給気システムを作成する
この練習では、給気システムを作成します。Revit MEPにおける システムとは、制気口と機械設備などの間の論理的な接続のことです。この論理的接続によって、Revit MEP ではエネルギー分析などの様々な分析が実行できます。制気口と機械設備を配置し、システムコンポーネント間の論理的な接続を作成することによって論理的な接続=システムを作成します。論理的な接続を作成した後、制気口と機械設備を物理的に接続するためにダクトを作成します。このワークフローは、Revit MEP がシステムの作成でお勧めする最適な練習です。また、この練習では、システムブラウザも使用してシステムを検証します。
重要: 物理的接続(ダクト)は、システム設計には必要ありません。ただし、ダクトはサイズ変更などの物理ジオメトリを参照する計算を行うのに必要です。
トレーニングファイル
[ファイル] ➤ [開く] ➤ [プロジェクト]をクリックします。
[開く]ダイアログの左ペインで、[Training Files]をクリックし、Metric\02_空調\RME_空調_ダクト_システム_03_m.rvt を開きます。
システムブラウザを探索する
[プロジェクトブラウザ]で、[機械] ➤ [空調] ➤ [平面図] ➤ [空調 平面図 2階]が、アクティブビューであることを示すハイライト表示になっていることを確認します。
建物の左上コーナーにあるスペース ラウンジ 223 を拡大表示します。
スペースをハイライト表示すると、ツールチップとステータスバーにスペースの名前が表示されます。
[F9]をおして [システムブラウザ]を表示します。
[システムブラウザ]の[ビュー]が[ゾーン]となっている場合は [システム] に切り替えます。
機械(0システム)と表示されていることを確認します。
重要: [システムブラウザ]では、すべてのシステムコンポーネントはフォルダツリー階層に整理されています。追加したすべての制気口は、いったん[未設定]フォルダに配置されています。制気口や機械の要素は、配置された後にシステムに割り当てられる必要があります。制気口をシステムに追加すると、割り当てられた制気口はそれぞれのシステムフォルダに移動します。
給気システムを作成する
作図領域で、スペース 223 の左上にある吹出口を選択します。
[修正|制気口]タブ ➤ [システムを作成]パネルで、[ダクト]のみが使用できるようになっていることに注目してください。これらのツールは、システムの作成に使用するファミリに含まれるコネクタのシステム分類によって異なります。
[修正|制気口]タブ ➤ [システムを作成]パネル ➤ [ダクト]をクリックします。
[ダクトシステムを作成]ダイアログボックスが開くので、[システムエディタ内で開く]にチェックしOKを押します。
[ダクトシステムの編集]タブ ➤ [ダクトシステムの編集]パネル ➤ [システムに追加]が選択されていることを確認します。
選択した制気口のコネクタのシステム分類は「給気」です。[システムに追加]ツールを使用しているときは、システム分類「給気」のコネクタを持つファミリのみをハイライト表示し、選択することができます。
作図領域で、残りの4つの吹出口を選択します。
[モード]パネル ➤ [システム編集を終了]をクリックします。
[システムブラウザ]で[機械(1システム)] ➤ [給気] ➤ [機械 給気 1]を展開し、選択した制気口がリストされていることを確認してください。
機械 給気 1の行にはフローの合計値1075L/sが表示されています。これは選択した5つの吹出口の風量の合計値です。
平面図でスペース223に配置された吹出口の一つをマウスオーバー(クリックしない)します。
[TAB]を1回押して、システムがハイライトされたらクリックして選択します。
[プロパティ]ウィンドゥで、[要素の数]、[システム名]、および[流量]の値を確認します。
[流量]の値(1075 L/s)は、システムに追加した 5 つの吹き出し口の風量の値の合計と等しいことに注目してください。
風量ではなく流量となっているのは、ダクトであれば中を流れているのは空気なので風量ですが、配管ならば中を流れているのは液体なので流量です。パラメータがダクト・配管兼用なので、間をとって流量という名前になっていますが、ここでは風量のことを指します。
[システムツール]パネル ➤ [設備を選択]をクリックし、スペースの外にあるヒートポンプ(M_WSHP_横型_高効率_7-18kW_左リターン_右排出)を選択します。
[選択]パネル ➤ [修正]をクリックします。
注: [システムブラウザ]の[機械]フォルダの構成が変更され、[M_WSHP_横型_高効率_7-18kW_左リターン_右排出]が親、システムが子となり、システムの下に制気口が所属しています。
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設備としてWSHPを選択
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システムブラウザの様子
システムの名前を変更する
次に、[システムブラウザ]のシステムの名前を、機械設備(WSHP)の識別データ(マーク)と一致させます。
ヒートポンプ(WSHP)を選択し、[プロパティ]ウィンドゥの[識別情報]で、[マーク]で値 (WSHP 2-45) をハイライト表示し、[Ctrl]+[C]をクリックしてコピーします。
[OK]をクリックします。
吹出口の一つを選択し、[ダクトシステム]タブをクリックします。
[プロパティ]ウィンドゥの[機械]で、[システム名]で値を選択し、[Ctrl]+[V]をクリックして選択項目の上に貼り付けます。
[適用]をクリックします。
[システムブラウザ]で、システム名が[機械 給気 1]から[WSHP 2-45]に更新されます。
[選択]パネル ➤ [修正]をクリックします。
ファイルを保存または保存せずに閉じます。
この練習では、給気システムを作成し、制気口をヒートポンプに論理的に接続しました。