第11章

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●天(つづき、第二の災い(二人の預言者と獣との戦い))

神の証人として立つように召命されたヨハネは天におり、つえのような測りざおを与えられて、命じられる。


□天の声□「さあ立って、神の聖所と祭壇と、そこで礼拝している人々とを、測りなさい」


天の聖所の金の祭壇の下で礼拝している人々とは、殉教した人々であり、ヨハネがその数を測ると、この時、その数は、裁きを始めるための数に達している(cf.黙示録6.11)。ちょうど、定められたその時、その日、その月、その年(cf.黙示録9.15)が到来したのである。


□天の声□「聖所の外の庭はそのままにしておきなさい。それを測ってはならない。そこは異邦人に与えられた所だから。彼らは、四十二か月の間この聖なる都を踏みにじるであろう」


聖所の外の庭とは、地上のことである。地上にいる聖徒たちは数えてはならない。

聖なる都とは、地上にいる聖徒たちのことである(cf.黙示録21.2)。聖徒たちは、異邦人(獣、偽預言者、十人の王)によって、四十二か月(三年半)の間、踏みにじられる。

しかし、同じ期間に神の預言者が立つ。


□天の声□「そしてわたしは、わたしのふたりの証人に、荒布を着て、千二百六十日のあいだ預言することを許そう」


そして、千二百六十日(三年半)の第二の災いの期間が始まる。これは血の報復である(cf.黙示録6.10~11)。


●地(つづき、第二の災い(二人の預言者と獣との戦い))

千二百六十日(三年半)の間、二人の証人、ヨハネとダニエルは、預言者として獣と戦う。

彼らは自ら油を供給する二本のオリブの木であり、その油を燃やして世を照らす二つの燭台である(cf.イザヤ49.6、ゼカリヤ4.2~3)。彼らは入れ物の中に油を用意しているおとめたちを思い起こさせる(cf.マタイ25.4)。

彼らは四人の御使によって支配される二億の騎兵(cf.黙示録9.16)と協働し、あらゆる災害によって獣と戦うのである。彼らの口から火が出て、その敵を滅ぼすとは、彼らの口から出る命令によって、二億の騎兵の口から出る火と煙と硫黄でその敵を焼き滅ぼすのである。


しかし、預言の期間である三年半が終わると、底知れぬ所からのぼって来る獣アバドン(cf.黙示録9.11)が彼らと戦って打ち勝つ。


彼らの死体は、エルサレムの大通りにさらされ、いろいろな民族、部族、国語、国民に属する人々が、三日半の間、彼らの死体をながめるが、その死体を墓に納めることは許さない。


それまで三年半の間、陣痛のように繰り返し襲ってきた災害が終わり、世の人々は、このとき訪れるしばらくの間の平和に安心し、「平和だ無事だ(cf.一テサロニケ5.3)」と、互いに贈り物をしあう。


しかし、三日半の後、いのちの息が、神から出て彼らの中にはいり、彼らが立ち上がって天に上ると、それを見た人々は非常な恐怖に襲われる。すなわちその時、人々は二人の預言者の言葉を思い起こすのである(cf.黙示録14.6~13、18.4)。


二人の預言者が天に上った後、大地震が起って、エルサレムの十分の一は倒れ、その地震で七千人が死に、生き残った人々は驚き恐れて、天の神に栄光を帰する。


第二の災いはここで終わる。

三年半の期間は終了した。


●天(第三の災いの開始の前)

「もう時がない(cf.黙示録10.6~7)」といわれたその時が到来する。

第七の御使が、ラッパを吹き鳴らす。

すると、大きな声々が天に起こって言う。


□声々□「この世の国は、われらの主とそのキリストとの国となった。主は世々限りなく支配なさるであろう」


神のみまえで座についている二十四人の長老は、ひれ伏し、神を拝して言う。


□二十四人の長老□「今いまし、昔いませる、全能者にして主なる神よ。大いなる御力をふるって支配なさったことを、感謝します。諸国民は怒り狂いましたが、あなたも怒りをあらわされました。そして、死人をさばき、あなたの僕なる預言者、聖徒、小さき者も、大いなる者も、すべて御名をおそれる者たちに報いを与え、また、地を滅ぼす者どもを滅ぼして下さる時がきました」


そして、天にある神の聖所が開けて、聖所の中に契約の箱が見える。契約の箱には、律法に加えてキリストが多くの者と堅く結んだ新しい契約(cf.ダニエル9.27)が納められている。


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