対空間のホモロジーと平行してこちら有用な概念である.特異ホモロジーとの違いは0次元のみであるが,被約ホモロジー群で記述する方が利便性が良いことが多い.特に被約ホモロジー群の長い完全列を構成する際に登場する「コファイブレーション」という連続写像のクラスは,位相空間のホモトピー論の中でも非常に重要な概念である.(閉)コファイブレーションはレトラクトの言葉で言い換えることができるので,こちらも抑えておいた方が幅広く活用できる.また,ホモトピー群でのファイブレーションの役割とセットで学びたい.
また,懸垂同型とよばれる次数を1上げる同型 H(X)≅H(ΣX) も重要な対応である。このおかげで球面の被約ホモロジー群などは簡単に求めることができる.そしてこれは,ホモトピー群で言うところのループ準同型の双対と考えてよい。球面の被約ホモロジー群を用いて,球面上の連続写像の写像度という不変量が考えられる.円周上の連続写像でいうならば,何回転したかという概念を高次に拡張したものである.詳しくは【中岡99】を見るとよい。 また、コファイブレーションあるいはファイブレーションはホモトピー論ではよく扱う概念なので、 【西田85】 あるいは【May99】でその性質をしっかり確認しておくべきである。コファイブレーションとNDR対の関係についても、【西田85】 に詳しく書いてある。
コファイブレーション
被約ホモロジー