多い日は4回も、喫茶店に行くのが日課になっていた妹尾隆一郎は、いつも青い小さなリュックを背負って「ちょっと、お茶飲んでくるね!」と言うとハグをして出掛けて行きました。
そのリュックの中にはレポート用紙が何冊も入っていました。私はブルースの歌詞を書いた物とばかり思い込んでいたんのですが......
先日、何気なくリュックの中を覗いてみると歌詞を書いた何冊ものレポート用紙があり、他に3冊が仕切りの外に纏めて入っていました。それはブルース論の原稿でした。
妹尾は、亡くなる前に「この頃さ、自分でも不思議なくらい、いい文章が思いつくんだよ!」と嬉しそうに言っていたのを思い出しました。
原稿はパソコンに保存されていないので探し出せないものと諦めていたのですが、見つけた時は嬉しくて涙がでました。
見つかったという事は、やはり、妹尾はホームページで公開して欲しいと望んでいるのだと私は思います。
たまに理解不能な字に悩みましたが、一晩寝ると不思議に思い付くのです。まるで妹尾が教えてくれている様な気さえします。それでも分からない箇所が幾つかあります。
私は、夢に妹尾が現れて教えてくれるのを、いつも待っているのですが……
2019年 1月 11日 妹尾菊江
喫茶店へ出掛ける時の妹尾はこんな後ろ姿でした。
「お茶してくるよ〜」の声が聞こえてきそうです。
ある深夜、喫茶店から帰った妹尾はチェーンキーが掛かっていた為、家に入れず私や娘達を起こしてしまったのを気にしてから、このメモを玄関の扉につけて出掛けて行く様になりました。