MeCab および MeCab-Ruby をインストールする 詳細版

このページの記述は、次のページを参考にしました。

RとLinuxと...

http://cms.ias.tokushima-u.ac.jp/index.php?RMeCab

ちなみに、ここでは、OS 標準の Ruby からや、 RubyCocoa で作成したプログラムからも使えることを前提にインストールしますが、 もし、直接 Ruby を使って MeCab を使いたいなら、MacPorts を使ってパッケージをインストールする方が楽です。 その方法は、こちらから。 この方法で MeCab-Ruby をインストールしても、Ruby から MeCab が使えるようになります。

始める前に、Xcode を Leopard のインストール DVD からインストールします。(もしくは、Apple Developper Connection に登録して、最新版をダウンロードします)。すでにインストールしてある場合は飛ばしてください。Lion をお使いの場合は、App Store から Xcode をダウンロードしてインストールしてください(無料ですが、ダウンロードしただけではインストールされません。ダウンロードしたインストーラを使ってインストールしてください)。

Xcode 4.3 以上のバージョンをダウンロードした場合は、Xcode の Preferences -> Downloads -> Components で Command Line Tools をインストールしてください。

Leopard の場合は、まず、Leopard インストール DVD(もしくは本体付属のインストールディスク)を Mac に入れて、ウィンドウに Optional Installs フォルダがあるので、そのまた中にある Xcode Tools フォルダに入っている XcodeTools.mpkg をダブルクリックしてインストールしてください。

New: 64-bit Mac 向けに Mecab と Mecab-Ruby のインストーラーを作ってみました。バージョンは 0.994 です。Snow Leopard (Mac OS X 10.6) 以降で使えます。

システム必要条件:Snow Leopard (OS X 10.6) もしくは Lion (OS X 10.7) がインストールされた 64-bit Mac (Core 2 Duo 以降)

システム必要条件:Mountain Lion (OS X 10.8) がインストールされた Mac

システム必要条件:Yosemite (OS X 10.10) がインストールされた Mac

文字コードは UTF-8 で IPA 辞書がインストールされます。

このインストーラーを使えば、以下の作業は必要なくなりますが、自分でいろいろ設定したい方は、どうぞ。

Mecab と Mecab-Ruby の両方をインストールすると、CasualMecab を使って GUI で簡単な形態素分析(MeCab の基本出力)ができます。複数のファイルを扱う簡単なバッチ処理もできます。もし使っていただけたなら、ご意見ご感想をいただけるとうれしいです。

MeCab 関連のファイルをダウンロードする

http://code.google.com/p/mecab/downloads/list

に行って、次のファイルをダウンロードします。次のファイル名をクリックすると、それぞれのダウンロードページが開きます。

mecab-0.996.tar.gz

mecab-ipadic-2.7.0-20070801.tar.gz

mecab-ruby-0.996.tar.gz

それぞれ、ページのファイル名をクリックするとダウンロードが始まります。

もし、Safari でダウンロード後、"安全な"ファイルを開くにチェックが入っていると勝手に展開して .tar ファイルにしてしまうので、この後の作業がちょっと違ってきます(.tar ファイルをダブルクリックして解凍し、その部分のステップを飛ばします)。

ダウンロードしたら、適当なフォルダを作って、この3つを入れておくと管理するのが楽だと思います。(ここの例では、ダウンロードフォルダに mecab というフォルダを作りそこで作業をしています。)ちなみに、OS が入っているものと別のパーティションや、外付けディスクなどにフォルダを作って作業をすると、インストール時にエラーが出ますので、自分のホームフォルダのどこかで(ダウンロードフォルダ、書類フォルダ、デスクトップなど)作業するのをお勧めします。

MeCab をインストール

ここでは、文字コードを UTF-8 に設定してあります。(Mac OS X のテキストファイルの標準文字コードだから、というのもあります。)

まず、ターミナル.app を起動します(ターミナルは、アプリケーション -> ユーティリティフォルダにあります)

ターミナルを起動すると次のような表示が出ます。

My-Mac は自分の Mac の名前(システム環境設定のコンピュータ名で設定)になっていて yasu のところは、自分のホームフォルダ(アカウント名)になっているはずです。ここで cd と入力して(cd の後に半角スペースを入れる)、上で作った mecab-0.98.tar.gz の入っているフォルダをドラッグアンドドロップしてください($ は表示されているので、入力しない)。

$ cd (directory)

入力したら、リターンキーを押してください。これで、そのフォルダに移動できます。移動できていれば、フォルダ名が (user name)$ の前に表示されているはずです。

例えば、コンピュータの名前が My Mac で、ユーザ名が yasu、それで、ダウンロードフォルダに mecab というフォルダを作ったとすると、

My-Mac:~ yasu$

と表示されているので、cd と半角スペースを入力して、mecab フォルダをドラッグアンドドロップすると、

My-Mac:~ yasu$ cd /Users/yasu/Downloads/mecab

となるので、Return を押して実行すると mecab フォルダに移動します。

My-Mac:mecab yasu$

実際には次のように表示されているはずです。(大文字小文字は多少違うかも)。

そしたら、次のコマンドを、一行ずつ入力して実行していきます。ダウンロードしたファイルのバージョンが新しくなっている場合は、それにあわせてファイル名を変更してください。同じバージョンなら、このページのコマンドを一行ずつコピー&ペーストして入力していけばいいはずです($ は入力しない)。

まず、ダウンロードした mecab-0.996.tar.gz を解凍します。

$ tar zxvf mecab-0.996.tar.gz

この先、スクリーンショットは、バージョン 0.97 になっていますが、実際は、ダウンロードしたバージョン(最新バージョンは 0.996) になるはずです。

Safari で勝手に .tar に展開されてしまった場合は、Finder で mecab-0.996.tar ファイルをダブルクリックして開いてください(ターミナルからの開き方がよくわからないので)。

こんな感じで展開されるはずです。

次に展開した mecab-0.996 フォルダに移動します。

$ cd mecab-0.996

移動したら、次のコマンドを入力して、リターンキーを押します。最後のところでパスワードを要求されます。

$ ./configure --with-charset=utf-8;make;sudo make install

実際の画面では次のようになっているはずです。

これで、MeCab のインストールは完了しました。次に辞書をインストールします。

MeCab の辞書 (mecab-ipadic) をインストール

まず、最初に作った mecab フォルダに戻ります。

$ cd ..

この cd .. は、今いるフォルダの階層から、一つ上の階層に移動するコマンドです。上の処理で、最初のフォルダから、その中にある、 mecab-0.98 というフォルダに入ったので、一つ上に戻ると最初の mecab フォルダに戻ります。わからなければ、最初と同じように mecab フォルダをドラッグアンドドロップして移動し てください。

移動したら、次のコマンドを一行ずつコピーアンドペーストして実行していきます(手入力でもいいです)。ファイル名が違う場合は、それにあわせて変更してください。

$ tar zxf mecab-ipadic-2.7.0-20070801.tar.gz

$ cd mecab-ipadic-2.7.0-20070801

$ ./configure --with-charset=utf-8;make;sudo make install

うまくいけば、次のような表示になっているはずです。

最後に、MeCab-Ruby をインストールして、Ruby から MeCab が使えるようにします。

CasualMecab を使う場合は、ここまでで動作します。さらに Ruby から Mecab を利用したい場合は、MeCab-Ruby をインストールしてください。

MeCab-Ruby をインストール

また、最初に作った mecab フォルダに戻ります。

$ cd ..

戻ったら、mecab-ruby-0.996.tar.gz を解凍して、できたフォルダに移動します。

$ tar zxf mecab-ruby-0.996.tar.gz

$ cd mecab-ruby-0.996

ここでターミナルから Finder に切り替えて、mecab-ruby-0.996 のフォルダに移動して、extconf.rb を好きなテキストエディタで開いてください。

標準のテキストエディットで開く場合は、extconf.rb ファイルを右クリックしてこのアプリケーションで開くから、その他... を選びます。

アプリケーションを選択ウィンドウが開くので、テキストエディットを選びます。自分が普段使っているテキストエディタを選んでもらってもかまいません。

ファイルを開いたら、最後の

$CFLAGS += ' ' + `#{mecab_config} --cflags`.chomp

have_header('mecab.h') && create_makefile('MeCab')

の間に

$LDFLAGS = '-L/usr/local/lib'

を入れて、次のようにします。

$CFLAGS += ' ' + `#{mecab_config} --cflags`.chomp

$LDFLAGS = '-L/usr/local/lib'

have_header('mecab.h') && create_makefile('MeCab')

実際の画面は次のようになっているはずです。

変更したら、保存してファイルを閉じます。

またターミナルに戻って、ruby extconf.rb と入力してリターンキーを押します。

$ ruby extconf.rb

うまくいけば、次のようになるはずです。

ここで、もう一度 Finder で mecab-ruby-0.996 のフォルダに戻ります。

Makefile というファイルができているので、ファイルを右クリックして、テキストエディタで開きます。

開いたら、"LDSHARED = cc " という文字列を検索 (Search) して、次のような行を探します。

LDSHARED = cc -arch i386 -arch x86_64 -pipe -bundle -undefined dynamic_lookup

見つかったら、最初の cc$(CXX) に置き換えて、次のようにします。

LDSHARED = $(CXX) -arch i386 -arch x86_64 -pipe -bundle -undefined dynamic_lookup

この部分は、Lion で XCode 4.3.3 を使っている場合、変更しなくてもインストールできるようです。その場合は、飛ばして、下のインストールを実行してください。

もうひとつ、"LIBS = $(LIBRUBYARG_SHARED)" を検索 (Search) して、次のような行を探します。

LIBS = $(LIBRUBYARG_SHARED) -lstdc++ -lmecab -lpthread -ldl

見つかったら、この行の最後に -liconv を追加して、次のようにします。

LIBS = $(LIBRUBYARG_SHARED) -lstdc++ -lmecab -lpthread -ldl -liconv

変更したら、ファイルを保存して閉じます。前のバージョンでは、-liconv の前に -lm がありましたが、なくても動いているようです。問題があったら、追加してください。

またターミナルに戻って、make および sudo make install を実行します。

$ make;sudo make install

これで、すべて終了です。 試しに、ruby test.rb を実行すると、ちゃんとインストールできたかを確認できます。

$ ruby test.rb

これで動いているので、大丈夫だと思いますが、どこか間違っているところがあったら、教えてください。また、MeCab を Ruby から使いたい場合は、こちらのページを参考にしてください。