IPATypist
これは、ちょっとコーパス分析とは関係ないんですが、他においておくところがないので、ここにあります。
IPATypist は、IPA の発音記号を入力するための簡単なユーティリティプログラムです。デフォルトでは英語で使いやすいように(たぶん)キーが配置してあり、日本語 JIS キーボードもしくは US キーボードで使う前提で作ってあります。まあ、キーボードみたいな配置ということは、それなりの意味があります。
セリフフォントを使いたい場合は、Doulos SIL フォントがインストールされている必要があります。まあ、発音記号自体は標準のフォントでも表示できるんですが、セリフタイプのフォントではないので、そのために SIL のサイトからダウンロードしてインストールしておいてください。このページにインストールの方法が詳しく書いてあります。(IPATypist からもダウンロードサイトに行くことができます。)
日本語 JIS およびアメリカ英語以外の言語のキーボードをお使いの方で、キーボードからの入力に問題がある場合は、古いバージョンを試してください(マウスで入力する分には問題ありません)。
使いたい記号がない場合には、キー配置の変更、別の記号の配置などができます。また、発音記号データベースによく使う単語の発音記号を登録しておくこともできます。
英語 (US) キーボード
日本語 (JIS) キーボード
Download: IPATypist (on Google Drive)
Download: IPATypist (日本語 JIS キーボード on Google Drive)
最終更新日: 2024/06/05
現在のバージョンは、1.2.2 です。おかしいと思うところがあったら教えてください。
システム必要条件: macOS 12.3 Monterey 以降がインストールされた Intel Mac と Doulos SIL フォント(セリフフォントを使う場合: ここからダウンロード)
実験的に Universal Binary 版 (20240605 以降) をリリースしました。頻繁にクラッシュする場合は、Rosetta で開く (ファイル->情報を見る) を利用して、Intel Binary で使用してください。
以下の使い方は、古いバージョンに基づきます。基本的には同様の機能を移植してありますが、一部機能はないかもしれません。
基本的な使い方
ボタンに割り振られた発音記号は、Control キーを押しながらその上に書いてある文字のキーを押すと入力できます。例えば、Control + Q を押すと、ə が入力できます。普通の文字は、キーボードからそのまま入力できます。キーの割り振りは変更できます(下を参照)。一番上の段のボタンは、そのまま1から 0のキーとー、=のキーに割当ができるので、Control キーを押さずに入力できます。また、キーボードで普通に編集できます。あと、Control キー以外にも、Shift キー、もしくは、そのまま割り当てられた文字を入力するようにもできます。環境設定で設定してください。(このページの下の方にあります。)
入力したい記号のボタンをクリックしても発音記号が入力できます。
入力が終わったら、Copy ボタンをクリックしてコピーします。12 ポイントでコピーされるので、そのまま MS Word などの使ってるワープロソフトに貼付けてください。環境設定(Preferences)で、Text Editor を選択し、Automatically Paste onto the Editor にチェックが入れてあると、そのアプリケーションで開いている書類もしくは新規書類に自動的にコピーしたテキストがペーストされます。
Clear ボタンをクリックすると、表示されている記号が消えます。
IPATypist を終了するには、ウィンドウを閉じるか、アプリケーションを終了させてください(メニューの IPATypist -> Quit IPATypist もしくは Command + Q)。
括弧キー
[]、//、() の3つの括弧のキーは、表示エリアで何も選ばれていない場合は、表示されている記号の最初と最後に追加されます。もし、選択されている部分がある場合は、その前後に挿入されます。
キー割当の変更
ウィンドウ上のキーは、Mac で使えて、Doulos SIL フォントで表示できれば、括弧キーをのぞいて、どのキーにでもどんな記号でも割り当てることができます。メニューから IPATypist -> キー配列 を選んでください。
キーは位置に対応した上の方のテキストボックスに、好きな記号、文字を入力するかどこかからコピーして貼付けるかしてください。下の方に並んでいる記号のついたボタンをクリックすることで、その記号を入力することもできます。
発音記号データベース(Pronunciation Database)
この機能は実験的なものです、予定通りに機能しない場合もあります。
発音記号データベースでは、IPA の発音記号を単語もしくはフレーズを見出し語として登録していくことができます。
データ入力
メインウィンドウで単語/フレーズを発音記号で入力します。
メニューから ウィンドウ -> 発音記号データベース(Pronunciation Database) を選んでデータベースウィンドウを開きます。
単語(Word)に見出し語を入力し 発音記号(Pronunciation Variation(s)) に発音記号を入力していきます。最大4つまで登録できます。(発音記号を見出し語にすることもできるはずですが)。入力した単語もしくは発音記号がデータベースに保存されるように、入力後は Tab キーもしくは Enter キーを押してください(現在のバージョンでは、これをしなくても大丈夫なはずですが、念のためにしてください)。データベースに登録されるとテーブルに表示されます。ちなみに、登録できるのは単語だけではないので、よく使う言い回しをすべて発音記号に書き起こして登録しておくこともできます。
登録されたデータは、検索/変更ができます。テーブル上のデータはコラムのタイトルが表示されている部分をクリックすることで並べ替えることができます。
登録が終わったら、データベースウィンドウを閉じます。
登録されたデータの利用
データベースに登録されている単語をメインウィンドウで入力します。
検索(Look Up)ボタンをクリック (Command + L) して、データベース上のデータを検索します。2つ以上単語が入力されている場合は、検索したい単語を選択してから検索ボタンをクリックします。
登録されたデータが見つかった場合は、下の Variation ボタンに登録されているデータが表示されるので、クリックして単語と置き換えます。Variation 1 ~ 4 のボタンは Command + 1 ~ 4 に割り当てられています。
データの読み込み/書き出し
データベースに登録されているデータの書き出し、または CSV 形式のデータを読み込むことができます。書き出すにはデータを書き出す(Import Data)、読み込むにはデータを読み込む(Export Data)をクリックします。
書き出し/読み込みともに扱えるファイル形式は .csv もしくは .txt でコンマもしくはタブで区切られている形式です。書き出しは UTF-8 で、読み込みはいくつかの文字コードに対応しています。
データベースのデータは、XML ファイル (IPATypist.xml) として Library(ライブラリ) -> Application Support -> IPATypist フォルダに保存されています。データベースをバックアップしたいときは、このファイルをコピーしてください。
環境設定(Preferences)
コピーした発音記号を選択したアプリケーションの書類にペースト(Automatically paste onto an editor document)にチェックが入っていると、コピー(Copy)ボタンをクリックした際に、コピーされたテキストが指定されたアプリケーションのドキュメントにペーストされます。ただし、同じ名前のアプリケーションが複数存在する場合など(たとえば Word の 2004 と 2008)は、思うように行かないかもしれません(Word の場合は2つあれば、常に2008 で開くようです)。
修飾キーは、メインウィンドウのボタンにある文字をキーボードを使って入力する際に、どの修飾キーを使うかを指定します。
標準では Control キーを押しながらキー入力するようになっていますが、これを Shift キーもしくは、修飾キーなしで入力するようにもできます。なしを選ぶと、一番上の列のキーは、キーボードから入力できません。Shift を選んだ場合は、大文字を入力するには Caps Lock を使ってください。
フォントの選択
メインのテキスト表示エリアのデフォルトのフォントは Doulos SIL 44 ポイントです。これを変更するには、Menu から フォント -> フォントパネルを表示 を選ぶか、Command + T を入力してください。IPA の記号を持たないフォントを選ぶと、表示されない文字があります。サンセリフのフォントを使いたい場合は、Lucida Grande を選ぶといいでしょう。