空間XからYへの連続写像の集合に,位相を入れて位相空間と考えるとき,よく考えられるのはcompact open topologyと呼ばれるものである.写像の合成による対応や,Xの元を代入してYの元を対応させる写像が連続になるような位相が望ましい.
ただし,一般の位相空間で考える際には,compact open topologyを使っても局所コンパクトやHausdorffを仮定しなければ,上記のような自然な写像が連続にはならない.本来ならばコンパクト生成空間の圏で議論されるべきである.いわゆるカルテシアン閉圏の条件であるが,それらは【西田85】などを見るとよい.コンパクト生成空間,あるいはK-空間とも呼ばれる由来になるのはKellyの【Kel75】であり,それ以前のものでも【Ste67】がconvinient spaceという名前で考えている.ここではHausdorffを仮定として考えているが,今ではweak Hausdorffで考えるのが普通である【Str?】.
これらで重要なのは,一般の位相空間からK-空間,そしてK-空間からコンパクト生成弱ハウスドルフ空間への自然な対応(包含関手の随伴)があり,モデル構造としては,これらがQuillen equivalenceになることである【Hov98】.
2008年の唐津で行われた研究集会で島川氏による講演では,位相空間の圏をK-空間やコンパクト生成弱ハウスドルフ空間に制限してカルテシアン閉圏を考えるのではなく,位相空間のmorphismを連続写像から少し拡張したnumerical continuous mapに取り替えることにより,制限をせずともカルテシアン閉圏になるらしい【SYH10】.このアイデアは多様体の一般化としてsmooth mapの族によって特徴づけられるdiffeologyの概念につながる.
また,Map(X,Y)、Map*(X,Y)のホモトピー類の集合をそれぞれ,[X,Y]と[X,Y]*と書くことにすると,[Sn,X]*がホモトピー群なので,こうした一般の議論がホモトピー群を読み解く上でも重要であることがわかる.
Fiberwise spaceではfiberwise compact open topologyが考えられている.Hom setをfberwise spaceと考えるために【CJ98】でcompact open topologyから派生させたようである.
写像空間