七十週預言

ホーム黙示録註解→七十週預言

第6章七十週預言→第7章

全部まとめた Pdf はこちら


コラム:七十週預言


ダニエル9.24~27 に天使ガブリエルがダニエルに伝えた七十週の預言が記されています。この預言がヨハネの黙示録を解釈するための重要な鍵となります。七十週の「週」は、七年を表し、七十週は、7×70=490年を表します。


ダニエル9.25 エルサレムを建て直せという命令が出てから、メシヤなるひとりの君が来るまで、七週と六十二週あることを知り、かつ悟りなさい。


これは、メデア・ペルシアの王クロスによってエルサレムの再建命令が出てから、69週=7×69=483年で、メシア(キリスト)が来ることを表します。そして、この年は、イエス・キリストの公生涯の始まりの年となり、預言どおりに成就しました。(cf. 七十週預言の計算


この69週の後、最後の一週(7年)がこれに続き、ダニエル9.27 にその内容が記載されています。その全文は次のようなものです。


ダニエル9.27 彼は一週の間多くの者と、堅く契約を結ぶでしょう。そして彼はその週の半ばに、犠牲と供え物とを廃するでしょう。また荒す者が憎むべき者の翼に乗って来るでしょう。こうしてついにその定まった終りが、その荒す者の上に注がれるのです。


この最後の一週は、時間的に69週の直後の7年間の事であり、次のような意味です。


彼(キリスト)は最後の一週(7年間)の間に、多くの聖徒と堅く(新しい)契約を結ぶでしょう(cf.エレミヤ31.31、ルカ22.20、二コリント3.6、ヘブル9.15)。そして彼(キリスト)はその週の半ばに、(ご自身を十字架で犠牲として捧げることにより)動物犠牲と常供の供え物の制度を廃止されるでしょう(cf.マタイ27.51、ヘブル7.18~22、10.9~10)。また、その後の世に、荒らす者(大淫婦=大バビロン=偽キリスト教会)が憎むべき者(サタン)の翼に乗って出現するでしょう。そのような時代が経過した後、ついに終末となって、その定まった終わりがその荒らす者(大淫婦)の上に注がれるのです(cf.黙示録17.16)。


キリストは、公生涯を始められてから、週の半ばの過ぎ越しの祭りのときに(cf.マタイ26.17、ヨハネ13.1、マルコ14.16)十字架でご自身を犠牲として捧げられたのです。これによって、聖徒=いのちの書に名前が書かれている者(cf.黙示録3.5、21.27)との間に新しい契約を締結されました。


憎むべきものの翼に乗って現れる荒らす者についての解き明かしはこうです。ヨハネの黙示録では、サタンは七つの頭と十の角をもつ赤い龍として表現されています(cf.黙示録12.3)。そして、終末の獣アバドンも同じ獣の形をしています(cf.黙示録13.1)。ダニエル書には、これらの獣は四つの翼を持つことが記されています(cf.ダニエル7.6)。このサタンの翼に乗って荒らす者(cf.黙示録18.5)=偽キリスト教会=大バビロン=大淫婦が出現するのです。しかし、大淫婦は、終末には、サタンに権威を与えられた(cf.黙示録13.4)同型の獣アバドンに乗り換えますが、自分が乗っているその獣によって、憎まれ、みじめな者にされ、裸にされ、肉を食われ、火で焼き尽くされてしまいます(cf.黙示録17.16)。ヨハネの黙示録の中で神の激しい怒りの対象の最大のものである大淫婦(cf.黙示録17.1)=偽キリスト教会(cf.黙示録18.7)=大バビロン(cf.黙示録16.19)は、その出現よりもはるか前に、ダニエルによって記されていました。


このように、ダニエル9.27 には、キリストの十字架から終末に至るまでの経過が預言されているのです。


第6章→七十週預言→第7章