第1部社会学科

カリキュラムの概要

目的・教育目標

第 1 部社会学科のポリシー


〈カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)〉

社会学科では、社会学的想像力を修得した市民の育成を教育目標として掲げている。この目標を達成するために、社会学演習、社会学理論、社会調査、現代社会の諸問題、グローバルな教養を中心に据えた下記のような特色をもつ教育課程を編成・実施する。


1.グローバル化により多様化が急速に進展している現代社会の中で主体的に行動し、また現代社会に対して他者との協働を通じて貢献することができる能力を培うために、 4 年間の演習に加えて、卒業論文(卒業研究)を必修とする。 1 年次の「社会学基礎演習」ではアカデミック・スキルとマナーを身につける。 2 年次の「社会学演習I」では、さまざまな社会現象や社会問題について多種多様な意見をもった人たちと議論を行い、自らの意見を洗練させ、自身の見解を説得的に提示するために必要となるスキルを磨く。 3 年次の「社会学演習II」および 4 年次の「社会学演習III」では、各自の関心に応じてコースに所属し、担当教員の指導のもと卒業論文(卒業研究)に取り組む。


2.社会学がこれまで積み上げてきたさまざまな学説を深く理解し、グローバル化によりいっそうダイナミックに変転している現代社会のメカニズムを理論的に捉える視座を身につけるために、必修科目と学科専門科目を設置する。 1 年次にはすべての学生が「社会学概論」を履修し、現代社会学の基礎を幅広く学修する。 2 年次の「社会学史」では、すべての学生が社会学の歴史を体系的に学ぶことで、現代に至る社会の変遷を歴史的かつ理論的に捉えるための基礎を修得する。こうした力をさらに深めるために「理論社会学」、「文献講読」、「現代社会学理論」などの科目を配置する。


3.社会調査を科学的かつ倫理的に企画・実施するために必要な理論と方法を修得することで、現代社会の諸問題について、適切な仕方で精度の高いデータを収集し、それにもとづいた議論と提言を行うことができる技法を修得するために必要な必修科目と学科専門科目を設置する。 1 年次にはすべての学生が「社会調査入門」を履修し、社会調査の基礎を身につける。それを踏まえた年次には「社会統計学」や「質的調査法」などより高度な調査分析能力を獲得するための科目を選択して学ぶ。さらに、 2 年次に修得した方法論を実践する場として、 3 年次に「社会調査および実習」を履修できる。なお必要な科目を履修すれば、社会調査士の資格を取得することもできるカリキュラム編成になっている。 4 年次には、「社会学演習Ⅲ(社会調査)」において、さらに継続して社会調査を深めることができる。


4.家族、教育、労働、都市、地域、環境、自然、文化、グローバリゼーションといった現代社会を生きていく上で避けては通れない多種多様な現象に対する理解を深め、そこで生じているさまざまな社会問題を自分自身の問題として捉えるとともに、そうした諸問題によって苦境に立たされている人々に共感をもって寄り添いながら、複雑化している現代社会を領域横断的に捉える力を身につけるために、社会学ならびに地理学を中心とする社会学の隣接領域に関する学科専門科目を設置する。


5.グローバル化した現代社会を生きる市民にふさわしい教養を身につけるために、狭義の社会学のみならず、社会学部の他学科が提供する専門科目の一部を選択必修とし、各学生が自身の関心に応じて幅広く履修できるようにする。また、東洋大学建学理念の礎である哲学を中心に、さまざまな語学を含む基盤教育科目をすべての学生が各自の関心に応じて履修することで、知徳兼全な人材の養成に資する幅広い教養と見識を身につける機会を提供する。

 

〈ディプロマ・ポリシー(卒業の認定及び学位授与に関する方針)〉

社会学科の教育目標は、グローバル化により複雑化した現代社会を生きる個々人の境遇をより大きな歴史的・社会的な背景と関連づけて理解することのできる市民を育成することにある。そのため、社会学科では現代社会で生じるさまざまな出来事に興味と疑問を持ち、問題を発見し、その背後にある構造的変化を自分自身の問題として捉え直すことのできる社会学的想像力を備えた学生に「学士(社会学)」を授与する。

この社会学的想像力は、以下の 5 つの力に支えられている。


1.多様な社会的・文化的背景をもった他者と協働して現代社会の諸問題の解決に貢献するための主体的な実行力とグローバルな発信力


2.現代社会のメカニズムを捉えるための理論的思考力


3.現代社会の中から課題を発見し、それを意味的、計量的、空間的に精確に捉える社会調査能力


4.現代社会が直面している諸問題に対する理解およびそれらを横断的に捉える洞察力


5.グローバル化した現代社会で自らの力でキャリアを研鑽していく市民にふさわしい哲学を中心とした幅広い教養


~第 1 部社会学科カリキュラムマップ~ 

第 1 部社会学科カリキュラムの特徴◆

【分野について】

●社会学のさまざまな学説や基礎理論を扱う社会学理論の分野

●家族、地域、都市などの基礎社会とその中のさまざまな機能集団を対象とする社会構造的分野

●社会調査入門、社会統計学、質的調査法の方法を習得する社会調査の分野

●教育、政治、犯罪、組織、福祉、環境、労働など社会の下位システムを実証的に研究する分野

●グローバル時代における、様々な地球規模の課題について考察する国際社会学的分野

●私たちをとり巻く、地理的環境をいろいろな角度から眺める視点を養う地理学的分野

【科目の多様性】

●専門科目には、各種講義科目の他、「社会学演習」、「社会調査および実習」、「文献講読/原書講読」、「卒業論文(卒業研究)」などの科目があります。また、情報関連科目や語学系科目を含む学部共通科目群や基盤教育科目群も、非常に広範多様な対象とアプローチをもつ社会学系の学習・研究にとってきわめて重要です。幅広い科目が提供されているからこそ、各自が必要と関心に応じて、主体的に履修科目を選ぶ姿勢が重要です。

履修について


以下、各学年次で履修すべき科目、その他留意事項を記載します。


・「社会学演習」(ゼミナール)・・・ もっとも大学らしい授業形態のひとつで、「苗床」ということばが語源です。学生自身が考え、調べ、発表し、討論し、書く、という作業をこなし、仲間と切磋琢磨しながら主体的に育っていく、大学教育の柱となるものです。演習の学習⽬標は、(1) 論⽂としての要件・スタイル、(2)構成的作⽂技法、(3)先⾏研究⽂献の検索、(4)論理的な質疑討論、(5)⾃分の研究関⼼にふさわしい研究テーマ選定などを理解・習得し、主体的な研究姿勢を⾝につけることにあります。

社会学科では、 1 年次から 4 年次まで演習が必修です。卒業論文(卒業研究)が必修となっているため、社会学科の演習はすべて専任教員が担当し、 4 年次にきちんとした卒業論文(卒業研究)を執筆することができるように体系化されているのが特徴です。

 

< 1 年次>

・「社会学概論 A・B」・・・ 新入生用の社会学入門コースであり、社会学の基礎概念や考え方をわかりやすく導入する 1 年次の必修科目です。

・「社会学基礎演習 A」・・・ 複数コースあり、所属コースは機械的に決められ、選択はできません。しかし、どのコースになっても、共通のシラバスとバイリンガル・テキストにしたがって、大学で学ぶ上での基礎的なアカデミック・スキルを身につける内容になっていますので、安心して履修してください。

・「社会学基礎演習 B」・・・ 複数コースあり、一部のコースは英語で開講しています。希望者は、英語開講コースを受講することができます。いずれのコースも、「社会学基礎演習 A」と同様に、共通のシラバスにしたがって、大学で学ぶ上での基礎的なアカデミック・スキルを実践的に身につける内容になっています。

 

<2年次>

・「社会学史A・B」・・・ 2 年次の必修科目で、社会学の歴史と意味を古典を通じて学びます。

・「社会学演習ⅠA」「社会学演習ⅠB」・・・ 演習の学習目標をより発展させ、主体的な研究の実現のために、具体的な方法論を実践的に学ぶ科目です。計量、フィールドワーク、理論、地理の 4 分野の 7 コース(うち 1 コースは英語開講)から、春学期と秋学期とで異なる 2 分野のコースを選択して学びます。なお、ゼミ配属は学生のコース希望と各ゼミの人数の均等化とのかねあいで決められます。また、各演習終了時には、それぞれ 4,000 字程度の最終レポートを作成します。

社会学科の専任教員は、「社会学基礎演習」か「社会学演習Ⅰ」のいずれかを担当するので、 2 年間の中でできるだけ多くの専任教員と接しながら、自らの専門分野への関心を深める努力が求められます。


☆計量コースでは、社会的現実をデータから分析することを通じて、実証的なアプローチの方法や考察の基礎を身につけます。小規模の質問紙調査の実施や、統計データの分析を行います。

☆フィールドワークコースでは、社会事象の現場に立ち、そこでの観察を記述する方法を学ぶことを通して、実証的なアプローチの方法や考察の基礎を身につけます。参与観察やインタビューなどのミニ・フィールドワークを行います。

☆理論コースでは、社会学の広範な分野への理論的なアプローチの基礎を学びます。わかりやすい専門書などを通じて、社会学的なものの見方、論文の基本要件、分析枠組みの作り方、基礎概念などを習得します。

☆地理コースでは、これまでに学んだ社会学の基礎を生かしつつ、現象を地図化して空間的に把握する、同じ現象を異なる地域で比較する、謎を解きながら地域の特徴に迫る、といった地理学のものの見方を、地域の具体的なデータに即して学びます。文化、まちづくり、観光、経済など、各自の関心に合わせてどんなトピックでも多面的に捉え、検討できる地理学的視点を身に付けます。

 

・「選択必修 B」・・・ 「社会学演習Ⅰ」では 4 つの分野から 2 つを選んで実践的に学びますが、選択必修 B ではその 4 分野に対応した方法論ならびに理論を学びます。演習Ⅰの選択コースにとらわれず、多様な科目を履修することが望まれます。

 

< 3・4 年次>

・「社会学演習ⅡA・B・ⅢA・B」・・・ 卒業論文(卒業研究)の執筆を目標に 2 年間同じ指導教員のゼミを履修することを原則とします。「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(ゼミ活動)」と「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(社会調査)」の 2 種類があり、 2 年次の秋学期に説明会を行ったうえで、学生の希望と各ゼミの人数の均等化とのかねあいでゼミ配属が決まります(両方の演習を履修することもできます)。いずれの演習も、 3 年次終了時に 8000 字程度のゼミ論文を、 4 年次終了時には卒業論文(卒業研究)を提出します。

1 ・ 2 年次と異なり、教員それぞれの専門分野の独自性や個性を前面に出した指導が特徴となっています。学生の側も、自分の問題関心に応じた主体的な選択が求められます。


☆「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(ゼミ活動)」では、学生それぞれが主体的にテーマを設定し、 2 年間かけて各人が卒業論文を執筆します。専任教員全員のゼミが開講され、各ゼミで 3 年生と 4 年生が共に学びます。 3 年生は、卒業論文執筆に向けてテーマを確定させ、各自の問題関心を発展させて学習・研究を深めることを目指します。一方、 4 年生には、卒業論文の執筆に向けた専門的な研究指導がなされます。いずれの学年においても、これまでの基礎的な知識や問題関心をベースに、研究史をふまえた適切なテーマを設定し、独自の視点からアプローチし論述することが求められます。

☆「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(社会調査)」では、ゼミ全体で 2 年間かけて社会調査に取り組み、その成果を卒業研究として報告書等にまとめます。卒業研究の報告書等の執筆はグループまたは個人で行います。調査に長期的に取り組むことで研究対象への理解やコミットメントを深め、これまでの学びを社会事象の現場に適用した、質の高い研究を行うことが求められます。原則3つのゼミが開講され、内容はゼミと年度によって異なります。毎年複数のゼミが社会調査士資格取得の実習科目に対応します。

 

・「社会調査および実習 A・B」・・・ 3 年次の選択必修科目です。問題関心の明確化、分析枠組みの構築、仮説設定、調査項目の作成、調査票配布・回収やインタビュー、集計や分析、報告書の執筆といった一連の作業を自らこなして、実証的研究のおもしろさと難しさを体験します。社会学科では、計量的、質的、地域研究的なアプローチでそれぞれコースを設定しており、その中から希望に応じて履修しますが、履修人数には上限があります。また、原則として同じコースの「A」に引き続き「B」を連続して履修します。なお、この科目は、社会調査士の資格取得に対応しています。ちなみに、「社会学演習Ⅱ・Ⅲ」で「ゼミ活動」と「社会調査」のいずれの演習に所属していても、「社会調査および実習」も並行して履修することができます。


・「卒業論文(卒業研究)」・・・ 4 年間学んだ集大成として、論文・研究を仕上げます。「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(ゼミ活動)」の履修者は、 16,000 字以上の卒業論文を各自が作成します。指導教員に随時相談しながら、自分らしい問題関心を明確化し、先行研究の探索・読み込みを行い、オリジナルの研究を展開させ、論文というかたちで公表します。「社会学演習Ⅱ・Ⅲ(社会調査)」の履修者は、卒業研究の報告として、卒業論文に匹敵する内容の調査報告書等を作成します。なお、卒業時には、全員の卒業論文・卒業研究の概要を収録した CD を卒業生全員に配布します。また、優秀論文・研究は、学科で表彰しています。

卒業要件

社会学科を卒業するためには、下記の卒業単位要件を満たさなければなりません。【科目区分】【卒業条件単位数】も参考に、卒業単位要件を確認してください。

第 1 部社会学科 基盤教育科目 課程表◆


第 1 部社会学科 基盤教育科目 課程表(PDFファイル)

 

第 1 部社会学科 専門教育科目 課程表


第 1 部社会学科 専門教育科目 課程表(PDFファイル)

 

第 1 部社会学科 基盤教育科目 授業科目一覧


第 1 部社会学科 基盤教育科目 授業科目一覧(PDFファイル)

 

第 1 部社会学科 専門教育科目 授業科目一覧


第 1 部社会学科 専門教育科目 授業科目一覧(PDFファイル)