SPEC
全長10.3m
全高8.2m
重量26t(兵装非搭載時)
最高速度マッハ2.3
固定装備
RWR(レーダー警報受信機)
後方対空磁気探知機
対空磁気探知機(機首部)
AESAレーダー
垂直尾翼
補助ジェットエンジン
搭載兵装(写真撮影時)
マルチウェポンラック×2(20㎜バルカン、兵装搭載ステーションから成る)
ZAAM-012 アラーム視程外射程空対空ミサイル×4(マルチウェポンラックに搭載)
ZAAM-011C アローC視程内射程空対空ミサイル×2
大型増槽×2
概要
プテラスは元々、旧大戦の比較的初期に開発された戦闘機ゾイドである。
大異変後レイノス等の強力な戦闘機ゾイドの野生体が生息数を激減させるなか、プテラスは第一次大陸間戦争時には既に第一線を退き生産も殆どされていなかったのも幸いし、大異変後も生産可能な程度の個体数を維持していた。
勿論これは大異変後ヘリック共和国政府のゾイド野生体の保護政策が功を奏した結果でもある。
ともあれZAC2070年代末にはRMZ-21プテラスは、一部装備等を変更してRZ-010プテラスとして再就役したのだ。
RZ-010プテラスの生産はZAC2101年の12月の鉄竜騎兵団の中央大陸侵攻まで継続されたが、その性能は常に不安視されていた。
敵国たるガイロス帝国がプテラスを凌駕する性能を有するレドラーを配備しているが故である。
この為ヘリック共和国空軍はプテラスの配備当初より様々な対レドラー対策の一つとしてプテラスの強化改造型を研究していた。
その研究成果を流用し完成したのがこのプテラス後期生産型、RZ-010+ プテラスプラスである。
改良点
従来のプテラスからの主な改造箇所は飛行性能の向上とセンサーの増備を中心に行われている。
飛行性能向上は主翼付け根に増速用ジェットブースターを設置、これにより従来型が最高速度マッハ2であったのが、プテラスプラスではマッハ2.3に増している。
また、ブースター設置によって変わってしまった飛行特性を修正する為に尾部に垂直尾翼を設置している。
センサーに関しては、まず機首の16ミリバルカン砲は口径が小さく対レドラー兵装としても対地攻撃用としても威力不足であった為に撤去され、そのスペースに2種のセンサーが装備された。
機首左側にはエルパ社が開発したAESAレーダーを装備。
右側の16ミリバルカン砲の砲身が在った場所には武器開発局製の対空磁気探知機を装備している。
対空磁気探知機とは飛行ゾイドが飛行する際発生する磁気の乱れを探知するパッシブセンサーで、磁気推進で飛ぶ飛行ゾイドが殆どである惑星Ziならではのセンサーである。
この対空磁気探知機は尾部垂直尾翼付け根左側にも装備されており全方位をカバーしている。
また、垂直尾翼付け根右側にはレーダー警戒受信機が設置されている。
武装
16ミリバルカン砲の撤去とプテラスプラスの固定武装は無くなってしまった。
その為、旧大戦で胸部に装備されていた20ミリバルカン砲ポッドを復活させプテラスプラス全機に搭載可能な数を配備した。
パイロットも空対地2連装ミサイルポッドより、対空対地両方でマルチに使える20ミリバルカン砲ポッドを好んで搭載していた。
また写真の機体の様に20ミリバルカン砲ポッドの下一門を減らし、その部分にミサイル発射用ランチャーを設置したマルチウェポンラックを装備する場合も多くあった。
マルチウェポンラックは二基のミサイル発射用ランチャーを装備しており、マルチウェポンラックを胸部左右のハードポイントに搭載すれば、背部のランチャーも合わせて計6発の空対空ミサイルの搭載を可能にしている。
生産
RZ-010+ プテラスプラスの生産はZAC2100年1月中央大陸の東部メタロゲージ航空ゾイド工場で生産第1号機がロールアウトする。
以降デルポイ各地のプテラス生産工場が一年かけて、既存のプテラスからプテラスプラスへの生産ラインへの切り替えを実施している。
さらに同年5月からは西方大陸ロブ基地内の空軍工廠でもプテラスプラスの生産が行われ`地産地消′が行われた。
西方大陸戦争終結後のZAC2101年2月からは既存のプテラスをプテラスプラス相当へのアップグレード改造も順次行われ、最終的に共和国空軍所属のプテラスの80%がプテラスプラスへのアップグレードを受けた。
配備
東部メタロゲージ航空ゾイド工場で最初に生産された第1バッチ、1個飛行大隊分25機はすぐさま西方大陸に送られ、エースパイロットを中心に配備された。
因みにプテラスプラスの配備を受けたエースパイロットは、最初期生産型ストームソーダーの配備が行き渡らなかった者を中心に行われており、この時期はストームソーダーかプテラスプラスどちらが配備されるかで、エースの中でもトップエースとそうでないエースの格付けになったとも言われている。
その後、エース以外にも熟練パイロットを中心に配備が行われ、ある程度生産が軌道に乗ったZAC2100年7月以降飛行大隊単位での機種転換も行われていった。
こうして、ZAC2101年の暗黒大陸戦争では実戦部隊ほぼ全てがプテラスプラス(あるいは既存機をプテラスプラスへ改造した機体)で編成されるに至った。
最も暗黒大陸戦争勃発時はRZ-039 レイノスの配備が急速に進んでいた時期なので、プテラスプラスを装備する部隊は主に対地攻撃を任務とする「戦闘攻撃飛行大隊」配備となり、制空戦闘にはあまり用いられなくなっていた。
運用
プテラスプラスはプテラスの後期生産型であるので、それまでのプテラスが行っていた様々な任務に投入可能かつ、その任務の達成を従来のプテラスより低いハードルで実現可能である。
就役当初の西方大陸戦争では配備数が少ないストームソーダーを補う軽戦闘機として改良されたセンサーを活かして制空戦闘を行い、制空任務から第一線を退いた暗黒大陸戦争では強化された機動性を活かして対地攻撃任務に使用された。
まさに多用途任務機であり、優れた性能を有するプテラスの正当進化系と言える。
戦果と実情
とは言え所詮はプテラス。
対レドラーを考えた場合プテラスプラスでも不利な事に変わりはなく、改良されたセンサーの探知距離も漸くレドラーと同等と言った所であった。
この為状況にもよるがレドラーと会敵した場合、改良されたセンサーを活かして敵機発見後すぐさま撃ちっ放し方式のBVRAAM(視程外射程空対空ミサイル)を発射し、即座に反転するのが常套とされた。
これを可能にしたのが、非公式に東方大陸の企業から支援を受けて開発されたエルパ社製BVRAAM「ZAAM-012 アラーム」である。
しかしアラームミサイルも製造や整備の不手際で命中率は決して高いとは言い難かった。
西方大陸戦争後、製造や整備手順の見直しでこの問題は解決しているが、それまではミサイルが外れれば結局はドッグファイトに持ち込まざるを得ず、その場合いくらジェットブースター等で機動性が向上しているとは言え、レドラー相手では乗り手がエースでも無ければ撃墜は難しかった。
また、プテラスプラスは当初エースを中心に配備が開始された事で、「従来型と比べ物にならない強化改造型」という誤解を現場に与えてしまった。
この為、過信を原因とするプテラスプラスの戦術ドクトリンから逸脱した戦い方でレドラーに挑む者も現れ、そういった者達はレドラーに呆気なく撃墜されていった。
こうした現場の勘違いや、ヒットアンドアウェイ戦法を良しとしない旧態依然としたゾイド乗り的なパイロットが無茶な戦法を現場判断で取ったせいで、プテラスプラスの戦果は空軍上層部が当初思い描いていた程上がらなかった。
この事態に空軍上層部は現場にプテラスプラスの基本戦術とメリット、デメリット徹底的に教育し直した。
また、プテラスプラスの配備が本格化したZAC2101年7月以降はエース専用機という印象は薄れ、現場もプテラスプラスを過信する事無く、堅実な運用を実施したお陰でプテラスプラスの戦果も着実に伸びていった。
暗黒大陸戦争では前述したとおり戦闘機としては第一線を退き、対地攻撃機としてプテラスボマーと共に活躍した。
こうした中で再びプテラスプラスに新たな活躍の場が現れたのはZAC2101年12月のネオゼネバス帝国の中央大陸侵攻から始まった第二次中央大陸戦争である。
ネオゼネバス帝国侵攻時、共和国本土防空コマンド隷下の戦闘飛行大隊の半数以上はプテラスプラスから編成されており、ネオゼネバス帝国の最新鋭超小型多用途戦闘機ゾイド「グレイヴクアマ」と相対する事となった。
低空に限って言えばレドラー以上の性能を発揮するグレイヴクアマ、だがプテラスプラスもまた低空での戦闘を得意とし、ダークスパイナーのジャミングウェーブが届かない空で五分五分の戦いを繰り広げた。
この初期本土防空戦から始まる対ネオゼネバス帝国航空部隊との戦闘でもプテラスプラスは中央大陸本土の配備数から活躍を続けプテラスプラス乗りからもエースを輩出し続けた。
こういった状況はBZ-004 ナイトワイズの配備やZAC2107年の中央大陸完全失陥によって変わっていったが、それまでプテラスプラスは`共和国の空′に貢献し続けたのだ。
派生機
生産が従来型プテラスからプテラスプラスに完全に移行すると、従来型ベースの改造機のベースにもプテラスプラスが使用される事になっていった。
有名どころでは対地攻撃仕様のプテラスボマーや、早期警戒機プテラスジェミニ等のベースにも使用されている。
これら改造機は従来型プテラス、プテラスプラス何方かがベースでも特に名称の変更はなされていない様である。
面白い所では双子機でもあるプテラスジェミニの片方のみにプテラスプラスが使用された例もあるそうだ。
エウロペの荒野をバックに飛ぶRZ-010+ プテラスプラス
写真の機体は第6戦闘航空団第611戦闘飛行大隊所属、生涯撃墜数49機のヴァレリア・フリーデ・シュレーダー少尉(当時)の機体
ZAC2106年に発生した第二次デルポイ航空戦でストームソーダーと共に異機種間編隊を組む集成航空団デルポイ所属のプテラスプラス
プテラスプラスに使用したオリジナルマーク色々
多々買いしたHMMプテラスを使ってシンプルに作ってみました。
イメージは米空軍のF-4ファントムです。
カラー後期のグレーの物を意識してます。
シンプルに戦闘機ぽいモールドを増やすことを目標に細かい工作を施しました。
また、やたら長い設定文は魔改造ファントム(F-4ICEやクルナス2000等)やF-16のブロック事の仕様違い等を意識して書きました。