配管システムを作成する
この練習では、循環/供給配管システムを作成し、システムブラウザを使用してそのシステムを検査および確認します。システムは、空調用ヒートポンプ(WSHP)とボイラーなどのシステムコンポーネント間の論理的な接続です。この論理的な接続により、Revit MEP で流れや圧力などの様々な分析を実行できます。配管システムを作成する際の推奨ワークフローは次のとおりです。
機械設備と他の要素を配置します。
要素間の論理的接続を作成します。
要素を物理的に接続するための配管を作成します。
重要
すべての要素は、作成するシステムか既定システムのどちらかにより論理的接続されています。論理的接続(システム)とは違い、物理的接続(配管)はシステム作成には必要ありません。配管を作成してシステムコンポーネントを接続することはできますが、対応するシステムがなければ、解析を実行することはできません。
トレーニングファイル
[ファイル] ➤ [開く]をクリックします。
[開く]ダイアログの左側のペインで、[Training Files]をクリックし、Metric\02_空調\RME_空調_配管_02_m.rvt を開きます。
システムブラウザを探索する
[プロジェクトブラウザ]で、[ビュー(専門分野タイプファミリ)] ➤ [機械] ➤ [空調] ➤ [平面図] ➤ [空調 平面図 3階]が、アクティブビューであることを示すハイライト表示になっていることを確認します。
建物(スペース Mech 330)の短いほうのウィングを拡大表示します。
[F9]を押して[システムブラウザ]を表示します。
[システムブラウザ]ウィンドウのタイトルバーをクリックし、ウィンドウを下方向にドラッグして画面の下部に沿って表示されるようにします。これにより情報が確認しやすくなります。
[システムブラウザ]で、[ビュー]を[システム][配管]に設定します。
これにより、ブラウザ上には配管部分だけが表示されます。
[未設定]フォルダを展開し、[冷温水循環(往)]と[冷温水循環(還)]を展開して、建物に配置した機械設備を表示します。
[システムブラウザ]は、プロジェクトに配置しているファミリが持っているコネクタの一覧表です。一つのファミリで複数の種類のコネクタを持っているものもあるので、一つのファミリ名が複数のフォルダに表示されますが、基本的にはシステムブラウザはコネクタのリストです。
コネクタをシステムに割り当てる基本的な方法は以下のどちらかです。
コネクタ間の論理的接続(システム)を作成する
コネクタを既存のシステムに割り当る
ヒートポンプやボイラーが配置されると、Revit MEP では、すぐにこれらのファミリが持っているコネクタを、[未設定]フォルダにあるそのシステム分類のフォルダに表示します。これらは、それぞれシステムに割り当てられるまで未設定フォルダに残ります。コネクタをシステムに割り当てると、割り当てられたコネクタは[未設定]フォルダからそれぞれ割り当てられたシステムフォルダに移動します。
重要:プロジェクト内のすべての機械設備は、未設定のシステム以外のシステムに割り当てられる必要があります。未設定のシステムに残っている設備も暖房負荷と冷房負荷の計算に含まれます。そのため、未設定のシステムに多数のコンポーネントを残すと、パフォーマンスが低下し、本来コンポーネントを割り当てるべきシステムに対して正確な計算が実行できない可能性があります。システムブラウザを開いたままにして、システムを作成するときに参照します。
冷温水(還)配管システムを作成する
作図領域で、[Ctrl]を押しながら、2 つの WSHP を選択します。
[修正|機械設備]タブ ➤ [システムを作成]パネル ➤ [配管]をクリックします。
[配管システムを作成]ダイアログボックスで以下の操作をします。
[システムタイプ]で[温水(還)]を選択します。
[システムエディタ内で開く]をチェックします。
[OK]をクリックします。
[プロパティ]ウィンドゥで[システム名]に、Cold / Hot Water Return を表すCHWR を入力します。
[配管システムを編集]タブ ➤ [配管システムを編集]パネル ➤ [設備を選択]をクリックします。
作図領域で、M_凝縮ボイラーを選択します。
[システム編集を終了]をクリックします。
以上で温水(還)システムが作成されました。
システムブラウザの[配管(5システム]➤[温水(還)]➤[M_凝縮ボイラ: 145kW]を展開し、CHWR に二つのヒートポンプが所属していることを確認します。
温水(往)配管システムを作成する
前述の手順で配置したいずれかの WSHP を選択します。
[修正|機械設備]タブ ➤ [システムを作成]パネル ➤ [配管]をクリックします。
[配管システムを作成]ダイアログボックスで以下の操作をします。
[システムタイプ]で[温水(往)]を選択します。
選択したコンポーネントには、既に温水(還)システムが割り当てられているため、[温水(還)]オプションは表示されないことに注目してください([配管システム]タブをクリックすれば、温水(還)システムのプロパティにアクセスすることができます)。
[システム名]に、Cold / Hot Water Supply を表すCHWS を入力します。
[システムエディタ内で開く]をチェックします。
[OK]をクリックします。
[配管システムを編集]タブ ➤ [配管システムを編集]パネル ➤ [システムに追加]をクリックし、2番目の WSHP を選択して温水(往)システムに追加します。
[プロジェクトブラウザ]で、[Design] ➤ [HVAC - Design] ➤ [平面図]の下の[Roof HVAC - Plan- Design]をダブルクリックします。
[配管システムを編集]タブ ➤ [配管システムを編集]パネル ➤ [システムに追加]をクリックします。
建物の短いほうのウィングを拡大表示して、冷却塔を選択します。
[接続を選択]ダイアログで、[コネクタ2 : 冷温水循環(往) : 円形 : 100 mm : Condenser Water Out]を選択して、[OK]をクリックします。
[Roof HVAC - Plan- Design]ビューを閉じます。
[配管システムを編集]タブ ➤ [配管システムを編集]パネル ➤ [設備を選択]をクリックします。
ボイラーを選択します。
ボイラーは ヒートポンプ(WSHP)に冷温水を供給するための設備として選択します。ボイラーは、互換性のあるシステムタイプ(温水(往)および温水(還))との接続を有する唯一の設備です。暖房時は、ボイラーがシステムに温水を供給し、冷却塔をバイパスします。冷房時は、冷却塔がシステムに冷却水を提供し、水はヒートポンプ(WSHP) によってボイラーを経由して冷却塔に戻ります。
[システム編集を終了]をクリックします。
重要: [システムブラウザ]の[温水(往)] ➤ [M_凝縮ボイラ―: 145kw]に、CHWS という名前の新しいシステムが一覧表示されます。
システムを確認、検証する
システムブラウザで、[配管(6システム)]を右クリックして、[すべてを展開]をクリックします。
これでシステム階層を表示できます。CHWR と CHWSは, ボイラー(親)と WSHP (子)を論理的に接続します。
CHWS を右クリックして、[すべての要素を選択]をクリックします。
温水(往)システムがハイライト表示されて、論理的な接続であることを示します。CHWS システムには 2 つの WSHP と冷却塔が含まれています。
システムブラウザでは、コンポーネントのサイズや流量率など、いくつかのパラメータを表示できます。
[システムブラウザ]先頭行右端の[列設定]をクリックします。システムブラウザに表示したい列を選択できます。
[列設定]ダイアログで[配管]を展開し、[流体タイプ]と[流体温度]を選択して[OK]をクリックします。
[システムブラウザ]で、CHWS システム内のいずれかの WSHP の流量値を右クリックして、[プロパティ]をクリックします。
[プロパティ]ウィンドゥの[機械]で、[Water Flow]に0.8 と入力し、[OK]をクリックします。
システムブラウザで CHWS の流量値が更新されます。
ファイルを保存または保存せずに閉じます。