妹尾命名 “Georgia” 3部作

妹尾隆一郎の直筆原稿

”Georgia on my Mind”

この曲は黒人側からの発生した曲ではなく、白人世界のアメリカの一つの中心、”Georgia” 州を白人達の心の故郷として美しく、アメリカ合衆国を支え続けて来た。ジョージア州を讃えて歌われてはいるが、その州での黒人達の心にも美しい景色と、生まれ育った懐かしい記憶が交差し、彼らにも心に響くものがあったのだろう。

Ray Charlesのヒットで、黒人達も歌い出したし、歌心のある黒人達の歌が、やはり心をあたたかいものにしてくれる。



”Last Train to Georgia”

やはり白人世界の中心地、差別の激しいジョージア州を出てロスアンジェルスに “Change” を求めて頑張ってきた男が夢破れ、夜行列車に乗って生まれ故郷のジョージアへ。ジョージアから逃れて来たにも関らず、心の中でのあのジョージアしか戻る処はなかった。

男とその男を支え続けてくれた愛しい女性が黙って付いて来てくれる‥‥ そんな悲しくもあたたかな歌である。涙が止まらない。



”Rainy Night in Georgia”

愛しい彼女と、仕事の為に離れ離れにになり、ジョージアの街にトランクとギターだけを持ってバスを降りた男が、さて雨の中を何処行くともなく不安ながらジョージアの街をトボトボと彷徨いながら一夜をどう過ごすか? とある廃車の車の中に、とりあえず雨を避けて入りトランクから彼女の写真とギターを取り出し、写真を胸に抱いて問いかける “この雨はいつまで降り続けるのだろう” と‥‥

ギターをつま弾き、彼女の心を想う。これからの仕事はどうなるのか?



時代も反映している。

”Georgia on my Mind” ——田舎の時代

”Last Train to Georgia” ーー都会の時代

”Rainy Night in Georgia” ーーSoulの時代


地域は3曲とも田舎。