第2回気象学史研究会「北海道初期の気象観測」を開催しました(2017/11/1)
「第2回気象学史研究会」を2017年度日本気象学会秋季大会にあわせ、11月1日(水)北海道大学学術交流会館にて開催し、約40名の参加をいただきました。今回は「北海道初期の気象観測」をテーマに、中部大学教授の財部香枝氏に「明治初期北海道における気象観測:御雇米国人の活動を中心に」、成蹊大学准教授の財城真寿美氏に「19世紀の在箱館ロシア領事館における気象観測記録」(三上岳彦首都大学東京名誉教授と共著)と題して講演いただきました。
両氏の綿密な調査に基づいた講演に続き、幅広い観点から活発に議論が行われました。開港場であった箱館に入ったロシア人による観測は気象官署での観測が行われる以前の北海道において、現在確認されている最も長期にわたる気象観測記録であり、御雇米国人の主導で行われた開拓使の観測は、日本の近代的な組織的気象観測の端緒といえるもので、今回の研究会がこれら観測の気象学的位置づけに関して考察を深める一助となったのであれば幸いです。
最後に、ご講演いただいた財部氏・財城氏、また開催にあたりご支援ご協力をいただいた日本気象学会講演企画委員会および2017年度秋季大会実行委員会およびご後援をいただいた日本科学史学会北海道支部のみなさまにこの場を借りてあらためて御礼申し上げます。(2017/12/14)
第2回気象学史研究会(2017年11月1日(水)北海道大学学術交流会館第1会議室)の様子。(a)講演する財部香枝氏。(b)講演後質問に答える財城真寿美氏。(c)講演後の質疑応答。
・日本気象学会機関紙「天気」に関連記事を掲載(2018/8/31)
研究会報告記事が「天気」2月号に掲載されました。無料でどなたでもお読みいただけます。
気象学史研究連絡会:第2回気象学史研究会「北海道初期の気象観測」を開催