ナミハタの産卵行動を世界で初めて記録!

Nanami A, Sato T, Ohta I, Akita Y & Suzuki N (2013)

Preliminary observartions of spawning behavior of white-streaked grouper

(Epinephelus ongus) in an Okinawan coral reefs.

Ichthyological Research 60: 380-385

ナミハタ Epinephelus ongus は、サンゴ礁に住むハタの仲間です(本土で食用になっているクエの仲間といったら、おわかりいただけるでしょうか?ハタの仲間は、沖縄ではミーバイとよばれています)。

さて、ナミハタの生態の大きな特徴の一つは「産卵集群」をつくることです。「産卵集群」とは、卵を産むためだけに、遠路はるばる特定の産卵場にやってきて、集団をつくる現象です。

これまで、ナミハタの産卵の様子は全くわかっていませんでした。そこで、本研究では、ナミハタの産卵場で、水中ビデオカメラを使って、ナミハタの産卵を捉えようと試みたのです。その結果、ナミハタの産卵行動を記録することに世界で初めて成功しました!

ナミハタの産卵集群 ペアが産卵する直前の様子

わかったことをまとめると

①ナミハタの産卵は、特定の日の、特定の時間帯にしか行なわれない。

②産卵時刻は、潮汐が干潮時から満潮時に変わる「潮どまり」に行なわれる。

③集団の中から、ペアが形成され産卵する。

④スニーキングと思われる行動も観察できた。

この研究は新聞で報道されました。

八重山毎日新聞の記事