TOWA TANZUTSU (3" F7.9 CAT)
口径76mm 焦点距離600mmのカタディオプトリック。
2005年頃(うろ覚え)の胎内星祭りの販売ブースで見掛け、その小さな可愛らしい外観と80年代の望遠鏡トレンドを彷彿とさせるイエローカラーに惹かれ購入。
1980年代頃の製品で日本のTOWA(東和光器)製、OEMでエイコースカイサーチの名でも販売されていて、当時の天文雑誌の広告によく見かけました。
架台は卓上赤道儀で微動装置などさすがに無いものの、極軸を大体北に向けておけば手押しで追尾していけますが、足のネジ込み位置を変えることにより、経緯台にもなります。
卓上の赤道儀は操作の難しい面があり、月や惑星でなければ経緯台のほうが使いやすく感じます。
平板なガラスが副鏡を保持して、一見シュミット補正板のようですがこれは平面のガラスで、主鏡(球面)の収差補正は接眼部内にあるバロー系補正レンズが行います。
なかなか巧い設計だったようで、収差補正は良好かつスパイダーはありませんから、高倍率でもまずまずの見えを示します。
(人工星によるロンキー画像)
光軸調整は斜鏡側のみで、主鏡側にはありません。
光軸調整済の状態
当方ではセルと筒を止める3点のネジ部分に、スプリングを入れ主鏡の光軸調整を出来るようにしています(球面とはいえ、主鏡の全光束を取り込むためには必要です)
ファインダーは見口を90°曲げたもので、卓上ゆえに覗きやすさを考慮したものと思います。が、ファインダーはシングルレンズを絞ったもので暗いうえ、90°曲げてるので何処を見てるか大変分かりづらく月か明るい惑星くらいにしか使えません(これは致し方ないですが)
当方では現在ファインダースコープの代わりにレーザーポインターを装備しています(姿勢が低く、ファインダーの覗きにくい卓上タイプには好適で、面白いようにM天体を導入出来ます。ただしレーザーは観望地での使用には迷惑とならぬよう注意が必要です。また低温時はバッテリーの出力が低下するためレーザー飛びません。。)
シャープ感のある、見えのよい望遠鏡ですが、副鏡の遮蔽・前面の平面ガラスがノンコートのせいかコントラストは低めで、惑星の淡い模様の検出などは苦手です。
また純正の架台では高倍率で剛性不足を感じますし、口径はたかだか3インチですので、主に低倍のアイピースを付けRFT的に使っています。
アメリカンサイズのアダプターをかませ30mmのアイピースで20倍。15mmで40倍。このくらいが気持ちよく使えます。
とはいえ、観望地に適当な台が無ければテープルと椅子が必要で、荷物が増えるのが卓上機の難点ですね(^_^;
(追記)架台の台座にカメラ三脚用の取付ネジがあり、付属の”3本足”を外し汎用のカメラ三脚に取付出来ます。”雲台”のないタイプが強度が出て好適です)