全長17.0m
全高6.0m
全幅15.0m
重量34.0t
固定装備
可変レーザーブレード
ストライククロー
チャフ/フレアディスペンサー
搭載兵装(一例)
超音速対艦ミサイル×2
短距離空対空ミサイル×2
大型増槽
EZ-005 レドラーが「改良ドラゴン型開発計画:REDLER」の元、初の量産型が部隊納入されたのはZAC2080年5月であった。
このZAC2080年5月からZAC2081年4月の一年間に納入された機体を俗にレドラー極初期型と呼ぶ。
極初期型の外見的特徴としてキャノピー並びに主翼が後の本格量産型より透明度が高い事が上げられる。
これは生産当初は旧ゼネバス帝国製のEHI-7 レドラーの残存していたい資機材を流用して製造されていたからであると言われている。
EHI-7の流用パーツから製造された極初期型の一部の機体はカタログスペックを発揮できずにいた。
これは極初期型はガイロス帝国空軍の再建、即ち航空ゾイド運用のノウハウを取り戻す為の教材として配備を急いだからと言われている。
言わば技術実証機というか、先行量産型としての面が強かったのである。
実際EZ-005を配備する初の実戦部隊誕生はZAC2083年4月からであり、実戦部隊が装備するEZ-005は新規の主翼とコクピットを装備する本格量産型で、カタログスペックも問題なく発揮出来たという。
極初期型を見分けるポイントは主翼とキャノピーガラス以外にもあり、それは頭部左側面にオフセットされたピトー管である
後の本格量産型ではピトー管は別位置にあり、西方大陸戦争時量産されたタイプはピトー管の大部分は頭部フェアリング内に格納される形に変わっている。
写真撮影時の本機はガイロス帝国製の超音速対艦ミサイルと短距離空対空ミサイルを装備する
尾翼には第21海軍航空団第Ⅲ飛行隊のスコードロンマークが描かれている
黄色の2本のラインは中隊長機表す
本機は海軍機ではあるものの基地航空隊所属機だ
それでも沿岸などの厳しい環境で使われる為、主翼を中心にかなり汚れている
熱交換機に隣接して設置されているのはチャフ/フレアディスペンサーである
放出口付近はフレア放出時の煤汚れが確認できる
結局極初期型は空軍の実戦部隊に配備されることはなく、ZAC2083年以後は教導部隊や技術開発部隊に配備された。
それら部隊の極初期型もZAC2080年代後半になると徐々に本格量産型に置き換えられ、余剰となった極初期型はモスボール保存されるか、武装を取り払って民間に払い下げられるかした。
しかし、ZAC2090年に入ると極初期型に新しい道が開けるようになった。
ガイロス帝国海軍航空隊の発足である。
ZAC2090年ガイロス帝国海軍の旗艦となる空母「レヴィアタン」が進水、これと前後してガイロス帝国海軍に艦載航空隊を発足する事となった。
モスボールされていた極初期型は各部に防錆コーティングを施すなどして、またしても練習教材として空軍からガイロス帝国海軍へ移管され、初期の海軍航空隊錬成を担った。
第二次大陸間戦争末期、帝国本土での対艦攻撃訓練時の機体番号「白の04▽05」
訓練ではあるが、ミサイルは実弾を搭載している様だ
上記の写真の別視点でのカット
Ziの二つの月が見える
その後極初期型が育んだガイロス帝国海軍航空隊は拡大の一途を辿り、西方大陸戦争開戦直前のZAC2098年時点でレドラーから編成される航空団だけで4個を編成するに至っている。
写真の「白の04▽05」も空軍と海軍航空隊の発展に貢献した1機で、海軍が空母航空団を編成するに至ったその後は海軍飛行訓練コマンド麾下の教育部隊や仮想敵部隊で使用された。
風向きが変わったのはZAC2101年からである。
西方大陸戦争敗戦で次は本土決戦となったガイロス帝国海軍航空隊は部隊再編に追われていた。
西方大陸戦争中盤で直撃弾を受け長期ドック入りとなった空母レヴィアタンはもはやガイロス本土決戦には間に合わない状態であったし、搭載された艦載航空団も西方大陸戦争中酷使され、消耗しきっていた。
そこでガイロス帝国海軍上層部は艦載航空団である第11~12海軍航空団を解体、その装備ゾイドと人員を基地航空隊である第21~22海軍航空団移譲した。
これはもはや外征的装備である空母機動部隊は重要ではなく、本土を守るA2/AD(接近阻止/領域拒否)的とも言える沿岸域を死守する装備を重要視しての措置であった。
この基地航空隊重視の流れの中でガイロス帝国海軍はレドラー等の戦闘機ゾイドを集めた。
そこでお呼びが掛ったのが極初期型である。
海軍航空隊に残存していた極初期型は全て海軍飛行訓練コマンド第100海軍飛行隊(MG100)に配備されており、その殆どである31機を西方大陸戦争で消耗した第21海軍航空団に移譲された。
本機「白の04▽05」もその内の1機であり、第21海軍航空団第Ⅲ飛行隊隊長ゴットロープ・ルートガー・ツー・ブルーメンタール海軍少佐の乗機となった。
MFG21(第21海軍航空団)で極初期型は他の本格量産型レドラーと同じくガイロス本土に近づく敵海軍部隊に対する対艦攻撃を担う事となった。
ただし他のレドラーと違い極初期型はカタログスペック通りの性能を発揮出来ない個体も多かったことに加え、機体やコアも年月を経て老齢機となっていた為に戦闘機動を行うには限界があった。
この為、他の本格量産型のレドラーが超音速対艦ミサイル4発と短射程空対空ミサイル2発を懸架するところを、極初期型は超音速対艦ミサイルと短射程空対空ミサイルを2発づつという組み合わせで任務についた。
さらにMFG21では可能な限り極初期型のみで部隊編成を行い、その部隊は目標から離れた場所で対艦ミサイルを投下するという、機動力で劣る極初期型を高脅威下に晒さないという手段をとる事とした。
後述するウルトラザウルス攻撃作戦に飛び立つ白の04▽05
極初期型の配備を受けたMFG21はアンダー海海戦では、敵制空権下での共和国軍艦隊へ攻撃に投入されている。
極初期型の配備を受けたMFG21の一部部隊も比較的離れたエリアからではあるが、対艦ミサイルによる飽和攻撃を実施している。
MFG21は海戦で2ソーティの攻撃を実施、三分の一を喪失した。
その殆どが極初期型であった・・・。
諸氏も知っての通りアンダー海海戦には勝利したガイロス帝国ではあったが、摂政プロイツェンの策略により共和国軍はエントランス湾から上陸を果たしてしまう。
ZAC2101年9月、ガイロス帝国国防軍最高司令本部はプロイツェンからの総攻撃準備命令を受け、空軍海軍協同による共和国軍司令部攻撃作戦を決定。
目標は共和国軍司令部が置かれているエントランス湾のウルトラザウルスである
この作戦には空海から航空ゾイドがかき集められ、MFG21もMG100(第100海軍飛行隊[仮想敵部隊])に残っていた極初期型10機全てを移譲され、航空団内の部隊を整理し(損耗が一番激しかった第Ⅱ飛行隊を欠番とし、装備と人員を残りの飛行隊に割り振った)攻撃作戦に備える事になった。
空海協同作戦は4方向から同時攻撃を行う事を基本とし、MFG21第Ⅲ飛行隊隊長で極初期型「白の04▽05」を駆るツー・ブルーメンタール海軍少佐が、カオスケイプから進発し南周りでエントランス湾を狙う攻撃部隊の指揮を執る事に。
―――結果的にこの作戦は失敗に終わり、一説によると空海合わせて500機以上のガイロス帝国軍航空ゾイドが撃墜されたと言う。
海軍の保有する極初期型もこの戦いで全てが撃墜されている・・・。
ウルトラザウルス攻撃作戦に出撃するⅢ./MFG21隊長機の白の04▽05と副隊長機の白の04▽81
何方も極初期型である
フレアを放出しながら共和国艦隊上空を通過するMFG21の編隊とする真偽不明の写真
要撃きたプテラスとドッグファイトになるMFG21のレドラー極初期型
対艦ミサイルと増槽を投棄、ソードを展開している
親プロイツェン派新興貴族ツー・ブルーメンタール家の次男
ツー・ブルーメンタール家自体は親プロイツェン派であるが、少佐自身は反プロイツェン派であり、国防軍の将校から成る反プロイツェン派「黒い庭園」のメンバーでもある
ウルトラザウルス攻撃作戦で少佐はレイノスに撃墜されるも、ベイルアウトに成功
10月には海軍集成飛行隊「ツー・ブルーメンタール」の指揮官に就任し、11月に発生したプロイツェンの反乱ではシュバルツ中佐の求めに応じ飛行隊の一部をヴァルハラに派遣している