~「みんな青空のせいだよ」(村上正)~
オヤジ中心打線引き続き奮戦、ノーガードの打ち合いは1点差で惜敗!
緊急事態宣言がいつ解除されるのか、橋本聖子さんははたして頑張ってくれるのか、心配がつきない今日この頃でございますが、皆さまお達者でしょうか。思えば昨年11月、あんな雲になりてえんだよ、とさくらに言い残し柴又を後にして風の吹くまま気の向くまま、旅にでてはや3か月、あんなキザなことを言ってしまった手前、しばらく柴又に帰ってくることはないと誓っておりました。そもそもほぼ地元の石井親子はともかく、われわれ山の手育ちのシティボーイ、下町に各段の執着があるわけでもございません。ところが今日、ことし一番の春の陽気に誘われてそぞろ歩きをしているうちに、ふと気がつくと、またこの江戸川の土手に立っていたわけでございます。
思えば3か月前、土手に寝ころびながら雲を追い流れ流れた人生を思っていたわけですが、実際試合では風船会っていう風流な名前のチームに滅多打ち、3本も柵越えをかまされて惨敗したわけでございます。そういう意味では、今日こそこの柴又をいい思い出の場所にしようじゃねえか、横文字でいうリベンジっていうやつです、そんな気持ちで帝釈天様にもお参りしてきたわけでございます。
ところが世の中、そういう時に限って上手くいかないものでございます。試合開始1時間前にはユニフォームを着て集合、を厳命していた石井道場長、なんと時間を1時間まちがえて試合直前まで来れないっていうじゃありませんか。おまけに今日参加してくれるといっていた、甲子園優勝、立教大学4番っていう青年が突然参加できない、ってことになって大騒ぎ、やはりセントポール育ちのハイカラさんにはこの柴又は似合わねえしな、とがっくりもしたわけでございますが、思えば8年前には試合時間を2時間も間違えて試合が終わったころに現れた監督もいたわけでございして、人にはそれぞれみんな事情ってものがあるわけでございます。今日もなんだかんだで11人がそろってプレイボールとなったわけで、そういう細かいことや難しいことは申し上げず、とにかく試合に集中しようじゃございませんか。
というわけで試合に集中するビッグアプセットは初回表に先制パンチ、ワンアウトから石井がデットボールで出るとさっそく盗塁、ここで好調3番山下が鮮やかにセンター前に弾き返しさっそく先制点をゲットだ。
その裏の東京Jスコーピオンズの攻撃、先発石井に対し相手先頭打者の打球はセンターへの高いフライ、センター木全が完全に捕球体制に入ったとナインが安心した瞬間、ボールは構える木全の約2メートル後ろで大きくバウンド、何が起こったんだとビッグアプセットナインが呆然と見守る中いきなりツーベースでピンチ。この日の柴又は寅さんの煩悩を排除すべく雲ひとつない見事な青空、春の太陽がネット裏からさんさんと輝く逆光、ネット裏の土手が打球にも重なり内野手でも打球が見えにくい状況、今日は外野手が鬼門だ、と予感させる立ち上がり。このピンチを内野のランダウンプレーなど守りで何とかしのいでいたが最後は相手5番にタイムリーを打たれ同点。
2回表のビッグアプセットの攻撃、ワンアウトから今日の助っ人牧がヒット、西村がフォアボールでチャンスをつくると櫻町が左中間突破のタイムリー、2塁から牧が生還、1塁ランナー西村が悠々とサードに進塁するが、なぜか打者櫻町がファーストにストップ、ベンチから非難ごうごうとなる。しかし1・3塁となったところでファーストランナー櫻町がスタート、相手キャッチャーが思わずセカンド送球した隙をついて西村が果敢にホームイン、57歳コンビ、合計114歳ダブルスチールで見事な追加点!櫻町がレフトオーバーの打球で一塁に止まったのは、この次のプレーを狙った高度な判断であったことがここで判明、ベンチの世論は一気に非難から賞賛に変わる。
するとその裏、東京Jスコーピオンズは先頭背番号6がレフトオーバーのホームラン、ツーアウトからは1番もホームランで2点、ここまで初回は1点ずつ、2回は2点ずつの取り合い、青空と逆光のおがけで外野守備の波乱もあり、試合はノーガードの打ち合いの様相を呈し始める。
3回表のビッグアプセットの先頭は石井大和、こうした試合展開にクサビを打つ気合いでスイング一閃、完璧な45度の打球がライトに舞い上がり、この大飛球が江戸川中心線の県境を超え、千葉県に打ち込む大ホームラン!実はこのライト後方の江戸川は、いまなお現役の矢切の渡しが行きかうルート、そこに打ち込む石井大和の大ホームランは外野守備関係なし、「連れて逃げてよ」の悲恋の恋人たちに捧げる鮮やかな大アーチとなり、ビッグアプセットは再びリード。
しかしやられたらやり返す、東京Jスコーピオンズもその裏反撃、先頭をフォアボールで出すと次の打者のレフト前への強烈なライナーがイレギュラーバウンドで村上の頭を超え、これが逆転のツーランホームランとなる。その後もエラーに加え数度の外野への飛球がヒットなる展開で2点を追加され、4-7とリードされる。
ここで力尽きてなるかとビッグアプセットは4回表さらに反撃、ワンアウトから西村がフォアボールででるとワイルドピッチで2塁へ、すると再び櫻町が外角球を渾身の一振り、再び打球は左中間のレフトオーバーとなり西村が生還、櫻町も今度は二塁まできっちり走るツーベースで1点を返す。すると櫻町監督は再び頭脳プレーだ、続く木全の鋭い当たりはサード正面のゴロとなったがここでセカンドランナー櫻町監督があえてスタート、二三塁間の挟殺プレーとなったが櫻町監督はその巨体を活かして相手送球を背中の肩甲骨内側で受けチャンスを広げる。大河原のショートゴロでランナーが入れ替わり一塁大河原・三塁櫻町となったところで、ここで大河原がスタートしこれも櫻町との間のダブルスチールが成功しさらに1点!さきほどの西村・櫻町コンビとあわせて合計228歳ディレードスチールで2点というオヤジパワーが炸裂し6-7とついに1点差に詰め寄る。
櫻町監督は好調村上の話を聞き、長嶋茂雄の「野球は人生そのものだ」を熟読、その感動を今日85歳の誕生日を迎えた長嶋茂雄大先輩に捧げるバッティングで大爆発だ。
しかしビッグアプセットの反撃もここまで。時間の関係で最終回と指定された6回表も牧のツーベースで一打同点の場面となるが、西村のジャストミートがセンターライナーとなりゲームセット、1点差の惜敗となった。
この日は試合後、「みんな青空のせいだよ」と村上がアルベール・カミュを引用してまとめた自然条件がすべて、外野フライを捕ったのは4回の山下のみ、内野では牧のショート後方のフライ好捕、芝田も再三のハーフバウンドを処理するなど好プレーもでたが、転々とするボールを外野手がひたすら追いかける試合展開で乱打戦となり、最終的に1点及ばない試合となった。
また今年スナップスローで送球開眼した大河原が今度はバッティングに開眼。ドアスイングを矯正しトップから鋭く振り下ろすスイングに変身しこの日は鋭い内野ゴロを連発、今後の打撃爆発の予感を感じさせた。
試合は惜敗、青空はどこまでも青く、この日は最高気温15度の春の日和り、緊急事態宣言で打ち上げもままならないビッグアプセットナインだが、江戸川土手で日向ぼっこをしてから帝釈天参道をそぞろ歩き、店内飲食を避け寅さんの実家である「とらや」でテイクアウトしたお団子を頬張りながら、帝釈天さままた帰ってくるぜと誓いつつ柴又を後にするビッグアプセットナインであった。
~監督談話~
初対戦の東京Jスコーピオンズにオヤジ中心のメンバーで互角の戦いだったが惜敗。強烈な逆光とバックホーム裏周辺の土手の保護色などが重なり打球が見えにくいコンディションの中、内外野守備陣もよく頑張った。
打撃陣の中では石井大和くんのライト柵越え江戸川着弾の大ホームランは完璧でした!山下も石井さんの2盗後の鮮やかな先制センター前タイムリーヒットを放ち相変わらず好調。櫻町も全体重を乗せた2本の左中間超えの2本のタイムリーヒットに2盗塁。大河原、西村にも盗塁が出てオヤジパワーも健在。この調子で来週も快勝しましょう!
来週は2月27日(土)14時から夢の島公園野球場4面でレッドスター09と初対戦です。
みなさんの出席表明、よろしくお願いします!
では来週!
みんな、よろしく!