイガロス民主共和国がレッドリバーから南エウロペ共和国領内へ侵攻し(それまでは国境線での散発的な戦闘に留まっていた)これに伴い本国でも本格的な空戦が発生した。
この空戦ではアードラーBVRAAMは使用されなかった。
理由としては、既に在庫が殆ど無かったのもあるがアードラーBVRAAMを扱うエウロペ系パイロットを殆ど北エウロペ大陸に派兵していたという理由が大きい。
必然的に南エウロペ共和国本土防空戦では通常AAMが使用された。
この空戦で南エウロペ空軍はかなりの損失を出している。
この時期ガイガロス民主共和国空軍はプテラス級の性能を持った東方大陸製の小型戦闘機ゾイド「MC-21ドラコン」を導入していた。
このゾイドはレーダー等のセンサー性能以外、全ての性能でアドヴァンスドペガサロスを上回っていた。
特にドッグファイト性能では完全にアドヴァンスドペガサロスを凌駕しており、南エウロペ空軍とアドヴァンスドペガサロスは不利な戦いであった。
この一連の厳しい戦いは、やはりヘリック共和国空軍のRZ-029 ストームソーダー就役で転機を迎える。
例によってヘリック共和国で機種転換が進んで余剰となったRZ-010 プテラスが南エウロペ空軍にも配備され始めたのである。
これにより、アドヴァンスドペガサロスの主任務はやはり近接航空支援等の対地攻撃へと変わっていく。
因みに近接航空支援を受ける側のヘリック共和国陸軍の評価はペガサロスエクストラより、ペイロードの高いアドヴァンスドペガサロスが来たほうが喜んだという。
しかしこのような状況は北エウロペ大陸戦線だけであった。
何故なら南エウロペ空軍へのプテラス配備はヘリック共和国の意向で北エウロペ大陸派兵部隊が優先となり、本国の部隊はアドヴァンスドペガサロスを西方大陸戦争中盤以降も空戦で使用し続ける事になった。
アドヴァンスドペガサロスの西方大陸戦争での最終的な損失は約430機と言われている。
ローブ王国のペガサロスエクストラ同様、高い損耗率を出しながら不利な戦いを行っていた事が伺いしれよう。
戦後生き残った機体はZAC2120年代まで現役に留まった後、全機友好国や民間企業等に売却された。
アドヴァンスドペガサロスの派生機だが、精々複座型が存在する位でペガサロスエクストラの様な大規模改造機は存在しない。
RMZ-08RA/B アドヴァンスドペガサロスB
練習用の複座型だが、それ以外の仕様は通常機と同一である。
RMZ-08RA/Z アドヴァンスドペガサロス
ゼロス人民共和国向け機体。
ゾイドコアがゼロス産の物を使用している以外に、アードラーBVRAAMの運用能力が削除されている。
基本スペックは南エウロペ共和国向けと同一であり、機体名も全く同じである。
RMZ-08RA/ZB アドヴァンスドペガサロスB
上記の複座型。
スペックや仕様はZ型に準ずる。
例によって退役後、転売先で独自改修された機体も存在する。
某氏のコンテスト用に新規に書き上げた絵(地図除く)です。
自分では上手く描けたと思っており、気に入ってます。