Hubble optics UL14(14 "F4.6 Dobsonian)
口径356mm 焦点距離1635mmのトラス式ドブソニアン。
ULはUltra Lightの略で、従来のドブソニアンと比べ約1/2の重さです。
主鏡をサンドイッチ構造(2枚の中空には、無数の円柱が支えるような構造)とし、アルミ製のミラーボックス・ロッカーボックス(架台下部)もシンプルで、重く嵩張りがちな架台部を軽く纏めてます。
このため総重量は約18kgで、確かに口径35cm超のドブソニアンとしては異例に軽量。
おかげで重量のほとんどを占める、ミラーボックス(+ロッカーボックス)の運搬積み込みもひとりで無理なく行えます。
オーダーのさい、オプションはシュラウドのみ注文(当然と言えば当然ですがとてもよく出来ています)あとは手持ちのパーツや自作で何とかなりました。
トップリングには社外のスターポインター(等倍ファインダー)を設置。
脱着式のファインダーでないため、そのまま取付けるとファインダーの下部が分解運搬時に床に当たるのでアクリル板を介し上に来るよう加工、また上げたことで覗きやすくなりました。
自作のバッフル。素材はホームセンターで探してきたカラープラダンです(笑)中芯を挟んで2重構造になっているので、片側に切り欠きを入れるとうまくトップリングに沿わせることが出来ました。
真ん中を抜いているのは強風の際に飛んでいかないよう、なるべく面積を小さくしたかった為(斜鏡ユニットで、抜いた部分からの迷光は届かない)
マジックテープで脱着可能です。ちなみにバッフルが無いと、接眼部の向いてる方向に光源(遠くの明かりなど)があると、はっきりと視野に入り込んできます。
余りで主鏡部のカバーも作りました。
トラス棒とミラーボックスの接続箇所を決めて番号を振ることで、光軸の狂いを最小限に抑えています。トラス棒の付け根および接続箇所の小さな丸(蓄光テープにマジックで番号を振ってます)がそうです。
惑星など高倍率が必要でなければ、組み立て後調整無しで大体はそのままで観望出来ます。
何度か使用して気づいたのが、分解組み立てに掛かる時間の結構な割合を、組み付けの「ネジ回し作業」に取られること。
ネジ締めまたは外すのに、つまみネジを3-40回は回す必要があり、トラス棒とミラーボックスを接続する際8本分の作業が発生します。
そこでトラス棒とミラーボックスを接続するつまみネジを、必要な長さは確保して金ノコで切って短くしました。
これにより組み立ての時間をいくらか短縮出来ました。
夜露のひどい夜は副鏡も次第に曇ってくることが分かり、AmazonやAliExpressなどを探してみると防寒用の、布に縫い込まれたヒーターを見つけた(何でもあるもんです。。)
布地を適当にカットして、マジックテープで副鏡ケースに貼り付けた。
電源は冬の観望用に買っておいたUSBヒーター(モバイルバッテリーにもなります)
まだ試す機会がなく効果の程はこれから
(車載の様子)
搭載するクルマは2シーターのオープンスポーツカーで、積載寸法・容量は大変限られます。トランク内の内装やカバーなどを全て外すことで、何とか積載出来ました。
幅・奥行き・高さいずれもギリギリ、、架台の下の緩衝材は厚みで3cm程度(固めのスポンジ材)
左側にミラーボックス+ロッカーボックス、右にトップリングを収納。
トラス棒は助手席脇に立て掛けます。
まだ数回程度しか観望してませんが、架台は水平垂直とも良好な動きで重量級のアイピースを装着してもバランスの崩れはないです。
夜半に上がってくる木星を、200倍程度で問題なく追尾出来ました。今後より高倍率も試してみたい。
超低空(10~20°)の水平に近い状態ではやや不安定になるのか、視野内の星が振動で揺れます。トラス周りの剛性が不足なのかもしれませんが、低高度だけの現象なのでこのまま運用するかも。
口径356mmはこれまで使っていたC8の3倍の集光力で、Mクラスの球状星団はどれも良く分解し大口径の威力を感じます。
系外銀河は、より明るく見えるという感じではなく、ぼうっとした銀河のエッジが明瞭になり、むしろ小さく引き締まる見え方。ただし空の条件が悪いとあまり小口径の見えと変わらず、、やはり銀河は手強いです。
そして初めて系外銀河の渦を確認することに成功!左巻き、反時計回りのM51、だけ、今のところ、、(-.-)
(追記:その後M33にて渦確認、、2019.08 現在)
また低倍率で天の川付近に向けたときの、視野にいっぱいちりばめられた圧倒的な星の数には感嘆します。