講演会/ワークショップ開催

Post date: Aug 29, 2016 9:23:16 AM

心理学の実験は再現できない! 追試に成功するのは4割未満だ! なんて話が巷間を賑わしたのが2015年のことでした。そうした再現性の低さの背後には、Questionable Research Practices(QRP)という、「え、それってダメじゃない?」なやり方が、現場で(悪いとも思われないままに)実践されてきたことが大きく影響していると言われています。

それじゃ、Questionableじゃない研究方法ってどうすればよいのさ。近年、強調されているのが事前登録(pre-registration)の重要性です。「自分はかくかくしかじかの方法で実験をやります。サンプルはこれこれで、手続きはこう。分析は◯かける△です」といったことを、全て事前にopenにしておく。そうすれば、データを見てから「こう分析したら面白いんじゃね?」「おや、これは予想外だが、極めて面白い結果だ。てゆうか、考えてみたら納得だぞ。これでお話作って論文かいちまえ」という乱暴なことはできません(できにくくなります)。

なるほど確かに。でも、事前登録って、やってみると、なかなか大変。慣れてないってのが大きいと思うのですが、今までとは発想を変えねばならない面も色々あります。しかし! 実は事前登録を前提にすれば、色々と研究が効率的になる面もあるんですね。例えば平石ラボで出した論文(Hiraishi et al., 2016)、読んで頂ければ分かりますが、データ取ってからacceptまで1ヶ月です。もちろん追試だからってのは大きいのですが、事前登録も悪いことばかりじゃない。

ということで、Questionableでない、むしろinformativeでefficientな研究実践についてレクチャーを受け、さらに議論しちゃおう!という会を設けました。奮ってご参加下さい。

Designing more informative and more efficient studies

Dr. Daniel Lakens (D.Lakens@tue.nl)

2016年9月22日(木・秋分の日)慶應義塾大学三田キャンパス