第24回新産業酵母研究会 講演会

日時:2023年12月1日(金)(14:00から)

会場:産総研:臨海副都心センター

別館(バイオ・IT融合研究棟)11階 11205会議室

〒135-0064 東京都江東区青海2-4-7 

電話:03-3599-8001



プログラム

14:00~15:00

二形性酵母Yarrowia lipolyticaにおけるn-アルカンの代謝とその制御

福田 良一(東京大学大学院農学生命科学研究科、東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構)


Yarrowia lipolyticaはn-アルカンや油脂などの疎水性化合物の強力な資化能と、脂質を高度に生産し細胞内に貯蔵する能力を有する二形性酵母である。さらにY. lipolyticaは旺盛な生育、グリセロールの高い資化能、様々なストレスに対する耐性、タンパク質の高い分泌能、ヒトに対する安全性など産業微生物として優れた特性を有している。Y. lipolyticaをn-アルカンや油脂からの物質生産に高度利用するためには、それらの代謝経路を理解する必要がある。本講演では、Y. lipolyticaにおけるn-アルカンおよび脂肪酸の代謝とその制御について紹介する。さらに最近の研究により明らかになってきたn-アルカンの代謝と膜脂質および細胞形態制御との関係について議論したい。


Metabolism of n-alkane and its regulation in the dimorphic yeast Yarrowia lipolytica

Ryouichi Fukuda

Department of Biotechnology, The University of Tokyo

Collaborative Research Institute for Innovative Microbiology, The University of Tokyo



MINCYサロン

15:00~15:30

糸状菌の生活環における脂質組成変動と細胞形態形成における重要性

岩間 亮 (東京大学大学院農学生命科学研究科、東京大学微生物科学イノベーション連携研究機構)


真菌類の一種である糸状菌は、球状の分生子(無性胞子)の等方的な生長、極性確立と発芽、菌糸生長による糸状細胞の形成、空気中への菌糸伸長および分生子の産生といったライフサイクルを示す。これら細胞形態の変化は糸状菌の有用・有害性質の両面に密接に関わる。脂質は極めて多様な分子種が存在し、生体膜の構成成分やエネルギー源になるなど、細胞にとって重要な構成要素であるが、糸状菌の形態変化において、これら脂質動態は体系的に理解されていなかった。本講演では、糸状菌の生活環におけるダイナミックな脂質組成の変動を紹介するとともに、脂質組成を人為的に操作したときに生じる糸状菌細胞の形態変化現象についても紹介する。


Lipid dynamics in the life cycle of filamentous fungi and its importance in cellular morphogenesis

Ryo Iwama

Department of Biotechnology, The University of Tokyo

Collaborative Research Institute for Innovative Microbiology, The University of Tokyo


休憩 (15:30~15:40)


15:40~16:30

担子菌酵母の酵素による生分解性プラスチック製品の分解コントロール

北本 宏子、山下 結香、植田 浩一(農研機構 農業環境研究部門)


生分解性プラスチック製品は、使用上の耐久性と使用者が望むタイミングで分解する機能が両立すると、利便性が高くなる。野菜の生産に用いる農業用マルチフィルムに着目し、植物の表面に常在するPseudozyma属酵母が分泌する酵素を用いて、畑でマルチの分解を加速させる方法を紹介する。


Accelerated degradation of used biodegradable plastics by yeast enzyme treatment.

Hiroko Kitamoto, Yuka Yamashita, Hirokazu Ueda

Institute for Agro-Environmental Sciences, National Agriculture and Food Research Organization (NARO)


16:30~17:00

味噌醤油酵母の接合性発現

尾形 智夫(前橋工科大学 生命工学領域)


味噌・醤油は、大豆や米麹等を原料とした、我が国独自の伝統的発酵食品である。その発酵では、耐塩性酵母であるZygosaccharomyces sp.が、主な発酵微生物として寄与している。我が国の伝統的発酵食品に利用されている酵母でありながら、我が国の研究者の、この酵母への研究は必ずしも活発とは思えず、残念な気がする。我々は、優良味噌醤油酵母の接合育種をめざし、接合性発現の研究をおこなっている。


Mating expression of miso and soy sauce yeast

Tomoo Ogata

Maebashi institute of technology


17:00〜17:05 事務局からの連絡

17:05〜17:10 閉会の挨拶 (太田会長)



講演会参加費:2,000円、学生1,000円(会員は参加費無料)

会員登録料(年会費):正会員 2,000 円、学生会員 1,000 円


申し込み:メールにて、下記の情報をお知らせください。

①参加者氏名、②所属、③電話番号、④メールアドレス、⑤会員登録申請の有無

連絡先:農研機構 北本宏子・産総研 森田友岳 

(E-mail:mincy-ml@ml.affrc.go.jp、電話:029-838-8355)

参加申し込み締め切り:2023年11月24日(金) 正午厳守

振り込み締め切り:2023年11月24日(金) 正午厳守

振り込み先:参加申し込みメールへの返信にてお伝えします。

(今回は、当日参加も可能です。受付にて、参加登録の手続をお願いします。)