世界初発見!アミメフエダイとニセクロホシフエダイの産卵集群

Nanami A (2023) Spawning aggregations of checkered snapper (Lutjanus decussatus) and blackspot snapper (L. fulviflamma): seasonality, lunar-phase periodicity and spatial distribution withins spawning ground. PeerJ 11:e15991

 サンゴ礁の魚の中には、普段は群れをつくらないのに、産卵のときだけ群れをつくる種類がいます。このような、産卵のためだけにできる群れを「産卵集群」といいます。

 一方で「どの種類が産卵集群をつくるのか」、まだまだ未解明なことも事実です。私は、これまで未発見であったアミメフダイとニセクロホシフエダイの産卵集群を世界で初めて発見しました。

アミメフダイの産卵集群

ニセクロホシフエダイの産卵集群

「ふだん群れをつくらない種類が群れをつくっていた」がわかっただけでは、その群れが「産卵集群」とはいえません。そこで、この2種の群れが産卵集群であることを証明するために、以下の4つを明らかにしました

①群れは、いつも同じ海域にできる。

②群れができる日は月の満ち欠けと関係しており、決まったパターンを示す。

③群れの中の魚の密度は、ふだんの住み場所の4倍以上。

④群れの中のメスは、産卵間近の卵巣を抱えている。

 これらのことから、「2種の群れは、産卵集群である」ことを証明できました。