スプリンクラ計画用集計表を作成する
この練習では、スプリンクラのデザイン用の集計表を作成し、作成した集計表に計算値パラメータを含むさまざまなパラメータを追加します。集計表をデザインツールとして使用するために、集計表を修正し、埋め込まれた集計表を追加します。
注意:ここで紹介する設計手法は米国のものであり、日本の法令には適合していませんが、集計表の取り扱い方のトレーニングとしてご利用ください。
トレーニングファイル
[R(ファイル)] ➤ [開く] ➤ [プロジェクト]をクリックします。
[開く]ダイアログの左ペインで、[Training Files]をクリックし、Metric\05_防火\RME_防火_計画_03_m.rvt を開きます。
集計キーを作成する
[プロジェクトブラウザ]で、[ビュー(専門分野タイプファミリ)] ➤ [給排水衛生設備] ➤ [消火配管] ➤ [平面図] ➤[消火配管 平面図 2階]が、アクティブビューであることを示すハイライト表示になっていることを確認します。
[解析]タブ ➤ [レポートおよび集計表]パネル ➤ [集計表/数量]をクリックします。
[新しい集計表]ダイアログで、次の操作を実行します。(◆)
[カテゴリ]の下で、[スペース]を選択します。
[名前]に、スプリンクラ個数算出用設定 と入力します。
[集計キー]をオンにします。
[キー名]に設置範囲の内装仕上 と入力します。
[OK]をクリックします。
集計表パラメータを作成する
[集計表プロパティ]ダイアログで、[新しいパラメータ](◆)をクリックします。
[パラメータプロパティ]ダイアログで、次の操作を行います。(◆)
[パラメータデータ]で、[名前]に最大離隔距離 と入力します。
[パラメータタイプ]で、[長さ]を選択します。
[パラメータグループ]で、[防火]を選択します。
[OK]をクリックします。
同じ方法を使用して、最大分担面積 という名前のパラメータを作成します。このとき、[パラメータタイプ]では[面積]を、[パラメータグループ]では[防火]を選択します。(◆)
[OK]をクリックします。
[集計表プロパティ]ダイアログで、[書式]タブをクリックします。
[書式]タブで、[最大距離]を選択し、[形式]をクリックします。
[形式]ダイアログで、次の作業を実行します。(◆)
[プロジェクト設定を使用]チェックボックスをオフにします。
[単位]で、[ミリメートル]を選択します。
[丸め]で、[小数点以下の桁数 0]を選択します。
[単位記号]で、[mm]を選択します。
[OK]を 2 回クリックします。
集計表が表示されます。
集計表データを追加する
[キー名]列の見出しを選択し、内装仕上タイプ を新しい見出しとして入力します。(◆)
集計表の列の幅のサイズを変更するには、各列区切りをドラッグして移動します。
[集計表/数量を修正] タブ ➤ [行]パネル ➤ [データ行を挿入]を8回クリックします。
新しい行で次の操作を行います。(◆)
[内装仕上タイプ]列に、一般:耐火処理あり-不燃材 を入力します。
[最大離隔距離]列に、4575 を入力します。
[最大分担面積]列で、10 を入力します。
注: 書式で指定した設定に基づいて、計測単位が自動的に表示されます。
ヒント:入力するたびにA列で並べ替えられるため、下から入力するとストレスがないかもしれません。
ヒント:CTRLキーを押しながらマウスホイールを回転すると、拡大されます。また列境界をドラッグして適切な幅に変更してください。
同じ方法を使用して、集計表データをさらに追加します。(◆)
内装仕上タイプ 最大離隔距離 最大分担面積
一般:耐火処理あり-可燃材 4575 10
一般:耐火処理なし 4575 10
軽度:耐火処理あり- 可燃材 4575 40
軽度:耐火処理あり-不燃材 4575 60
軽度:耐火処理なし 4575 60
重度:耐火処理あり-可燃材 3600 25
重度:耐火処理あり-不燃材 3600 25
重度:耐火処理なし-不燃材 3600 25
※:ここに示されている用語は米国の消防法により規定されている用語をそのまま使用しているため、意味が分かりにくいのですが、こちらのページを参考にしていただけますと、何を意味しているかご理解いただけるのではないかと思います。Extra, Light, Ordinaryはスプリンクラー設置の危険度というか重要度をしめしており、壁と天井の仕上げ材が可燃(Combustible)なのか不燃(nonCombustible)なのか、などで設置基準が変わります。
スプリンクラの集計表を作成する
[解析]タブ ➤ [レポートおよび集計表]パネル ➤ [集計表/数量]をクリックします。
[新しい集計表]ダイアログで、次の操作(◆)を実行します。
[カテゴリ]で、[スペース]を選択します。
[名前]に、スプリンクラ集計表 と入力します。
[OK]をクリックします。
[集計表プロパティ]ダイアログで、次の操作を行います。
[フィールド]タブの[使用可能なフィールド]で、次の項目を表示されている順番にダブルクリックします。
番号
名前
スプリンクラーゾーン
レベル
面積
設置範囲の内装仕上
最大分担面積
最大離隔距離
[計算されたパラメータを追加](◆)をクリックし、[計算値]ダイアログで、次の操作(◆)を行います。
[名前]に必要スプリンクラー個数 と入力します。
[専門分野]で[一般]を選択します。
[タイプ]で、[実数]を選択します。
[計算式]で、[…]をクリックします。
[フィールド]ダイアログで、[面積]を選択して、[OK]をクリックします。
[面積]の後に、式の演算子/ を入力し、次に、前に学習した手順を使用して、[フィールド]ダイアログから[最大分担面積]を選択します。
面積/最大分担面積 という式が作成されます。
[OK]をクリックします。
[必要スプリンクラー個数]の計算値が、集計するフィールド(リストの下)に追加されます。
この計算値パラメータによって、どのスペースがスプリンクラ設計要件を満たすか、直ちに判定できます。
[書式]タブをクリックします。
[書式]タブで、[必要スプリンクラー個数]を選択し、[形式]をクリックします。
[形式]ダイアログで、次の操作(◆)を実行します。
[既定の設定を使う]チェックボックスをオフにします。
[単位]に[固定]を選択します。
[丸め]に[小数点以下の桁数 0]を選択します。
[OK]を 2 回クリックします。
[スプリンクラー集計表]が表示されます。
集計表データを整理する
[プロパティ]ウィンドウの[その他]で、[並べ替え/グループ化]に対して[編集]をクリックします。
[集計表プロパティ]ダイアログで、次の操作を行います。
[並べ替え/グループ化]タブで、次の操作を行います。(◆)
[並べ替え方法]に対して[レベル]を選択します。
[見出し]および[空白行]をオンにします。
[次の並べ替え方法]で、[スプリンクラーゾーン]を選択します。
[見出し]および[空白行]をオンにします。
[次の並べ替え方法]で、[番号]を選択します。
ダイアログの下部で、[合計]をオンにし、[合計のみ]を選択します。
[書式]タブで、次の操作を行います。
[フィールド]で、[スプリンクラーゾーン]を選択します。
[フィールドの書式]で、[非表示のフィールド]をオンにします。
[フィールド]で、[レベル]を選択し、[非表示のフィールド]をオンにします。
[OK]を クリックします。
指定したとおりに集計表が整理されて、並べ替えられます。(◆)
[プロパティ]ウィンドウの[その他]の[フィルタ]で、[編集]をクリックします。
[集計表プロパティ]ダイアログの[フィルタ]で、[レベル] 、[等しい]、[Level 2]を選択します。(◆)
[OK]を 1回クリックします。
レベル 2 のゾーンのみ表示されるよう集計表がフィルタされます。(◆)
集計表からスペースプロパティを修正する
[プロジェクトブラウザ]で、[給排水衛生設備] ➤[消火配管] ➤ [平面図] ➤ [消火配管 平面図 2階]をダブルクリックします。
[表示]タブ ➤ [ウィンドウ]パネル ➤ [タイル]をクリックし、平面図と[スプリンクラ集計表]を並べて表示します。
平面図で、スペース : 教室 221 を選択します。
[プロパティ]ウィンドウの[識別情報]の、[設置範囲の内装仕上]に何も指定されていないことに注目してください。(◆) また、作成した[最大離隔距離]パラメータおよび[最大分担面積]パラメータが[防火]の下に一覧表示されていますが、値は決定されていないことにも注目してください。(◆)
[キャンセル]をクリックします。
集計表で、スペース : 教室 221を選択します。
[設置範囲の内装仕上]で、[一般:耐火処理なし]を選択します。
選択したままの状態で、平面図をクリックしアクティブビューにします。
集計表で選択した項目がダイアログに表示され、パラメータ値が明確に確認できることに注目してください。(◆)
[プロパティ]ウィンドウの[識別情報]で、[設置範囲の内装仕上]に[軽度:耐火処理なし]を選択し、[適用]をクリックします。
パラメータの変更が集計表で明確に確認できます。
平面図で、選択ボックスを使用して、建物の上半分を選択します。(◆)
スペースのみ表示されるよう選択項目をフィルタします。
インスタンスプロパティにアクセスします。
[インスタンスプロパティ]ダイアログの[識別情報]で、[設置範囲の内装仕上]に[一般:耐火処理なし]を選択します。
[OK]をクリックします。
重要: Revit MEP の集計表は設計図書だけでなく、デザインツールでもあります。集計表の編集可能なエントリを変更してシステムを修正する場合は、実際には建築情報のデータベースの情報を編集することになります。その結果として、各々の変更はダイナミックで、直ちにプロジェクト全体に伝播されます。このデジタルデータベース情報ソースは、BIM (ビルディングインフォメーションモデリング)の中心的概念です。
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