代数学で学ぶ「群」とは,2項演算が定義をされ,結合律と単位元・逆元の存在が保証されている集合である.これらの条件は,写像で表現できる.群に位相が入り,構造写像が連続としたときに位相群が定義できる.また,結合律・単位元・逆元の可換図式をホモトピー可換にまで弱めることで,H-空間という概念に至る.代表的なH-空間としてはループ空間があり,これがホモトピー群の群構造に大きく関わっている.H-空間における結合律はホモトピー可換であるが、それを高次の結合律に拡張したのがAn-空間と呼ばれているものである.
ループ空間の構成を少し変えて、Moore-ループ空間というものを考えられる.これは長さにあたる正の実数と,そこから空間への写像の組で,普通のループが長さ1なのに対し,Moore-ループは合成でも長さを足して繋げるというアイデアである.これにより,Moore-ループ空間はH-空間ではなく,位相モノイドとなる.
圏論の視点からは,群は対象が1点のgroupoidと考えることもできる.故に群の分類空間も考えられ,ホモロジーやコホモロジーも考えられる.有限群のコホモロジー群については【AM04】がよい。
詳細は【AG02】や,日本語では【西田85】やサイト「ファイバー束とホモトピー」を見るとよい.
位相群
H-空間