第3回気象学史研究会「日本での初期の数値天気予報」を開催しました(2018/5/16)

第3回気象学史研究会「日本での初期の数値天気予報」を開催しました(2018/5/16)

「第3回気象学史研究会」を2018年度春季大会にあわせ、5月16日(水)つくば国際会議場にて開催し、約40名の参加をいただきました。

今回は「日本での初期の数値天気予報」をテーマに、第二次世界大戦直後のアメリカ合衆国で研究開発が進展し、1959年に気象庁現業にとりいれられた数値天気予報(以下「数値予報」)に関し、日本でどのような研究開発が進められてきたかが議論されました。新田尚氏の書面発表「日本での初期の数値予報」に引き続き、二宮洸三氏に「日本における初期の数値予報の発展とその問題点」、国立科学博物館の有賀暢迪氏に「電子計算機以前 -- 日本における数値予報研究の始まり」と題して講演いただきました。コンビーナと司会は増田耕一(首都大学東京)研究連絡会世話人が務めました。講演後には大気力学の発展史としての数値予報の位置づけや、統計予報など他の予報技術の研究動向、データや資料の保存・保全などについて活発な意見交換が行われました。今日、気象学の発展のみならず、政治・社会的にもますます大きな影響力を持ち始めた気象の数値シミュレーションの今後の発展を考える上で、本研究会がすこしでも参考になったのであれば幸いです。

最後に、研究会に向けて貴重な資料をご用意いただいた新田氏、ご講演いただいた二宮氏・有賀氏、また開催にあたりご支援ご協力をいただいた講演企画委員会および2018年度春季大会実行委員会のみなさまにこの場を借りてあらためて御礼申し上げます。(2018/8/31)

第3回気象学史研究会(2018年5月16日(水)つくば国際会議場中会議室201)の様子。(a) 講演後質問に答える二宮洸三氏。(b) 講演する有賀暢迪氏。(c) コンビーナ・司会と新田氏報告の代読を務めた増田耕一気象学史研究連絡会世話人。(d) 講演後の質疑応答も熱心に行われた。

・日本気象学会機関紙「天気」に関連記事を掲載(2018/2/5)

二宮氏の講演内容が「天気」2018年10月号に、研究会報告記事が「天気」11月号に掲載されました。無料でどなたでもお読みいただけます。

二宮洸三:日本における初期の数値予報の発展とその問題点

https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2018/2018_10_0045.pdf

気象学史研究連絡会: 第3回気象学史研究会「日本での初期の数値天気予報」を開催

https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2018/2018_11_0037.pdf