第25回新産業酵母研究会 講演会

日時:20245月17日(金)(14:00から)

会場:産総研:臨海副都心センター

別館(バイオ・IT融合研究棟)11階 11205会議室

〒135-0064 東京都江東区青海2-4-7 

電話:03-3599-8001


プログラム

14:00~15:00

「酵母の二形性研究から多様性研究へ」

青木敬太(東京農業大学)

酵母の中には自然環境や周辺の栄養条件の変化に応じて菌糸型に遷移する種がある。菌糸型の生長は、二次代謝産物の生成や、交配、植物やヒトへの病原性等に関わることから、基礎研究から応用研究に至る重要な課題である。さらに、二形性の研究は、酵母型―菌糸型―子実体という菌類の組織形成・分化の研究にとどまらず、菌類の分類体系の中での酵母の位置を解明するうえでも重要である。本発表では、深在性トリコスポロン症の起因菌であるTrichosporon asahiiの例を中心に、担子菌酵母の菌糸生長についての研究を紹介する。


15:00~16:00

「糸状菌Talaromyces cellulolyticusによる植物バイオマス糖化技術の研究」

藤井達也(産総研)

カーボンニュートラルという特性を持つ植物バイオマスを有効利用するためには、植物バイオマスに含まれるセルロース等の多糖を、資化が容易なグルコース等の単糖へ効率よく糖化する必要がある。糸状菌Talaromyces cellulolyticusは、代表的な糖化酵素生産菌よりも高効率にバイオマスを糖化可能であるが、本菌の遺伝子組換え技術が未完成であったため、より高度な改変に必要な分子レベルでの解析を実施することが課題となっていた。そこで本研究では、本菌の遺伝子組換え基盤技術を構築し、糖化酵素の遺伝子発現メカニズムや高次構造の解析を行うことで、本菌の産業利用の拡大に成功した。本講演ではその概要を紹介する。


休憩 (16:00~16:10)


MINCYサロン

16:10~16:40

「古くて新しい酵母由来タンパク質の産業利用」

上野貴生(アサヒグループ食品株式会社)

酵母の栄養補給剤としての利用は、戦前から行われている。我々は1930年にビール酵母のサプリメント事業の製造販売をスタートし、1960年代の酵母エキス製造販売開始を経て、現在、ビール酵母とパン酵母を用いた酵母事業を展開している。その中で、酵母エキス抽出後のタンパク質リッチな画分に関して、新たにタンパク質素材としての利用を目指して模索を続けている。酵母の可能性を広げるべく、取り組みの一端を紹介させて頂きます。



16:40~17:10

「酵母国際シンポジウムISSY37の参加報告」

高島昌子(東京農業大学)

第37回酵母国際シンポジウム(37th International Specialized Symposium on Yeasts)が、2023年11月27日から12月1日の日程で、オーストラリア・アデレードのNational Wine Centreにおいて開催された。シンポジウムテーマはYeast Biotech 2.0: New Yeast, Knowledge and Applicationsであった。全体の研究動向に加え、我々の研究成果も含めて報告する。


17:10~17:25 総会

17:30~             情報交換会


講演会参加費:2,000円、学生1,000円(会員は参加費無料)

会員登録料(年会費):正会員 2,000 円、学生会員 1,000 円

同会場にて情報交換会を開催いたします(参加費3,000円、(学生は1,000円))


申し込み:メールにて、下記の情報をお知らせください。

①参加者氏名、②所属、③電話番号、④メールアドレス、⑤会員登録申請の有無

連絡先:農研機構 北本宏子・産総研 森田友岳 

(E-mail:mincy-ml@ml.affrc.go.jp、電話:029-838-8355)

参加申し込み締め切り:2024年5月10日(金) 正午厳守

振り込み締め切り:2024年5月10日(金) 正午厳守

振り込み先:参加申し込みメールへの返信にてお伝えします。