ヒメフエダイの子供たちは闇夜にまぎれてやってくる!
Nanami A. & Yamada H. (2009a)
Seasonality, lunar periodicity of settlement and microhabitat association of
juvenile humpback red snapper Lutjanus gibbus (Lutjanidae) in an Okinawan
coral reef.
Marine Biology 156:407-414
ヒメフエダイ Lutjanus gibbus は、沖縄では高級魚であり、その資源管理が求められています。資源管理のためには、獲り過ぎを制限するだけでなく、卵から産まれた子供達が健全に育つ環境が必要です。
この研究では、ヒメフエダイの子供達の生態について、詳しく調べました。
ヒメフエダイの子供たち。上品なブルーが美しい。
わかったことをまとめます。
①ヒメフエダイの子供たちは、5月から10月の新月(月が完全に欠けた真っ暗な夜)に、アマモ場の中にあるサンゴに住みきます。
②凹凸のあるサンゴに好んで住みつきます。
これまで、ヒメフエダイの幼魚は「アマモ場」に多いことはわかっていましたが、その中のサンゴに住みつくことが、この研究で明らかになりました。ヒメフエダイの子供たちにとっては、アマモがあるだけでは十分でなく、サンゴも必要ということになります。ヒメフエダイの子供達は、すみ場所に「こだわり」があるのかも知れませんね。