~「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」(安西監督@スラムダンク)~
藪下打棒爆発!石井・小川の熱投!
神宮前GreenBeansと追いつ追われつの熱戦は一歩及ばず惜敗!
緊急事態宣言が再延長され、飲食業界がいよいよ感極まってきたこの日、ビッグアプセットナインが集結したのは天王洲グランドC面。数多い天王洲グランドでの試合でもあまり使用することのないC面、ここは独立した一面グランド、運河との兼ね合いでレフトが近くそこに高さ15mのグリーンモンスターネットがそびえる印象的な素晴らしいグランドだ。
試合前、このグランドを見つめながらノビータ大河原が感慨にふける。実は天王洲で最初の試合が行われたのは13年前の2008年7月19日、このC面だったが、当時職場が品川区にあった大河原がこの高人気グランドを確保すべく申し込み続けること1年、ついに確保したその日、大河原は仕事が超多忙でなんと35日連続出社の記録を更新中、悠々自適の現在からは想像できない仕事の鬼時代、職場に野球道具を持参したものの仕事が終わらず無念の欠場、「その悔しさは今も忘れない」と真顔でつぶやく。
それはともかく、今日このグランドを確保しオファーしてくれたのはあの神宮前GreenBeans、6週間前の品川区民公園での試合でなんと試合時間を2時間間違えて30分しか試合できなかった、そんなビッグアプセットに再びオファーして頂けるとは何て心の広いチームだ、と感動したビッグアプセットナイン、今回こそはと事前の時間確認も初鑑再鑑に監査グループ長まで動員し確認、審判到着前に全員の体ができあがるという完璧な状態でプレイボール。
ビッグアプセットの先発は石井、手術後少しずつ投球回を増やしこの日が本格的な先発復帰だが、初回いきなり1・2番に連続フォアボール、3番にセンター前に弾き返されノーアウト満塁のピンチ、ここで相手4番のピッチャーゴロで1-2-3のダブルプレーを狙うがキャッチャー村上からの一塁送球がそれ1点を献上、さらにその後相手6番にセンター前に打たれ2点を追加、初回いきなり3点を失ってしまう。
しかしこのあと石井は徐々にギアを上げる。2回は先頭のサードゴロを最近守備が不調の西村がさっそく悪送球で出し、続く打者にレフト前に打たれこの回もノーアウト1・2塁とピンチ、劣勢の色が濃くなるがここから石井は本領発揮だ。続く打者を三振に切って取ると、続く11番のセカンドゴロが田辺ー塚野敦也ー芝田の鮮やかなダブルプレーでピンチを切り抜け、試合の流れを渡さない。
するとその裏のビッグアプセット、ワンアウトから櫻町がフォアボールで出ると、続く村上が最近モデルチェンジしたゆったりしたフォームから鋭くレフト線に弾き返すツーベースで2・3塁、すると続く藪下の快心のジャストミートがグリーンモンスター直撃のツーベース!これで櫻町・村上がホームインし2点を返す。さらにツーアウトから石井のサードゴロがエラーを誘い、藪下が還りここで3-3の同点に追いついた!
3回表の守備、ツーアウトからまたも西村が悪送球でランナーを出すと続く1番にセンターオーバーのツーベース、ツーアウトながら2・3塁とまた追い込まれるがここは石井が続く打者を三振に打ち取り踏ん張る。しかし続く4回表、この回先頭の相手3番に完璧なグリーンモンスター超えの大ホームランを打たれ再び1点リードを許してしまう。
するとその裏、ビッグアプセットは先頭石井大和がデットボールで出塁すると2盗・3盗で3塁へ、この日石井大和は4盗塁の荒稼ぎ、盗塁王争いでも断トツトップだ。このチャンスに山下が鮮やかな流し打ちでライト線へのツーベース、これで石井大和が還りまたも4-4の同点に追いつく!
5回表の神宮前GreenBeans、ワンアウトから続く9番の打球はサード前へのボテボテのゴロ、これ以上西村には任せられないと石井が猛ダッシュでこれを処理するが、意識過剰か石井の一塁送球も悪送球となりランナーを出す、このランナーが盗塁と続く打者のファーストゴロでツーアウト3塁、ここで11番にセンター前に打たれ再びリードを許す。ツーアウトから痛恨の失点で気落ちしたところで、続く12番にセンターオーバーのツーベースを打たれさらに1点を追加、4-6と三たびリードを許す。
これに負けじとその裏のビッグアプセット、先頭で登場したのは藪下。大枚はたいてシーズン前に購入したニューバットが今やチームの一番人気、その本家オーナーとして打撃の調子がいまひとつ上がり切れていなかったが、この日の快心のツーベースでタイミングを掴んだか打席では自信満々、すると振り抜いた渾身のフルスイングから放たれた打球は左中間上空に45度で舞い上がる、折しも昨年導入された都心着陸ルートで羽田に向かうボーイング機が轟音を上げながら上空を通り過ぎていく、そのルートとシンクロするようなジェットストリーム弾がグリーンモンスターを軽々と超えその向こうの京浜運河に着水!相手チームも脱帽する大ホームランでビッグアプセットは再び反撃、1点差に詰め寄る。
1点差に詰め寄ったところで、櫻町監督はセットアッパー小川をマウンドへ送る。前の回小川が出塁していたため登板を告げたのはチェンジになってから、という無茶ぶりだったが、「一球で肩が仕上がる」で知られる小川は微動だにせず初球から速球をテンポよく投げ込む。小川は2イニングを不運な内野安打を含む2安打失点ゼロに抑えるナイスピッチング、これを盛り立てる守備陣も6回にはワンアウト2塁のピンチで相手4番の左中間の大飛球をセンター石井大和が快足を飛ばしてグリーンモンスターぎりぎりで好捕、素早い2塁送球で離塁していたセカンドランナーを刺すダブルプレーで小川を援護、ビッグアプセットは試合の流れをぐっと引き戻した。17時スタートのこの試合、折しも夕日が運河のかなたに沈み、照明塔に灯が入り今季初のナイター、鮮やかなカクテル光線の中、5-6の1点差でビッグアプセットは最終回裏の攻撃に賭ける。
先頭芝田、気合全開のジャストミートの打球が惜しくもサード正面をついてしまいワンアウト、しかし続く櫻町がレフト線へ弾き返し出塁、続く村上も気合全開でフルスイングするがわずかに打ち損じてファーストフライ、ツーアウトとなったが続く藪下はさすがに警戒されフォアボールで1・2塁、ここで打者小川の場面でセカンドランナー櫻町がいきなりスタート、虚を突かれた相手キャッチャーも送球が遅れ櫻町の土下座スライディングも決まり三盗成立、1点差ビハインドの最終回ツーアウトでの三盗という大胆な奇策だが、実はその前のレフト線ヒットで一塁で止まった櫻町に「2塁に行けたぞ!」とベンチから声が飛んでおり、その悔しさを晴らす大胆プレーであった。これで動揺した相手ピッチャーは小川をフォアボールで出しツーアウト満塁で石井に回る。
フォアボールで同点、タイムリーで逆転サヨナラという最高の場面、とられては追いつくこの試合の結末はいかに、ベンチが最高潮にヒートアップする中、石井もしぶとくボールを選ぶ、そして迎えた絶好球をジャストミートすると鋭い打球がピッチャーの足元を抜ける、ベンチの誰もが逆転サヨナラだ!と総立ちとなったその瞬間、相手セカンドがベース寄りに守備位置を替えておりこれを掴んでベースを踏みあえなくスリーアウト、ベンチのヒートアップが一瞬にしてため息に変わり試合終了となった。
それにしても神宮前GreenBeans、ビッグアプセットの大失態を受け入れてくれ野球に対する姿勢も楽しく真摯、鋭い打撃と固い守備を持つ、今後もぜひ対戦をお願いしたい素晴らしいチームだ。
一方のビッグアプセット、先発石井は守備陣の乱れや判定に悩まされながらも5回自責点3のナイスピッチングで完全復活へもう一歩のところまできた。2番手小川は先般の芝公園に続くテンポのよい見事なピッチングでセットアッパーとしての評価を確立、ビッグアプセット投手陣がまたその厚みを増した。打撃陣ではこの日豪打爆発の藪下、打率も2割台後半に上がり首位打者争いにも参戦宣言だ。今シーズンは新バット効果もあり現在まで8安打のうち5本が長打で長打率も断トツトップにたった。塚野敦也も規定打席到達が視野に入り、万感の想いでこの試合に臨んだ大河原も打率争いで田辺を射程距離にとらえ万振りを繰り返す。
試合は惜しくも敗戦となったが最後まで諦めない攻撃にビッグアプセットナインも爽やかな疲労感、涼しい初夏の風を心地よく全身に浴びながら、試合後の打ち上げができる日を待ちつつ天王洲を後にするのであった。
~監督談話~
前回時間を間違えたにもかかわらず今回試合前、笑顔で迎えてくれた神宮前GreenBeansのみなさんの素晴らしい人柄に心が洗われ、清々しい気持ちになりました!
試合は藪下くんの大谷翔平バリのグリーンモンスター超えホームラン、好調山下がタイムリーツーベース、村上ツーベース、櫻町ナイスヒットなど打撃陣も白熱、最終回も満塁まで攻め立てあと一歩。
投手陣も石井さんの粘りの投球に小川さんも2試合連続で素晴らしいピッチングで投手陣に厚みが出来たのは大きい。
守備陣も石井大和くんの大飛球ナイスキャッチのダブルプレー、田辺さんも軽快な守備力でダブルプレーをゲットし流れを引き寄せました。
いろいろ縁がありそうな神宮前GreenBeansにまた挑戦し、次は快勝しましょう!
来週の試合は現在マッチメーク中です。
決まり次第ご連絡しますので、よろしくお願いします!
では来週!
みんな、よろしく!