コホモロジーとは,至極簡単に述べると,ホモロジーの双対の概念である.鎖複体が次数-1の自己準同型を微分作用素とするのに対し,余鎖複体というのは次数+1の自己準同型を用いる.だが本質的にはあまり関係ないので,余鎖複体のホモロジーも同様に考えられる.鎖複体の双対が余鎖複体となり,そのホモロジーをもともとの鎖複体のコホモロジーとよんでいる.
コホモロジー群はEilenberg-MacLane空間を用いたホモトピー集合としての表現(Brown表現定理)が可能である.また,位相空間のコホモロジーは,(次数付き)積構造を持つので,様々な場面で利用される.このような理由もあって,ホモロジーよりもコホモロジーを主体に議論している文献も少なくない(【河玉02】,【加藤03】).
コホモロジー群と普遍係数定理
位相空間のコホモロジー代数