ホーム→黙示録註解→第16章 最後の災害(2/2)、大ユウフラテ川のまぼろし、ハルマゲドンの戦い(1/2)
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ここからは、第三の災いの記述である。
●天(第三の災い)
大きな声が聖所から出て、七人の御使に向かって言う。
□聖所からの大きな声□「さあ行って、神の激しい怒りの七つの鉢を、地に傾けよ」
●地(第三の災いの第七の鉢の災い)
第一、第二、第三、第四の鉢では、地で起こる最後の災いの先見ビジョンが与えられる。これは、先に三分の一までが打たれた災い(cf.黙示録8.7~12)のつづきであり、第七の鉢の裁きの内容の一部である。これらは、ハルマゲドンの戦いの後に起こる事である。
第一の者が出て行って、その鉢を地に傾けると、獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々とのからだに、ひどい悪性のでき物ができる。
第二のものが、その鉢を海に傾けると、海は死人の血のようになって、その中の生き物がみな死んでしまう。
第三の者がその鉢を川と水の源とに傾けると、川と水の源が、みな血になる。
●天(第三の災いの第七の鉢の災い)
このとき、水をつかさどる御使が言う。
□水をつかさどる御使□「今いまし、昔いませる聖なる者よ。このようにお定めになったあなたは、正しいかたであります。聖徒と預言者との血を流した者たちに、血をお飲ませになりましたが、それは当然のことであります」
そして、祭壇も言う。
□祭壇□「全能者にして主なる神よ。しかり、あなたのさばきは真実で、かつ正しいさばきであります」
●太陽(第三の災いの第七の鉢の災い)
第四の者が、その鉢を太陽に傾けると、それまで暗くなっていた太陽(cf.黙示録8.12)は灼熱し、火で人々を焼くことを許され、人々は、激しい炎熱で焼かれる。それでも、これらの災害を支配する神の御名を汚し、悔い改めて神に栄光を帰することをしない。
ここまでの第一、第二、第三、第四の鉢の災いは、第七の鉢で起こる災いの先見的ビジョンである。
●獣の座(第三の災い、ハルマゲドンの戦いの前)
第五の者が、その鉢を獣の座(cf.黙示録2.13)に傾ける。すると、神の二人の証人が天に上ったあと(cf.黙示録11.12)しばらく平穏であった獣の国は暗くなり、人々は苦痛のあまり舌をかみ、その苦痛とでき物とのゆえに、天の神をのろう。そして、やはり、自分の行いを悔い改めることをしない。
この災害を受けて、龍(サタン)、獣(アバドン)、偽預言者は、全能なる神の大いなる日の戦いをする備えを行うことになる。すなわち彼らには、もはや、イスラエルを絶滅するしか生き延びる手立てがない。
●大ユウフラテ川のまぼろし(第三の災い、ハルマゲドンの戦いの前)
第六のものが、その鉢を大ユウフラテ川に傾ける。すると、その水は、日の出る方から来る王たちに対し道を備えるために、かれてしまう。
日の出る方からくる王とは、イエス・キリストである(cf.マタイ24.27)。
道を備えるとは、イエスの初臨のときにエリア(バプテスマのヨハネ)が来て(cf.マタイ17.11~13、マラキ4.5~6)、キリスト来臨の準備をした事を言うのである(cf.イザヤ40.3、マタイ3.1~3、マルコ1.2~3、ルカ3.4)。
大ユウフラテ川がかれるとは、バビロンの王ベルシャザルが酒宴を設けていたときに(cf.ダニエル5.1)、受膏者クロス(受膏者=油注がれたもの=メシア(cf.イザヤ45.1))がバビロンの城壁を破るために、バビロンの城壁の中央を流れているユウフラテ川の流れを変えて、これを干上がらせ、干上がった川からバビロンに侵入し、これを滅ぼした事を言うのである(cf.イザヤ44.27~28、45.13)。
これらはいずれも、キリスト(メシア)の来臨に道が備えられ、キリストがすぐに来るということを示している。
●地(第三の災い、ハルマゲドンの戦い)
龍(サタン)の口から、獣(アバドン)の口から、にせ預言者の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てくる。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集する。それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためである。三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集する。
(見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである。)とは、龍と獣とにせ預言者がハルマゲドンに王たちを招集するとき、直後にイエス・キリストの再臨があることを示している。このとき、戦いが行われ、龍の軍勢は敗北する(cf.マタイ24.28)。
聖徒たちは、ハルマゲドンに軍隊が集結するのを見て、主の再臨、そして、聖徒のよみがえりと引き上げが間近であることを知る(cf.一テサロニケ5.4、4.16~5.5)。
ハルマゲドンの戦い自体は、ここには記されていない。そのようすは黙示録19.11~21 に記されている。
●空中(第三の災いの第七の鉢の災い)
ハルマゲドンの戦いが終わり、ついに、神の怒りの災いが最終局面を迎える。
第七の者が、その鉢を空中に傾ける。すると、第一、第二、第三、第四のラッパ(cf.黙示録8.7~12)と第一、第二、第三、第四の鉢(cf.黙示録16.2~8)で予見されたビジョンで示された災害が連続して起こる。これらは、地と、海と、川とその水源、太陽と月と星が打たれる災害である(cf.ルカ21.25~27)。
すると、聖所の中から大きな声が言う。
□聖所からの大きな声□「事はすでに成った」
いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが起り、また激しい地震が起こる。それは人間が地上にあらわれて以来、かつてなかったようなもので、それほどに激しい地震である。大いなる都エルサレムは三つに裂かれ(cf.ゼカリヤ14.4)、その他の諸国民の町々も倒れる。神は大いなるバビロンを思い起し(cf.エレミヤ51.61~64)、これに神の激しい怒りのぶどう酒の杯を与えられるのである。島々はみな逃げ去り、山々は見えなくなる。また一タラントの重さほどの大きな雹が、天から人々の上に降って来る。人々は、この雹の災害のゆえに神をのろう。その災害が、非常に大きいからである(cf.黙示録6.17)。
聖徒たちは、ハルマゲドンの戦いの後、この第七の鉢の災害の初期に、キリストにあって死んだものはよみがえり、地上にいるものも一緒に、キリストによって空中に引き上げられる(cf.マタイ24.21~22、24.27~31、一テサロニケ4.16~17、ダニエル11.45~12.3)。
第三の災いが終わり、これで全ての災いが完了する。