「のどごし」の味

味蕾の約3分の2は舌に存在しますが、残りの約3分の1は舌以外の場所に存在します。舌以外の味蕾は、口の奥からのどにかけての場所(喉頭蓋や軟口蓋、咽頭、喉頭など)すなわち、食物を嚥下し、飲み込む部位にあたる部分に、そのほとんどが存在しており、これらも舌の味蕾と同様に、味覚の受容に関与すると考えられています。ビールなどの味わいにおいては、しばしば「のどごし」の善し悪しも重要な味覚の要素として扱われますが、この「のどごし」の感覚には、これらの喉の奥の味蕾が感じる味覚が関係しているのではないかと言う説があります。「のどごし」はまた、味の「コク」や「キレ」ともしばしば関連して語られることから、コクやキレの感覚にも、これらの舌以外にある味蕾と、それによる味覚の受容が何らかの形で関与することが予想されます。前(キレ)< >次(においを感じる仕組み)