はじめに

2014年は、生命科学研究の抱える問題点が、様々な事件を通じて明るみに出た年として記憶されることと思います。これまで、研究不正はしばしば個人の資質の問題として処理され、研究倫理に関する系統的な教育の取り組みや、研究者同士の議論は活発ではありませんでした。研究活動の多くが研究者の誠実さと研究者間の信頼により維持されていることを考えれば、現状は極めて深刻な状況と言わざるを得ません。ここでは、Research Integrityという概念を軸に、健全な研究環境を形成するために何が必要なのかを考えます。

このサイトは、2015年3月に開催された日本薬学会第135回年会のシンポジウム「生命科学と臨床研究における研究倫理」において提起、議論された様々な論点を整理、考察するために設けられました。資料については随時追加していく予定ですので、参考になる情報があれば是非下記までお知らせください。読者のみなさまの教育、研究のお役に立つことがあれば幸いです。

田中 智之(京都薬科大学薬学部)

小出 隆規(早稲田大学先進理工学部)

安井 裕之(京都薬科大学薬学部)

(代表)E-mail: lifesciences.integrity@gmail.com

(Twitter) @sato51643335

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告知:「あなたの知らない研究グレーの世界」(中外医学社)が発刊されました(2023年11月6日、Amazonhonto)。榎木英介さんと共同で編著を担当しました。グレーゾーンの研究活動にはどのようなものがあるかをそれぞれ項目立てして、事例、背景、対策についてまとめたものです。一つひとつの記事はそれぞれの項目について詳しい専門家に執筆をお願いいたしました。一つひとつの記事は短く読みやすいですから、知らず知らずに何がグレーゾーンなのかを知ることができます。

日経サイエンス1月号の新刊ガイドに取り上げていただきました。
現代化学新年号のPICK UPに取り上げていただきました。

告知:「科学者の研究倫理ー化学・ライフサイエンスを中心に」(東京化学同人)が私たちの共著として発刊されました(2018年6月8日、Amazonhonto)。これから研究室に配属される学部生、大学院生、そして彼らを指導する教員のみなさまに手にとっていただけると幸いです。大学における研究倫理教育について、活発な議論が行われるきっかけになれば幸いです。

・毎日新聞朝刊(7/12, 2018)のPICKUPで須田桃子記者に取り上げていただきました。
現代化学8月号に大阪大学大学院生命機能研究科の仲野徹先生による書評が掲載されています。
日経サイエンス9月号の新刊ガイドに取り上げていただきました。
・日本薬学会「ファルマシア」誌11月号の新刊紹介に取り上げていただきました。大阪市立大学の日下部哲也先生による書評です。
・科学新聞(2019年1月25日、第3713号)において書評をいただきました。
名古屋工業大学フロンティア研究院のwebサイトでご紹介いただいております(2020年1月)。