~「円城寺 あれがボールか 秋の空」(詠み人知らず@1961年日本シリーズ)~
木枯らしの秋のナイター、神宮前グリーンビーンズとのガチンコ勝負は石井力投も打線着火せず惜敗!
近畿地方に異例の早さの木枯らし1号が吹き荒れ、この日は東京地方も10月とは思えない寒さ、天王洲公園のナイターに集結したビッグアプセットナインは試合前この寒さに震えながらも、素晴らしいコンディションの天王洲公園グランド、そして好チーム神宮前グリーンビーンズの対戦とあって改めて気合を入れつつプレーボール。
この日ビッグアプセット先発はスーパーひとしくん石井、相変わらず試合1時間前からの念入りなウォームアップで初回からエンジン全開、初回を1三振を含む三者凡退に切って取る。2回以降も神宮前グリーンビーンズの強力打線にランナーを許すも粘りのピッチング、2回は先頭にレフトオーバーのシングルヒットを許すもこのランナーの盗塁をキャッチャー村上のクイックスローで刺殺、3回は石井自らのエラーでランナーを許すが後続をピシャリと抑える、4回は先頭打者のイージーゴロを芝田が弾き、さらに三塁線のゴロをアウトにできず2走者を出してしまい、怒りの石井が2三振でツーアウトとしたところで続く打者はまたしてもサードゴロ、窮地の芝田がこれを何とかさばき4回は芝田のマッチポンプ状態だったが何とか無得点、ただでさえ厳しい動体視力がナイターはますます減衰しオヤジ守備陣をバックの石井の試練は続くが、4イニングを2安打4奪三振で無得点と力投が続く。
長らく序盤から劣勢の試合が続いていたビッグアプセット、今日こそ石井の力投に応えたいところだが、神宮前グリーンビーンズ先発投手のキレのある投球に打撃面でも動体視力減衰が響きビッグアプセット打線も苦戦、初回から3回までなんと9人パーフェクトに抑えられる立ち上がり、4回ワンアウトから薮下がフォアボールで初めてのランナーとして出塁、盗塁でセカンドに進みワンアウト2塁と事態の打開を試みるがここも後続が倒れ無得点。試合は0-0の膠着状態が続く。
試合がついに動いたのは後半に入った5回、神宮前グリーンビーンズはワンアウトから三遊間内野安打でランナーを出すも、このランナーの盗塁をまたしても村上が盗塁阻止、ピンチを逃れたかにみえたが、ここから2者連続フォアボールで1・2塁としたところで相手6番にしぶとくセンター前に落とされセカンドランナーが生還しついに均衡が破れる。さらに続く打者にデットボールを与え満塁となったところで相手8番に左中間に運ばれ、これが走者一掃スリーベース、これで痛恨の3点を失いこの時点で4点ビハインドとなる。
しかしいまだ覚醒しないビッグアプセット打線もこの劣勢で火がついた。その裏ビッグアプセットの攻撃、先頭芝田が外角速球を技ありの流し打ちでライト前に弾き返しついにチーム初安打で出塁、続く櫻町のフォアボールを選びノーアウト1・2塁で反撃開始だ。ワンアウトから西村もフォアボールを選びワンアウト満塁とすると、続く小川はボールにくらいつきピッチャーゴロ、これで3塁走者芝田のダッシュが早くホームイン、さらに続く田辺のサードゴロがエラーを誘い櫻町が生還し2点目をゲットだ!これで2-4の2点差としさらにツーアウト1・3塁のチャンス、ここで続く大河原にベンチも総立ちとなるがここはファーストゴロでチェンジ、2点を返すにとどまった。
残りのイニングも石井は力投で無失点、ビッグアプセット打線の反撃に託すが6・7回とも上位打線が三者凡退にきってとられ試合終了、2-4のまま惜敗となった。
動体視力云々と言ったところで1安打では勝てない、久しぶりの緊張感の高い試合だったがシーズン終盤に向けて打撃力の再強化が課題だ。とはいえ7イニング5三振の石井の力投は際立ち、手術後の不安が完璧に払拭され完全復活に相応しいナイスピッチング、またキャッチャー村上も2盗塁を阻止し若手中心の神宮前グリーンビーンズに1盗塁も許さなかった、そのクイックスローと正確な送球は1969年日本シリーズ、無敵と思われた福本豊の盗塁を完全阻止した巨人・森昌彦を彷彿とさせる見事なものだ。またエラーでピンチを招いた芝田も試合全体で8つのゴロに奮闘、全員右打者の神宮前グリーンビーンズ打線に立ち向かい石井を支えた。
「円城寺 あれがボールか 秋の空」、1961年日本シリーズ、円城寺球審と南海ホークスのスタンカ・野村克也のバッテリー、巨人助っ人エンディ宮本をめぐるシリーズを左右した名場面を詠んだ名句だ。鮮やかな秋空、そして10月を迎えたベースボールの気持ちの高まりは60年たったいまも変わらない。日米ともにポストシーズン到来の季節で、ビッグアプセット波乱の2021年シーズンも残り最大6試合、ミスターオクトーバー、ミスターノーベンバーに輝くのは誰になるのか、残りのシーズンへの情熱を胸に木枯らし吹き荒れる天王洲を後にするビッグアプセットナインであった。
<監督談話>
今シーズンも終盤に近づいた今季第34戦は、毎回うちあいの様相となる神宮前Grean Beans戦だったが、この日のピッチャー石井さんはストレートが走り、変化球もストライクゾーン一杯を使うナイスピッチングで4回まで無失点の力投だったが、打線がヒットは芝田の1本のみと沈黙。守備ではキャッチャー村上の2度にわたる2盗阻止の強肩レーザービームやレフト山下の安定した守備、サード芝田の全力プレーなど見どころはあったが、悔しい結果となった。
芝田の戦評の題名はかつて野村克也のテレビのコメントで聞いた懐かしいフレーズだが、まさに石井さんの渾身の1球のボール判定も明暗を分けた瞬間だったかも知れない。
しかしこの惜敗は、石井さんの熱投を援護出来なかった打線。来週からは打ちまくりましょう❗️
来週のマッチメークは決まり次第、お知らせします。
では残り少ない今シーズン、やり切りましょう❗️
来週もみんな、よろしく❗️