Q3)

Mカリでヤフオク出品の物と同型のミドルサイズのバックロードホーンがスピーカー付きで格安で出品されていたので買ってみたところ、低音も出ず、一番の不満は土管臭さが気になる事です。

安いとは言っても2万円超えの買い物でしたので捨てる訳にもいきません。

何か救済策は無いでしょうか?

A)

バックロードホーンの場合、内部構造が不明なのと内部構造を変える事が不可能なのが最大の欠点です。

低音が出ないのは音道の長さが短い事と、スピーカーユニットの諸元に対する空気室容量やスロート断面積が適切でない事が主な原因です。

土管臭さも上記の要因に加えて、音道の取り廻しや構成が悪く、特定周波数の共振や音道内で定在波が発生しているためです。

仮に空気室容量やスロート断面積がバッフル穴から計測できれば、それに合いそうな諸元のスピーカーユニットを探す事も出来ますが、新たにスピーカーユニットを購入する事になり現在装着されている物は不要になってしまいます。

また、仮に適合のユニットが見つかったとしても、十分な低音が出るとは限りません。

現在のエンクロージャーに音道を追加延長する事は、ほぼ不可能に近い話です。

現在のユニットで低音が出ないのを我慢するなら、バックロードホーンの開口部を塞いで密閉型で使うのが良いでしょう。

開口部を塞いでしまえば音道内で起こる共振等の不具合は抑制され土管臭さはだいぶ薄れるはずです。

尚、塞いだ状態で大きめの音を出した時、中低音が籠った様な歪音が出た場合はスロート断面積が小さ過ぎて、空気室内がエアースプリング状態でスピーカーユニットのコーン紙の動きを抑制しています。

対策は空気室の内側の壁に大きめの穴を開けてエアースプリング状態を解消すれば何とか聞ける音になるはずです。


とにかくバックロードホーンは構造も複雑で内部構造を変更する事も不可能に近い為、なかなか救済手段もありません。

またスピーカーユニットの諸元に合っていないエンクロージャーでは、「癖のある音」も含めて真面に鳴らない事がとにかく多いスピーカー形式です。

更には諸元に忠実に設計したとしても、不満の残る音しか出ない事も少なくありません。

製作したデーターを公表は当然の事、作成者が試作・試聴し、正しく評価している物を選ぶ必要性を強く感じます。

また、同型の他の方の評価や出品者の聴かれていた時の印象なども十分参考になると思います。