2017/10/20 Class 3

投稿日: 2017/10/20 8:23:16

記録

    • アンケート回答にかんする質疑および連絡.1039まで

  • 補助教材2.2.3節 (ナッシュ均衡).1110まで

  • 補助教材2.3.1節 (神取6.2節例6.3). 1134 まで

  • 神取6.2節例6.4 (ちょっとだけ言及) 1138 まで

    • 神取6.3節.1156 まで

    • アンケート回答にかんする質疑 (最後の1名).1200 まで

    • 5名出席.履修登録者は5名 (その他1名が聴講),全員 Moodle 登録済み,アンケート回答済み.

  • iPad の MetaMoJi ノートで教材を提示しながらの講義.立地ゲームの記述は補助教材で説明し,分析は学生に質問しながら主として図で説明.その後は神取のテキストを提示.

  • 3週続きで雨のため (自転車ではなく) 徒歩で大学に来たぞ.

事務連絡

  • アンケート結果をここ「連絡ページ」に載せた.協力ありがとう.三原の自己紹介もそこに書いた.とってもネガティブだけど.笑

  • Moodle コースページ登録者のうちこの科目に履修登録しなかった人は,近いうちに Moodle コースページから登録抹消する予定.

授業の内容への補足

  • PowerPoint ふうの箇条書きスライドあるいは文章で書かれたテキストのどちらかを教材として渡されるなら,スライドのほうがいいという学生4名,残り1名は分からないと.でもスライドが好きだというわけでもなさそう.講師としては無駄にスライドを増やしたくないため,そしてテキスト自体をじっくり読んでもらいたいためスライドを提供することは避けている.数学では高校時代「問題が解ければいいから」という理由で教科書をよく読んで来なかった学生が多いかもしれない.でも,大学の数学のテキストは,証明などじっくり読むに価する内容を持つものが多い.この授業で用いるテキストは数学というより経済学のものだが,じっくり読むに価するものを選んでいる.そして緻密で数学的な論理展開をしている割には読みやすいはずだ.

  • [補助教材に取込済] ナッシュ均衡は大雑把に言えば「そこから1人だけ離れても得をしない状態」「お互いに最適に反応し合っている状態」である.これは「お互いに嬉しい状態」などという意味ではない.各プレーヤーはできれば他人の戦略まで動かして自分にいちばん都合のいい状態を実現したいところだろう.ところが他人の戦略を動かせるのはあくまで他人.ナッシュ均衡では他人が選ぶ戦略は正しく予想したうえでそれに対して自分の戦略を最適に選んでいるに過ぎない.他人の選択が自分にとって都合いいとは限らないのだ.ゲームの例をいくつか見てよく理解して欲しい.

  • [取込済] 授業では立地ゲームの分析は主として図でやった.文字でも押さえておくといい.神取の記述は口頭説明ふうで,三原の補助教材のは数学問題解答ふう.授業→神取→三原の順で進むのがいちばんスムーズだろう.補助教材のような数学的な記述を (事前の説明なしで文字だけで) 理解できるようになるというのがこの授業のひとつの目標である.数学的な記述を理解できることは,教養として重要だと思う.

  • [取込済] 神取6.3節-6.4節は数学的に定義された概念 (「ナッシュ均衡」) の解釈にかかわる議論であり,数学的な難解さは無い.いったん数学的に定義してしまえば,意味がわからなくても適当に操作を加えることでいろいろな定理を導くことはできるだろう.しかし社会科学における概念は,現実との対比において意味を持ったほうがいいので,この種の議論は重要である.(ナッシュの論文ではこんな解釈の話はほとんどやってなかったけどね.)

  • 「ゲーム理論: 補助教材」の2.7節にコメント,2.9節に読書案内あり.

  • Moodle の「非公開教材のうち必読でないもの」にある yasuda1504micro8 スライドについて.すでに「ゲーム」や「支配」や「均衡」などを (言葉や例示だけでなく) 数式できちんと定義した以上,たとえ「上級」ミクロ経済学であってもそれらの扱いに変わりはないことが分かるだろう.(言葉は英語になるけど,べつに定義自体が難しくなるわけではない.)

課題および次回の予定

取り組むべき課題,読むべき文献,次回の予定については,シラバスの「授業計画」を参照.次回 Class 4 では神取6.4節を10分程度で終え,問題解説1をやり,不確実性と期待効用に入る予定.