Borrelli2002

Borrelli RC, Visconti A, Mennella C, Anese M, Fogliano V.

Chemical characterization and antioxidant properties of coffee melanoidins.

J Agric Food Chem: 50(22):6527-33(2002 Oct)

コーヒーメラノイジン(焙煎により生じるコーヒーの褐色色素)に関する研究。浅煎り→深煎りへの焙煎の進行に伴い、このコーヒーメラノイジンの総量は増加したがそれを構成する分子の個々の分子量は減少していた。またコーヒーメラノイジンのラジカル消去作用について検討したところ、ABTS法、 DMPD法では焙煎進行に伴い活性が減少したが、リノール酸酸化法ではむしろ上昇した。ラジカル消去作用を以てコーヒーの生理作用を考える場合、ラジカルの分子種まで考慮する必要があると考えられた。

メラノイジンとは食品全般について見られる、加熱することで生じる褐色色素(焦げ色の元)を総称する呼び名で、これは食品中のタンパク質(アミノ酸)と炭水化物(糖類)が加熱によって複雑な化学反応(メイラード反応)を起こした結果生じる多様な混合物である。生体内でもこれと同様の反応がゆっくりとだが進行し(Advanced Glycation Endproducts)糖尿病などの疾患に関わることが知られているため、その点からも注目されている。コーヒーについても焙煎時にメイラード反応が起こるが、さらにクロロゲン酸類が加わった結果、やや特殊な反応になると言われるため「コーヒーメラノイジン」と呼ぶ。

化学/食品化学:MALDI-TOF/MSを用いた分析・スカベンジャー試験:コーヒーメラノイジンは焙煎進行により化学的特性や生理的活性が変化する(重要度★★)