日時 2014年10月17日(金)午後 14:30から18:00
(14:00より会場受付開始)
場所 産総研:臨海副都心センター会議室
別館(バイオ・IT融合研究棟)11階 11205会議室
講演会参加費: 新産業酵母研究会会員は無料
*非会員 一般2000円、学生1000円 (当日会員登録された方は無料)
プログラム
14:30~15:30
「酵母による植物由来抗菌蛋白質AFP1の生産とその作用メカニズム」
高久洋暁、小黒芳史、山崎晴丈、高木正道(新潟薬科大)
環境にやさしく安全性が高い天然の抗菌性蛋白質は、抗菌剤として大きな潜在的需要を有する。抗菌性蛋白質として多数の生物種に存在するディフェンシンは、共通の特徴を保持しつつ構造的な多様性を持つ。我々は、様々な植物病原菌、ヒト病原菌に対して抗菌活性を示すアブラナ科由来の抗菌蛋白質ディフェンシンAFP1に注目し、遺伝子の構造解析、アミノ酸配列の改変による抗菌活性の機能増強、および抗菌活性に関わる遺伝子の解析等、AFP1に関する基盤的な新知見の蓄積を獲得し、AFP1の新規抗菌成分としての可能性を探索してきた。
本講演では、①酵母Pichia pastorisを利用した抗菌蛋白質ディフェンシンAFP1の高効率生産システム、②稲いもち病菌Magnapothe oryzae及び日和見感染菌Candida albicansにおける抗菌蛋白質ディフェンシンAFP1の作用メカニズム解析について概説する。
15:30~16:30
「異種タンパク質生産をC1酵母を使って考える」
阪井康能(京都大学 農学研究科 応用生命科学専攻)
異種タンパク質生産は、大腸菌・酵母~培養細胞などの各種発現系を試し、用途に十分な品質と生産コストに見合う発現系を選択するというのが一般的なアプローチであろう。しかし、どのような宿主を用いても高発現容易なタンパク質と困難なタンパク質がある。その原因の一つに、発現系という一元化された「システム」に従うあまり、目的タンパク質の局在や安定性などの特徴についての「多様性」が忘れられていることが多い。タンパク質生産においては、転写・翻訳〜輸送、フォールディング、安定性、分解にいたる遺伝子発現全体のプロセスを考慮にいれた戦略とデザインが必要である。本講演では、目的タンパク質に合わせて、そのフォールディングと生産場所の最適化や分解の回避について、実際の発現例を示しながら考えたい。また細胞内あるいは小胞体内のレドックス状態の変化をリアルタイムで可視化する蛍光プローブを用いたタンパク質生産へのアプローチについても紹介する。
MINCYサロン
16:45~17:15
「国際菌学会(2014年 タイ)報告」
高島昌子(理化学研究所バイオリソースセンター)
第10回国際菌学会(The 10th International Mycological Congress, IMC10)が2014年8月4-8日の日程でタイ・バンコクのQueen Sirikit National Convention Center で開催された。本学会は菌類全般の学会のため、酵母に関する演題はむしろ少なかった感がある。本報告ではシンポジウムおよび会期中の3日間に亘って開催された命名規約セッションに関連して、酵母の命名の動向について報告する。
尚、学名リスト関連情報については、ページ<http://www.fungaltaxonomy.org/lists>をご参考になさってください。
現時点での最新版7月24日版はこちらから入手可能です。<http://www.fungaltaxonomy.org/files/5714/0620/8891/GeneraOfFungiSummary.pdf>
17:15~18:00
「酵母・酵母エキスの応用利用について ~培地用途・食品用途を中心に~」
木田隆生(MCフーズスペシャリティーズ(株)
酵母はパン、お酒、醤油など、我々の身近な発酵・醸造食品に欠かせない微生物である。酵母は、たん白質(アミノ酸含む)や核酸等の呈味に関係する成分をはじめ、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分を豊富に含んでいることから、酵母エキスとして食品用途や培地用途に活用されている。実用化されている主な酵母は、ビール酵母(Saccharomyces pastorianus、 Saccharomyces cerevisiae)やパン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の他、トルラ酵母(Candida utilis)などがある。食品用途は、主に調味料として特定の呈味成分、特徴的な風味・フレーバーなどが求められが、酵母の選択と培養条件、酵素分解や加熱反応などの加工技術を駆使した酵母エキスが開発されている。一方で、培地用途は、窒素含量が一つの指標として求められるが、微生物の生育に関与する因子が特定されていないケースも少なくない。本公演では、酵母エキスの食品及び培地として応用利用の実際について解説する。
会場 :産総研・臨海副都心センター
別館(バイオ・IT融合研究棟)11階 11205会議室
〒135‐0064 東京都江東区青海2-4-7 電話:03-3599-8001
アクセス:ゆりかもめ「テレコムセンター」下車
講演会参加費: 新産業酵母研究会会員は無料
*非会員 一般2000円、学生1000円 (当日会員登録された方は無料)
講演会終了後、同会場において意見交換会(懇親会)を開催いたします(参加費:2000円)
連絡先:(独)農業環境技術研究所 北本宏子・渡部貴志
mincy-ml@ml.affrc.go.jp
電話 029-838-8355
メールにて、講演会および懇親会の参加申し込みしてください。
会場への入構登録のため〆切り2014年10月6日(月)厳守 です。